緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2019/02/08

接ぎ木 果樹の殖やし方② No,123

接ぎ木について

◉接ぎ木は、果実の味覚を良くする為に果樹に対して行うことが多いが、一本の樹木に異なった色や形の花を咲かせる場合にも行う事がある。

◉樹姿を変えたい時にも有効な手段である。

ただし、全ての種類が接ぎ木できるわけではなく、穂木と台木は近縁種(似たような性質を持っているもの)同士でなくてはなりません。

同一種であれば問題はありません。

接ぎ木の原理

接ぎ木は、台木と穂木の形成層を合わせて癒着させ、お互いの切り口に生じるカルス(癒傷=ゆしょう組織)の分裂、増殖によって双方が接着する原理になっている。

接ぎ木の新和性

接ぎ木は、穂木と台木の組み合わせを自分で行えるわけではありません。

ある樹種の穂木とある樹種の台木を用いて接ぎ木するときに、お互いが合着しやすい組み合わせになっているかどうかを、接ぎ木の新和性といいます。

★新和性は、穂木と台木の樹種が同じである時(これを共接ぎという)に最も高くなりますが、植物分類学上の近縁の植物であれば接ぎ木することができます。

◎ツバキをツバキに接ぎ木するのは共接ぎですが、ツバキをサザンカの台木に接ぎ木しても構いません。

ゴヨウマツをクロマツの台木に接ぎ木しても構いません。

◆接ぎ木は、同じ樹種同士で行えるとは限らず、これにはいくつかの理由があります。

例えば、接ぎ木が可能であれば、台木は耐寒性、耐病性などが強く、また樹勢の強いものを選ぶ方が、活着後の穂木の生長が良くなるなどの理由があるからです。

台木の選び方

台木は、接ぎ方によって違いますが、樹勢が強く根がしっかりしている1~3年生以内の若木を選ぶのが一般的です。

多くの穂木を接ぎたい場合は、台木にする樹をあらかじめ実生で育てておくとよいでしょう。

実生
接ぎ木やとり木で育てた台木に比べて、多くの穂木を接ぐことができるなど上、穂木がスムーズに生育します。

カエデ類など生長の遅いものでは2年から4年生の台木。

接ぎ木の時期

どの樹種もおおむね2月下旬から実施できますが、針葉樹は3月上旬までに実施しないと活着率が極端に落ちます。

①常緑広葉樹は6月中旬 
②落葉樹は4月上旬

★緑枝接ぎを除く枝接ぎは2月下旬から4月上旬

★緑枝接ぎは、台木、穂木ともに新梢を用いるので5月下旬から7月

★芽接ぎは、8月中旬から9月中旬
(バラ、スモモ、アンズなどは7月下旬頃から可能)

★呼び接ぎは落葉樹では2月下旬から4月上旬
(常緑樹では6月頃まで可能)

★カエデ類、モクレンなどの落葉樹では8月中旬から9月中旬も適期

◉台木が植わった状態で接ぎ木する方法を「居接ぎ」台木を掘り上げて接ぎ木する方法を「揚げ接ぎ」

苗木を養成する目的で枝接ぎする場合は、多くの樹種で揚げ接ぎが行われます。

芽接ぎや縁枝接ぎでは「居接ぎ」するのが普通(2月下旬から4月上旬)


◆芽接ぎ、あるいは緑枝接ぎを行う場合には、接ぎ木時点以前に台木が定植されていなければならず2月下旬から4月上旬に行われる接ぎ木では、前年の秋(落葉直後)に台木となる苗木を掘り上げて、長く伸びた根を整理して接ぎ木時点まで、仮植えしておくようにします。

仮植えを行うと新根の発生が良くなる。
ウメ、サクラ、アンズ、カエデ類、ナシ、リンゴなど多くの落葉樹で行われる。

★落葉樹を枝接ぎする場合は、挿し木の場合と同様1月下旬から2月頃に穂木にするえだを切り取って貯蔵しておきます。

◎ツバキ、サザンカ類、マツ類などの常緑樹では穂木を早めに切って貯蔵しておくことが困難ですので、接ぎ木する時に種木を切り取る。
芽接ぎ、緑枝接ぎも同じ。

✫接ぎ木の方法(切接ぎ)


