コブシ「落葉樹」
モクレン科モクレン属 別名ヒキザクラ、ヤマモクレン、ヤマアララギ
学名「マグノリア·コブス」
◉日本原産で日本全国と韓国の済州島に自生している。
日本全国で、庭木や公園樹、街路樹として広く栽培されています。
早春の3月から4月頃、葉が出る前に7~8㎝くらいの白い花が咲く。
モクレン属の中では、最も耐寒性があり北国の春を告げる木として親しまれています。
地球上に一億年以上生息しているとされ、花の付き方がらせん状になっているなど、起源の古い植物の持つ特徴が見られます。
モクレン属は最古の花とも言われる。
9月から10月頃に実る果実は、握りこぶしを連想させるような凹凸があり、これがコブシの名の由来とされます。
農村では特に田打ち桜、種まき桜の名もあり農耕暦代わりに用いられる他、花の咲き方などでその年の作物の豊凶を予測したりもしました。
◆春早いうちに花を咲かせるので、つぼみはわずかな温度変化にも敏感です。
太陽の光を多く受ける部分が先に膨らむため、つぼみの先端が反り返って北を向きます。
こうした植物は「方向指標植物」と呼ばれ、登山のガイドブックには「早春の山道で迷ったら、コブシのつぼみを見るように」とアドバイスが載っている物さえあります。
「コブシの花」
★花は和辛夷(わしんい)の呼び名で、生薬としても用いられます。
開花前のつぼみを採取し、風通しのよいところで陰干しします。
鼻カタル、蓄膿症、頭痛に効果があるとされています。
生育管理
植え付けは3月~4月 10月~11月、日当たりと風通しのよい場所が適します。
有機質に富んだ水もちのよい土を好みますが、強い粘土質の土は根が張りにくいので避けるようにします。
肥料
1月から2月に堆肥、腐葉土、油かす、骨粉などの有機質肥料を少量施して土を柔らかくします。
剪定
剪定はしない方が花突きはよくなります。
剪定する場合は、花後が最も適しています。
分かれ目や付け根から切ります。
枝の途中て切るとその先からは弱い枝しか出ず、枯れ込んでしまうこともあるので必ず、枝の分かれ目で切るようにします。
殖やし方
移植は嫌いますが実生で殖やせます。
実から赤い果肉を取り去り2月から4月頃に種をまいて育てます。
モクレンの仲間ではコブシは珍しく挿し木ができます。
その場合は、春先のほか、7月頃にも繁殖が行えます。