イチジク クワ科
よく知られている果樹ですが、原産地は日本ではありません。
原産地は、小アジアと言われ、日本には江戸時代の始めに入ってきました。
暖地性の果樹で、病害虫が少なく、雌雄同株のため人工受粉の手間がかからないので、手軽に栽培できます。
果実は、酸味がなく、消化もよくて便秘に効くと言われています。
〈適性〉
関東地方より南で栽培できます。
土質は中性から弱アルカリ性を好み、土層が深く、乾燥しない土地が適しています。
〈収穫〉
収穫時期は6月から7月につく夏果と、8月から10月につく秋果の2タイプがあり、樹の種類によって違います。
代表的な種類のマフイドーフィンは夏果と秋果の両方が収穫できます。
〈肥料〉
寒肥として10月に堆肥に鶏糞と牛糞を混ぜ少量の化成肥料を加えたものを浅めに埋め込みます。
追肥は3月にリン酸(過リン酸石灰、熔成リン肥)とカリウム(塩化、硫酸)の多い化成肥料を根の周りにまきます。
〈剪定〉
剪定の適期は3月で、夏果の場合は、前の年に伸びた枝の先にかじったらの芽がついているので、枝先を切らないようにします。
秋果の場合は、その年に伸びる枝に芽がついているので、新梢(しんしょう)を出させるために切り詰めます。
注意する症状
①挿し木が育たない。
イチジクは一般的に挿し木で簡単に増やせます。
しかし、イチジクには、忌地(いやじ)現象があり、同じ場所に続けてイチジクを植えると(連作)育ちが悪くなります。
★ウリ科やナス科などの作物に多い現象。
◉対処法として
前に植わっていたイチジクの根を丁寧にすべて取り除いてから植えるようにします。
②実が裂ける。
乾燥が続いた後に雨が降ったために、実が裂けたのだと思われる。
乾燥時期には、注意をして水やりをしてあげれば裂果は防げます。
③枝が枯れたり、折れたりする。
クワカミキリが原因です。
対処法は、他のカミキリムシ類と同じです。
幼虫が幹に穴を開け侵入し、内部を食い荒らします。
幼虫は別名テッポウムシと呼ばれます。
成虫になると葉や小枝などを食害します。
成虫は見つけたら捕殺。
成虫が産卵するときに幹に傷をつけるので、傷跡を探してその部分を切り出すか、叩いて圧殺します。
食入り口を見つけた場合は、穴にスミチオンなどの薬剤を穴に注入して穴を塞ぎます。
〈防除〉
4月の発生時期に、サッチューコートやすみなどの薬剤を散布すると効果的です。
しかし、大部分は健全木には加害しないので、樹の健康を保つことが一番です。