台木と穂木の形成層がピッタリ密着しないと木がつかないので、台木の切り口は平らにし、くぼんだり盛り上がったりしないように注意する。


①穂木の切り口をなめらかに削り、切り口と合う形に台木に切り込みを入れる。


                                  ①図


②穂木の反対側も少し削り、切り口を軽くなめるとつきやすくなる。

穂木は5〜8cmくらいつぎ口を1~1.5cm前後斜めに切ります。


                                     ②図

③台木の形成層と穂木の切り口を密着させます。

                                    ③図
形成層を両方合わせる。
小さい穂木の場合は、片方だけでも形成層についていればよい。


④台木と穂木の結合部分をビニールひもなどでしっかり巻いて固定します。

台木が大きい場合は、台木の断面と穂木の結合部分にロウ(ロウソクを溶かしたもの)を塗ってからビニールひもでしばります。


                               ④図

乾燥を防ぐために、更に上からビニール袋を被せて、その上から再びビニールひもでしばる。


✿ビニールを取り除く時期は、接ぎ木後約1ヶ月を目安にし、急に取り除かないでビニールに穴の数を徐々に多くするなどして、40~50日後に全て取り除くようにする。




✻接ぎ木後の管理と施肥

台木と穂木が一体化するまでのおよそ1ヶ月は、ビニールひもはそのままにしておき、つぎ穂から芽が出てきたことを確認した後に外します。

春に接いだものは秋には植え替えできますが、生育の遅い樹種は翌年の春まで待って植え替えます。


        ✻台木から芽が出た場合の処理

また、台木から芽(台芽)が出た場合は、穂木の養分が取られてしまうので、速やかに芽の付け根から切り取るようにします。

接ぎ木した穂木から芽が出てきたら油粕6、骨粉2、魚粉2の混合肥料を与えます。

接ぎ木してから一年間は、冬期の11月~2月を除いて2〜3ヶ月おきに与えるようにします。

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接ぎ木果樹の殖やし方①No,122








2019/02/07

接ぎ木 果樹の殖やし方① No,122

接ぎ木がよい理由
果樹の場合はなぜ接ぎ木がよいかと云うと、実生で殖やすと親木とまったく同じ形質を持った果実が成ることはほとんどありません。

しかも親より親より優れている物ができる可能性が極めて低いからです。
その点、接ぎ木にすると穂木の性質が生かされ、得られる果実は元の親木のものと理論的にはまったく同じ形質になるのです。

◉実生の場合は、生育して開花、結実するようになるまで相当の年月がかかります。

接ぎ木は、はるかにそれを短縮することができるのです。

その他にも、雌雄異株の果樹でも、接ぎ木すれば一本の木で果実を楽しむことができる、免疫性の台木に接ぎ木して病害虫を抑えることができるなど、接ぎ木には多くの利点があります。

接ぎ木の適期

熱帯性の常緑果樹などを除いて、一般に接ぎ木の適期は春と秋の年2回に限られます。

接ぎ木で最も重要なのは、カルス(切り口を覆う作用、力)の形成ですが、そのカギを握っているのは樹液の量です。

生育が盛んな夏場では樹液の量が多すぎてカルスが形成されにくく、活着しません。

反対に休眠期の冬場は、樹液の量が少なすぎて活着するのに時間がかかり、カルスが形成される前に穂木が枯れてしまいます。

★つまり、休眠から目覚めて芽が動き始める春と、休眠に入り樹液の流れが停まる直前の秋が、接ぎ木にとって調度よい樹液の量を確保できるというわけです。

◉樹種によって実際の接ぎ木の適期は、若干異なります。


✿接ぎ木(繁殖方法)の利点
枝を作ったり根を作ったりする目的に応用される。


挿し木が困難な樹種でも行えるなどの利点がある。

花木、果樹、マツ類では接ぎ木による繁殖が行われる。


             (樹木の茎の構造断面図)


            (接ぎ木、形成層の結合図)

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接ぎ木果樹の殖やし方②No,123






2019/02/06

天然植物活力液 HB-101 No,121-1

HB-101でガーデンライフをより楽しく‼️


HB-101とは
植物の生長を促す天然の活力液で、強力な静菌力を持ち、長い生命力を維持する樹木と薬草として知られるオオバコを原料にして、エキスを特殊製法で、精製したもの。

