複色(ふくしょく)について
複色とは、ひとくちで赤、ピンクとは言えないひとつのお花の中に、複数の色が含まれている色を表現するときに使われている、花業界独特の色の名前です。
一つの花の中に2つ以上の色があることを複色と呼んでいます。
複色の花色を表現する言葉として
バイカラー(二色花) トリカラー(三色花)などがよく使われますが、複色の花は2つ以上の色彩がいろいろなパターンで組合わさった模様を作り花色が複雑になることも多く、この場合にはこれらの複色をうまく表現するのが、難しい場合もあって困ることもあります。
(アンネのバラ)
新しく出てくる花は、複色のものがとても多い傾向にあります。
単色の花も素敵ですが、微妙な色合いの複色カラーは合わせる花色によって、まったく見え方が違ったり、色合わせをするのが楽しくなる花色でもあります。
◉代表的な複色の花
アジサイ、アサガオ、アストロメリア、アザレア(ニコレット)
アマリリス、カーネーション、ペチュニア、チューリップ
ビオラ、フロックス、ナデシコ、ユリ、バラ等その他多数
咲き進むと花色が変化していくもの、これを「色変わり」と言いますが、これも複色の一つと言っていいでしょう。
その他、複色と言える代表的なもの
絞り(しぼり)
「絞り」は布を糸でしばるなどして、染まらない部分を作る染色の技法ですが、花びらに現れた不規則な模様に似ていることから「絞り」と呼んでいます。
(ツバキ)
また、絞りを細かく分類すると
大絞り(おおしぼり) 絞りが大きく入る大小絞り(だいしょうしぼり)大小の絞りが花弁に入る小絞り(しょうしぼり)細かい点がはいる荒絞り(あらしぼり)おおざっぱな絞りが入る竪絞り(たてしぼり)花弁に明瞭な縦筋が入る伊達絞り(だてしぼり)一つの花に大絞り、竪絞りが入るこれは一部の分類であり、他にも多数あります。
覆輪(ふくりん、ピコティ、斑入りの一種)
花びらを縁取るように、縁だけに別の色が載る模様の花を「覆輪」と呼びます。
中には縁取りの幅が狭く、ほぼ「線」くらいの細さになっているものを「糸覆輪」と呼ぶこともあります。
(クリスマスローズ)
その他、白覆輪、紅覆輪等がある。
ブロッチ
花の中央に地色(グランドカラー)と異なった色の大きな斑点が入る模様を「ブロッチ」と呼びます。
パンジーの花の真ん中にある斑紋が代表的です。
(ビオラ)