キョウチクトウ
原産地はインドで、日本には中国を経由して江戸時代に渡来しました。当時から庭木として幅広く親しまれていました。
キョウチクトウの名は中国名に由来しており、葉が竹の葉のように細く、花は桃の花に似ていることによります。
高温乾燥に強く、大気汚染にも強いことから、都市の緑化樹としてもよく利用されます。
また、原爆で被災した広島市では、復興につれて盛夏の花として市内各所に植えられるようになり、原爆犠牲者への慰霊の意も込めて昭和48年に市の花に選定されました。
基本種はピンクの一重咲きですが、白花、淡黄色、八重咲きのものなど園芸種も豊富です。
樹高は5メートルほどに達しますが、小庭に向く樹高1.5メートルほどの矮性(わいせい)タイプもある。
花期は6月中旬~9月までが一般的ですが、本来は四季咲き性です。日当たりのよい暖地では通年咲き続ける事ができます。
◉キョウチクトウの花、葉や樹皮、根に含まれる白い液にはオレアンドリン、ネリインと言う強心性の有毒物質が含まれています。
漢方では、葉、樹皮を乾燥させ「夾竹桃葉」と言う生薬にします。強心薬、利尿薬、打撲の湿布薬などに用いますが、素人には取り扱いが難しいので注意が必要です。
キョウチクトウの生育管理
できるだけ日当たりのよい、やや乾燥した場所を好みます。
冬期も葉の蒸散が多いので、冬の冷たい乾いた風に当てないように注意が必要です。
暖地性ですが、成木になるとある程度の耐寒性がつくので、東北南部ぐらいまでは庭植えが可能です。
ただし、苗木や若木は寒さに弱く、関東南部より北の地方では防寒対策が必要です。
根が粗く細根が少ないので、大株は移植に強くありません。
植え付けは小さな苗木のうちに行うようにしましょう。
土壌から養分を吸収する吸肥力がとても強いので、肥料は特に必要ありません。
やせ地の場合は、3月頃に株の周りに完熟堆肥をすき込み、夏に鶏ふんなどの有機肥料を一株につき2握りほど与えるようにするとよいでしょう。
★黄橙色のキョウチクトウだけに発生するアブラムシがいます。
スミチオン乳剤、マラソン乳剤の1000倍液などで駆除します。
◉せん定
株立ちが自然樹形です。
若木のうちは特に整姿しないで、ある程度の大きさになるまで自然に育てます。
せん定では、枝を中途半端なところから切らない。
枝の途中で切ると、そこから小枝が密生し、かえって樹形を乱すだけでなく、花つきも悪くなります。
枝は必ず根元から切る「枝すかし」が基本です。
秋に徒長枝やこみ枝を軽くすかし、思いきったせん定は春に行います。
古枝は株元から切り除き、ひこばえは株を大きくしたい場合を除き、早めに切り取ります。
生け垣の場合は6月頃に徒長枝が目立ってくるので刈り込みます。
※切り口には有毒成分が含まれているので、素手で樹液に触れないように注意します。
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