使用方法
一般的な使用方法としては、1.000倍から10万倍に薄めて葉面散布、土壌灌水します。

種や根を1.000倍液に数時間浸けておくのも効果的です。

HB-101は、農薬ではありません。木酢液でもありません。

人間や動物にも優しい活力液です。植物の本来の働きを活力化される天然の栄養液です。

従って、植物の種類を問わず、花、野菜、果物、樹木、盆栽、山野草等、さまざまな植物にその効果を発揮します。

土壌改良剤の役目もし、防虫、防菌にも役立ちます。



2月から3月果樹の管理  No,121

整姿、剪定
2月はナシ、リンゴ、カキなどの落葉果樹の剪定、整姿や、🍇ブドウ、🥝キウイなどのツル性果樹の棚仕立ての誘引が行えます。

ブルーベリーの剪定は、もう少し暖かくなる3月になってからがよいでしょう。この頃には、カンキツ類、フェイジョアなどの常緑果樹の剪定も行えるようになります。

カキの冬期剪定

カキは新梢の先端に花芽ができています。基本的には強い剪定は行わず、余分な芽を間引いて秋の結実の充実を図ります。
主枝と副枝の先端の花芽は切り取ります。また、徒長枝を切り取り、できるだけ枝と枝の間隔をあけるように間引き、結果枝になる芽と発育枝(翌年以降の結果枝、または結果枝の予備になる枝)がバランスよく残るようにします。

水やり、肥料

この時期、水やりはほとんど必要ありませんが、乾燥が続く場合、キウイ、ブドウ、ブルーベリーなどには少量与えます。
肥料は2月にアンズ、モモ、ウメ、スモモ、ナシ、イチジクなどに緩効性化成肥料を与え、充実した芽の萌芽を促します。3月以降は施肥は行いません。

挿し木

3月は様々な果樹で接ぎ木が行えます。穂木は12月から2月の間に採取、貯蔵しておいたものを使います。また、ブドウ、キウイ、イチジクなどの落葉果樹の挿し木も行えます。
葉がない時期なので蒸散が少なく、挿し木直後の管理が楽になります。

🍇ブドウの挿し木

鉛筆ぐらいの太さの枝を10㎝前後に切り、穂木とします。根元をクサビ状(V字型、両面切り)に切り2~3時間水揚げ(水にさして水を吸い上げさせる)した後、発根剤を塗布し、さし床にさします。



葉からの蒸散はありませんが、樹皮からも水分を失われるので、芽が土のすぐ上に出るぐらいまで深く垂直にさします。

さし床の用土は赤玉土(小粒)などの排水性のよいものを選びます。
穂木の間隔は、芽吹いた後に葉が重なり合わない程度にとります。
生育状況にもよりますが、6~10㎝程度の間隔が目安です。

★さした後は、鉢底から水が抜ける(水が透き通る)まで十分灌水し、明るい日陰で鉢土が乾燥しないよう、湿度を保ちながら管理します。







2019/02/04

ボタン(牡丹)  No,120

ボタン(牡丹)キンポウゲ科

原産地/中国

日当たりと排水のよい、腐食質に富む肥沃な砂土壌か砂質土で、強い風と西日を遮る場所がよい。

寒さには強いが、夏の暑さに少し弱い。乾燥を嫌い、大株の移植はよくない。




 性質、特徴

植え付けの時期は、落葉直後から11月まで。

事前に植え付ける場所には、完熟堆肥や腐葉土、それに鶏ふんなどをよくすき込んでおき、肥料などが肥料などが直接根に触れないように、高植えするように注意する。

植え付け後、敷きわらをして乾燥防止対策をする。

成長は遅いので、自然の樹形で育てます。

普通は、5月咲きですが、冬咲きの寒ボタンもあり、わらで囲いをして防寒対策ををする。




◉中国から渡来して千年の歴史があり、品種改良も進んで優良花の品種がとても多い。




◉花色も豊富で、花弁の一重咲きや八重咲き、千重咲き、変わり咲き、そして開花の季節では、冬咲きと春咲きなど多種多彩である。

病害虫、予防と対策

日当たりや風通しが悪い場所で、春から夏にかけて多く発生する褐斑病の病葉は早く発見し摘み取ります。

また、その病葉に水をかけてはいけません。

対策として、マンネブダイセン500倍液やベンレート水和剤1000倍液を、月に2回から3回定期的に散布します。

白絹病は、春から秋に発生します。

この病気は非常に厄介で、恐ろしい病気のひとつです。

まず、植え付ける前に、土にペンタゴンやタチガレンなどを混入して予防します。

この病気が一度発生すると治りにくいばかりか、周ネコブセンチュウりの株にも伝染するので、早めに被害の株を根のまわりの土ごと取り除き、そこにペンタゴン1㎡あたり20㌘から30㌘を土に混ぜ、病気拡大を防ぎます。

