緑のお医者の徒然植物記

Translate

緑のお医者の徒然植物記

検索結果

2018/10/22

マユミ(真弓)盆栽管理について No,8


マユミの盆栽管理


マユミは日本原産の落葉低木です。

初夏に淡緑色の小さな4弁花をたくさん咲かせます。

秋は美しい紅葉🍁が楽しめるほか、落葉する頃にピ

ンク色の果実が成熟して裂け、真っ赤な種子をのぞかせます。

幹肌も荒れて渋い味わいがあり、秋の風情を満喫で

きる雑木盆栽として親しまれている。

自生地は北海道から九州までの日本各地に分布して

いますが、渓谷沿いなど水の条件のよい場所に生育しています。

ニシキギ科ニシキギ属に分類され、ヤマニシキギの別名があります。

幹、枝、葉ともニシキギとよく似ていますが、ニシ

キギは若枝の側面にコルク質の翼が発達するのに対し、マユミはありません。

「真弓」と表記しますが、その木材から弓を作ったためと言われています。

材質は軽く、粘り強い弾力性があり、建築材や器具

材、彫刻材などに使われています。

また、若葉は食用にもされていたようです。

雌雄異株で、自家受粉の確率は低いので、結実を楽しむには2株必要です。



設置場所

樹勢は強く、耐寒性もあります。一般的には日当た

りがよく風通しのよい、戸外の棚上などで管理するのが理想です。

ただし、時期にもよりますが水分を多く必要とする

ので、日当たりがよすぎたり、乾燥しやすい場所では生育がわるくなります。


開花中は、雄株、雌株を一箇所に集め、自然交配を促します。

冬期は、関東以西の地方であれば北風の当たらない

軒下などで十分ですが、小枝が充実している成木

は、1~2度霜に当ててから保護室に取り入れるようにしましょう。


水やり、肥料
芽だしから成長期の夏までは、たくさんの水分を必

要とします。その後は、あまり水を吸わなくなります。
水不足や水の与え過ぎは根腐れの原因となるので注意が必要です。


◉生長期には、表面が乾いたら鉢底から水が流れ出すまでたっぷり水を与えます。

★開花期は、花に水がかからないように注意しながら、1日1~2回与えます。

〇秋から冬の休眠期は、鉢の表面が乾いたらその都度、水やりをするようにします。

◉肥料は、開花してから実がしっかりととまるまでは不要です。
結実したら有機質の固形肥料(玉肥)を置き肥します。

施肥の期間は開花前の2~3月と、秋9~10月が目安です。

リン酸、カリ分の多い肥料を与えます。

剪定、整姿
花芽は、短く充実した前年枝につきます。

今年伸びた長い枝にはほとんどつきません。

実をよく成らせるためには、12月~3月上旬までに

花芽のついていない長い枝を付け根から切り取ります。

付け根から切ると樹形が悪くなる場合は、基部の3~5芽ほど残して切ります。

混み枝を整理して内部まで日が当たるようにし、風通しをよくします。

また、マユミやニシキギは不定芽がよく出て樹形が

乱れやすいので早めにかき取るようにします。





植え替え
植え替えは、春植えと秋植えがありますが、一般には春植えが理想です。

用土は現在植えられているものと同じものを用います。

一般的なのは赤玉土、砂、腐葉土などの混合土です。

植え替え前に、徒長枝や混み枝を切って整姿し、植え替え後の負担を軽くします。

同時に、鉢底の土を少し切り崩して根を切り詰め、元気な根に更新します。


根張りが乱れている場合も、この時に整姿しておきます。

植え付け後は、鉢底から抜け出る水がきれいな水になるまで、たっぷりと灌水します。

植え替えの目安は2年から3年に1回ですが、鉢が

大きすぎると実つきが悪くなるので、生長の度合いにあわせて行うことが大切です。






ジンチョウゲ (沈丁花 ) No,7

ジンチョウゲ  「沈丁花」

常緑広葉樹

早春に咲く花の代表種で、甘い香りを漂わせる。

暖地性で、日当たりと排水のよい腐植質の多い土質がよい。

強い風と西日をさえぎるようなところがよく、水はけの悪いところでは根腐れが起きやすい。

幼苗は別として、性質は丈夫ですが成木の移植は直根性のため難しい(ほとんど不可能とされている。

代表品種


シロジンチョウゲ、ウスイロジンチョウゲ、フイリジンチョウゲなど。

◉半日陰でも育つ樹種で、それほどの手入れは必要ありません。

自然に放置していても形が丸みをおびた樹形になります。

しかし、庭に植える木としては寿命が短く、せいぜい10年もたちますと自然に枯れてしまいます。


★剪定

放任していても、樹形はよく整いますのでとくに必要ありません。

大きくなりすぎた時は、花後に徒長枝や全体を刈り込み、強い剪定はさけます。




◉肥料(施肥)

