家相
日本人は、自然の造形を小型に、また上手に再現することが好きな民族と言われています。
それは、各地の名園の造園方法や、盆栽の例を考えれば納得できることですが、しかし、これらの名園や名木の配置には一定の決まりがあり、樹木等の種類が選ばれていることはあまり知られていません。
一般に庭を構成する要素には、植木や石、灯篭(とうろう)池など色々ありますが、これらにはひとつひとつ納まるべき位置や形が定められています。
このひとつの規定の基本が中国から日本に伝わった「家相」の考え方です。
家相は、人相や手相と同じように運勢学の中でも大切な位置を占める要素です。
その家に住む人の運勢を大きく左右するものとして、古来から恐れられ、また、畏敬の念を持って研究されてきた学問です。
畏敬(いけい)とは、おそれ多く思うほどに相手を敬う気持ちのこと
よって家相の世界では、その敷地の形状や建物の配置、そしてその建物の間取り、神仏の位置、寝室や台所、トイレや風呂の位置など、その家に住む人たちの吉凶を分ける方位が事細かに説明されています。
これと同様に、庭やそこに植栽する庭木や花木、果樹などについても実生活での利便性も含めて、家相の世界で考えられています。
全部のことを満たす家相や吉運の庭を作り上げることは、現実問題としてはかなり難しいこともあります。
しかし、凶運を呼んでしまうような庭をわざわざ作ることは愚かなことだと思います。
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