病気の発生した場所には、植えない方がよいでしょう。

◉成育中の場合でのタチガレンは、500倍から1000倍に薄めて土にまきます。

ネコブセンチュウの発生原因は、買い求めた株がすでに病気にかかっている場合がほとんどです。


購入前に、優良株を選ぶことが大切ですが、枝葉を観ても分からないので厄介です。

これにかかって元気がない場合は、ネマヒュームで土壌を消毒します。

夏から秋にかけて多く発生するので、ネマヒュームを1㎡あたり20cc津地に流し込みます。

ガスを発生して、土中の病原菌やセンチュウ類を殺します。

イセリアカイガラムシは、冬期に機械油乳剤30倍液を散布して予防します。

春の幼虫発生期から、スミチオン、カルホスなどの1000倍液を定期的に散布します。



★イセリアカイガラムシ(ワタフキカイガラムシ)

有力な天敵として、ベダリア🐞テントウムシ、特にカンキツ栽培地帯では、これを放し飼いして高い効率をあげている。

いたずらに薬剤に頼るばかりでなく、積極的な天敵利用をはかるように留意する。


◉メセンチュウには、秋からディプテレックス乳剤1000倍液を散布して予防します。




肥料(施肥)

よい花を咲かせるためには、よい株を育てる事が大切です。よい株を育てる為には、肥沃な土を作ることが基本になります。

冬の間に、十分な栄養になる堆肥などの有機質を中心とした施肥を行います。

一年以上かけて完熟堆肥堆肥を作り、それにリン酸カリ分の多い化成肥料を加えて、根に直接肥料が触れないようにして、株回りに穴を掘り埋め込みます。

モミガラクン炭を加えてもよいでしょう。

◆追肥

花が終わった後に、一回少量の化成肥料(200㌘から300㌘)骨粉3に対して油粕7を合計500㌘以内を軽く掘って埋め込みます。

9月には、化成肥料(200㌘から300㌘)と骨粉300㌘ほど与えます。

その他の手入れ法

ボタンは、夏の乾燥を嫌いますので、敷きわらなどをして乾燥防止をする。

開花時には、強い風や雨にあてないように注意しましょう。

傘などを立てて、花が雨に濡れないようにするとよいでしょう。

花が咲き終わったら、種子をつけないようにして切り取ります。

ボタンは秋以外には、移植をしないようにしましょう。

鉢植えを他に移すのは構いません。










2019/02/02

クレマチスの植え付け2月~3月 No,119

クレマチス

別名=テッセン(鉄線)

春から初夏だけ開花する一季咲き品種と、四季咲き品種がある。

日なたを好みますが、暑さには弱いので真夏は直射日光を避けるようにする。

土の乾燥を嫌うので、鉢植えなどで土の表面が乾きかけたらたっぷりと水を与えます。

特に夏場は水切れにならないように注意します。




◉クレマチスは垣根や花壇に植えたり、鉢作りで育てますが、庭植えにして放置しておくのがいちばん手のかからないやり方です。

苗は市場に出回る物を購入しますが、早く育てたい方は、少し値段が高くても鉢植えで一年以上作り込んだ物を求めます。

排水のよい場所で、極度の粘土質、砂質地はさけます。

庭植えは、根元が半日陰になる場所に植えて、伸びたツルにはよく日が当たるように誘引します。

株の大きさにより、大きさや深さともに30~40㎝の植え穴を掘り、堆肥や元肥を入れてよく混ぜて植えます。

◉鉢植えの場合、一年苗木なら、5号鉢に一本植えます。

底にはゴロ土を入れ、培養土は小粒の赤玉土、その半分の腐葉土、化成肥料を施します。

ツルを途中で切り詰め、伸びたら再び切り込んで枝づるを増やします。日なたの風通しのよい場所に置き、水やりは多めに行います。

◉挿し木

挿し木するときは、若い枝を数節に切り、葉を取ってバーミキュライトに挿すとよいでしょう。
(5月から6月)