緑のお医者の徒然植物記

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2025/07/09

スベリヒユ No.765

 食べられる野草

スベリヒユ


別名

オオスベリヒユ、スベラヒョウ、ズンベラヒョウ、タチスベリヒユ


日本の各地方によってはアカジャ、アカヂシャ、イワイズル、ウマビユ、オヒョウ、ゴシキソウ、スベラヒョウ、トンボグサ、チギリグサ、ヌメリグサ、ネガタ、ヒデリグサ、ヒョウ、ヒョウナの方言でも呼ばれている。


また、葉が青、茎が赤、花が黄色、根が白、種が黒と言う5色が揃っていることから「五行草=ごぎょうそう」とも呼ばれる。


原産地は南アメリカで、世界中の熱帯から温帯にかけて広く分布しています。


スベリヒユの歴史は古く、有史以前に海外から日本に渡来したと考えられています。


万葉集にもスベリヒユと思われる記述があり、古くから日本人に親しまれてきた事が伺えます。


有史以前に人が意図的に持ち込む前から、自然に分布していた史前帰化植物である。



この名が付いたのは、アマランサス(ヒユ)の仲間に似ていることから「ヌメリヒメ」と呼ばれ、それが転じて「スベリヒユ」になったと言う説や葉っぱにツルツル滑るような光沢があることに由来すると言う説もある。


乾燥に強く砂地や畑、道端や空き地など日当たりの良い場所に自生する。


乾燥に強いことから、飢饉の際に救荒植物として利用されたこともある。


また、サツマイモは飢饉を救った救荒作物として知られている。


スベリヒユは栄養価も高く、一部地域では食用とされるほか薬用としても利用されてきました。


民間薬として利尿や解毒として利用されてきた。


中国の中医学では長寿薬や馬歯莧(ばしけん)と呼ばれ、解毒、消炎、抗菌、止血などに用いています。


山形県では「ヒョウ」と呼ばれ、茹でて食べたりおひたしやあえ物、サラダなどに利用されています。


スベリヒユには「シュウ酸」が含まれているため、茹でてから水にさらし、アク抜きをしてから食べるのが一般的です。


沖縄では念仏鉦「ニンブトゥカー」と呼ばれ、夏場の貴重な野菜として重宝されています。


ヨーロッパでは普通にスーパーで売られています。


近縁種のタチスベリヒユが「パースレイン」と呼ばれ、野菜として栽培されています。


高茎となり、葉が大きく西洋ではサラダや煮物に用いられています。


茹でたものは干して保存食にもできます。


犬には有毒となるので注意が必要です。



近縁種

近縁種には、花が大きい園芸種のハナスベリヒユ(ポーチュラカ)がある。

ポーチュラカの名はスベリヒユの学名に由来し、スベリヒユはポーチュラカの原種になっている植物でもある。

同属にはマツバボタンがあり、茎葉の形や様子はスベリヒユに似ています。

タチスベリヒユは野菜として栽培されています。


アク抜きの例

硝酸を多く含むので、必ずアク抜きをする必要があります。

スベリヒユは根元を切り落とし、よく洗います。





沸騰したお湯に塩を少し入れ、3分〜5分程度茹でます。




茹でたら冷水に浸して数分(10分程度)さらしてアクを抜きます。

アク抜きが終わったら、水気をしっかり絞ってから調理に使用します。

「アク抜きが終わった状態」


茹で時間は柔らかさや好みに合わせて調整する。

根元の太く硬い部分は、天日干しでゼンマイ等のように保存し、お湯等でもどして使う。

  「保存用、天日干し」


天ぷらにする場合、水にさらす時間は30分〜1時間程度を目安に、さらす時間を長くするなど調整する。

花、葉、茎、根が食用

調理法にはサラダ、煮る、焼く、炒める、揚げる、茹でるなどして食べます。


    「冷凍保存」

スベリヒユはΩ(オメガ)3脂肪酸を豊富に含み、健康食品としても注目されています。

Ω3脂肪酸は、体内で生成できず、食事から摂取する必要がある必須脂肪酸の1種ですが、過剰摂取は血液をサラサラにしすぎ、胃の不快感や吐き気、下痢などの副作用を引き起こす可能性があるので摂取量には注意が必要です。








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