冬の元肥に、堆肥と化成肥料を混ぜて株まわりに埋め込みます。

成木の場合で、堆肥スコップ3杯ぐらい、化成肥料300㌘とします。

5月から6月に、化成肥料を根元にばらまく。成木の場合で、リン酸カリ分の多い化成肥料を300㌘

9月ごろに油粕に少量の化成肥料を混ぜ、株元にすきこむようにします。
成木の場合で、油粕500㌘、化成肥料300㌘


◉病害虫

ほとんどありませんが、たまにアブラムシが発生する。
根腐れ病が発生する。

★ジンチョウゲの根は直根性といって、地面に真っ直ぐ根をおろします。

このような根を持つ植物の移植は難しいのですが、ジンチョウゲに多い根腐れ病は、根に病原菌がつき根を腐食させるので、木はまず樹勢が衰え枯死してしまいます。

根腐れ病は、地下で起きますので、まずこの病気の発生を疑ってみるとよいでしょう。

★予防と対策

春から夏にかけてアブラムシが発生したら、マラソン乳剤1000倍液を月に2~3回散布してあげます。

多くの病気は、病原菌が原因で、また害虫は産卵を繰り返します。

病気に侵され落葉した葉や、害虫の越冬場所になりやすい落葉や枯れ枝などは、きれいに集め焼却する必要があります。

病害虫の再発防止の為にも落葉や枯れ枝などの焼却や、清掃を行いましょう。









2018/10/18

クチナシ(アカネ科) No,6

クチナシ 落葉広葉樹

本来は山地の林縁などに自生する。

自生地は関東以西になります。

もともとクチナシは熱帯性の樹種です。

しかし、露地植え(庭になどじかに地面へ植えること)なら東北南部、鉢で育てる場合は、冬季に室内で管理すれば北海道でも育てられます。


代表品種★八重クチナシ、大八重クチナシ、コクチクチナシ、フイリクチナシ。




熱帯アジアや南アフリカで自生していたものが18世紀にヨーロッパへ広がり、その後日本に広まったものと言われている。



独特の香りを漂わせることから、ヨーロッパでは恋人へ贈るはなとして絶大な人気があり、中国でも桃に次いで好まれている花です。

花は盛りを過ぎるとクリーム色に変化する。

熟しても口を開かない果実がクチナシの語源で、8月頃から熟す果実は、黄色の染料や吐血、利尿の生薬としても利用される。

甘い香がする「三大香木」のひとつである。

半日陰で肥沃な土壌を好みます。

浅根性なので水持ちのよい土壌の方がよく育ちます。


肥料を多く必要とする樹木ですから、毎年2月に堆肥を株元に埋め込みます。

また、その後新芽の伸びが悪いようであれば、有機肥料を2握りまいておくとよいでしょう。

肥料の与え過ぎには注意しましょう。


◉剪定
クチナシは横に枝を伸ばす性質があるので、自然樹形は楕円形に近い形になります。

この特性を生かし、玉仕立てにするとよいでしょう。

造形のものは刈り込んで形を整えていきますが、翌年の開化を楽しむためには、7月一杯に作業を終らせます。

生け垣の場合も刈り込む時期は同じです。




クチナシの殖やし方


開花時の6月から7月が敵期で、今年伸びた枝を頂部から12~15㎝の位置で切り、鹿沼土か赤玉土を敷いた鉢に挿します。

半日陰で風通しのよい場所に置き、春まで生育させて、3月に植え替えると2~3年で花が楽しめます。




◉挿し木したものを苔玉盆栽にしたものでこの状態まで約一年。

苔は最初、根元の部分だけ這わせて、徐々に自然に這わせたものです。

定期的に2000倍液肥を与えています。

夏場乾燥が激しい時は、バケツに水をはりその中に入れてブクブクとあわがなくなるまで数分間浸けておく。

苔は、乾きを見ながら、霧吹きして管理すれば良いでしょう。

受け皿に水を注いでもいいですが、根腐れに注意しなければいけません。

葉の色が、黄変したりする場合は、水やりが多い場合と日光不足が原因と考えられます。

水持ちが悪くても黄変する場合もあるので判断が難しいかも知れません。

置場所も十分理解して、育てることが大切でしょう。








2018/10/12

楓の苔玉 No,5

カエデの苔玉



いつの間にか、こんなところにシダが(..)……なぁ~んでか?知らない(^_^;)

自然に生えて育ってた!自然はいいなぁ~😃苔も自然に這えてこの状態までになった。

ここまで苔が這うのも、何ヵ月もかかる。これから先このシダ君は、どの様に育って行くんだろうなぁ~( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆


しばらく観察することにしよう。

年越し出来るか?ちょっと不安ではある。

自然に生えて来ただけに、自然に絶えてしまうかも知れない(..)







2018/10/02

ハクチョウゲ (白丁花) No,4

ハクチョウゲ

     アカネ科

別名=ハクチョウボク、コウチョウゲ、バンテイン
原産地=台湾、中国、インドシナ




花木として観賞されるよりは、生垣や花壇や道路の縁取りに利用される事が多い。

土質を特に選ばず、日当たりのよい所ほどよりよく育つ。

放っておくと枝葉が密生して形が乱れるので、初夏から秋にかけて、時々せん定を行う。




◉肥料
油粕、化成肥料などを与える。

ハクチョウゲと言う植物。

よく似た物は、アベリアと言う植物で街路樹としてよく植えられている。

種類も多く類似してる物も多いので、判別が少し難しい品種です。

挿し木から育てたハクチョウゲ。

小鉢に入れ小品盆栽として育てる。

来年には小さな花が咲くことでしょう。



                 「ハクチョウゲ苔玉」

◉殖やし方
挿し木で殖える。(5月~6月)
株分けもできる。

◆せん定時期は7月~10月

園芸品種に、花の色や形の異なるムラサキハクチョウゲ、フタエハクチョウゲ、ヤエハクチョウゲ
斑入り葉のフイリハクチョウゲがある。





2018/09/04

サツキ苔玉盆栽 No,3

サツキ苔玉盆栽


苔玉にして一年半が経過した。
まだ花は一度も咲いていない。
水やりの加減が難しいと思う。
新葉がで出す頃が案外難しい。



 

サツキ
ツツジ科ツツジ属の常緑低木
サツキは、関東地方以西から屋久島にかけて自生するマルバサツキを園芸化したものです。

ツツジの仲間の多くは、通常4~5月にかけて開花しますが、6月頃(旧暦5月=皐月) に咲く遅咲きのものをサツキと呼びます。

ツツジは花つきが非常によく、株一面にびっしりと開花しますが、中でもサツキの花つきのよさは随一です。

また、交配、繁殖が容易で生長も早く豊富な花色を楽しむことができます。

丈夫で樹勢も強いため、華麗な花もの盆栽の中でも最も幅広く親しまれている樹種だと言えるでしょう。




盆栽としての観賞価値は花にあることは言うまでもありませんが、開花期間は1~2週間です。

花と並んで一般の盆栽のように四方にしっかりと張った根張り、上に行くにしたがって細くなるこけ順、大木を思わせるどっしりとした枝順などの樹形も重要です。

双幹や多幹、寄せ植えに仕立てることもありますが、単幹の模様木や直幹仕立てが一般的です。




◉設置場所
春から秋までは日当たり、風通しのよい明るい場所に置きます。

冬は寒風の当たらない所に移動して管理します。

開花中は雨に当てないようにします。雨に濡れると花腐れ菌核病の原因になります。

★花腐れ菌核病について
通常開花中の花弁に淡褐色水浸状の斑点または斑紋が現れる。次第に拡大して花全体が萎ちょう褐変して腐敗にいたる。

花弁は散らずに長く着生したままであるため、美観をそこねる。

開花期に好天かを続く年は花が終わる頃から発生し始める。

実害は起こらないが、雨の多い年には、早いものでは蕾のうちから花弁に病斑を生じ、満開に至らないうちに変色、萎ちょうし始め激しい被害となる。

特に、オオムラサキツツジなど花の大きい種類が侵されやすい。

○予防法として
花に発生する病気であるので、薬剤防除は花弁に薬害を起こす危険性や薬剤の付着によって美観がそこなわれるなどの理由から、花弁への直接散布は困難である。

したがって、発生株では萎ちょうした花弁を丁寧に摘徐して、感染、伝播を防止する。

4月頃から発生株の株元周辺にイプロジオン剤、チオファネートメチル剤、ベノミル剤、プロシミドン剤、ビンクロゾリン剤などを用い、10日おきに2~3回ほど粉剤または水和剤を散布し、発生を抑制する。

また、他外病害樹木の落葉した病葉などは、冬期間に集めて焼却するなどし、伝染源を排除しておくことが重要です。

◉水やり、肥料
絶対に水切れさせないことが重要です。鉢土の表土が乾いたら、たっぷり与えます。

花前に水切れを起こすと花つきが悪くなり、きれいに咲きません。

設置場所の状況にもよりますが、春、秋は1日2回、真夏は1日3回が目安です。

また、夏期の乾燥が激しい時は葉水してあげましょう。

有機肥料または配合肥料を与えます。

成木は、二月下旬から三月下旬と9月から11月に毎月一回、若木では4月から11月まで真夏を除き毎月一回。

花前に肥料を与えると花持ちが悪くなるので、花の一ヶ月以内(3月下旬以降が目安)は、肥料は与えないようにします。

【剪定、整姿】
サツキは芽が伸びやすく、数も多いので樹形が乱れがちです。

そのため、毎年、こまめな剪定を繰り返すことが大事です。

開花前は、強い芽を切りつめ、弱い芽を残して、芽先、枝先がきれいに揃うようにします。

また花が咲いたとき、ぶつかりあわずにきれいに並ぶように枝をすかし、不必要な蕾は取り除きます。

花後は、春から伸びた新芽を早めに整理して樹形を整えます。

若木はこれから樹形を作っていくわけですが、まず、車枝、かんぬき枝、立ち枝、重なり枝などを切って整形します。
 
新梢は2芽を残して切り、残った芽は2~3葉がつくようにして切ります。

そこから2芽ずつ出て樹形ができていきます。

成木の場合は樹形を維持することが大切です。

上下の枝が重ならないよう、上から見て平均的に芽が並ぶように、重なっている芽を切り取ります。

新芽はそのまま伸ばしたのでは樹勢が強く、樹形を乱してしまうのですべて切り取ります。

すると、その後により樹勢の弱い二番芽が出て、樹形を大きく乱すことはありません。

★成木では強い芽を切り、弱い芽を残すという剪定が基本になります。

根張りが絡んでいたり、バランスが悪い時は、針金や小石などで矯正します。

◉植え替え
若木は毎年、成木は2年~3年に一回。

時期は3月~4月が最摘期。

6月に花を楽しむため、大がかりな改作を目的とする植え替えを除き、一般には花後早めに行います。

用土は排水性、通気性がよく、かつ保水力も優れている土を用います。

鹿沼土単体か、鹿沼土に水ゴケを2割混ぜたもの。


【害虫】
アブラムシ、カイガラムシ、グンバイムシなどが発生することがあります。

定期的な薬剤散布や捕殺などで防除。

一般な植木の防除法に準ずる。