緑のお医者の徒然植物記

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2020/07/26

水と植物の関係 No.234

水は移動する資源

地表にある水は、海、湖、川、氷冠(ひょうかん)、氷河、地下水、及び大気中に含まれているものも合わせて、全部で1.9×10の18乗㍑と言われています。

この他に地殻(ちかく)や、マントルに閉じ込められている水があります。

これらの水は、地球が誕生した時から存在してきたものです。

この内の97%が海水で、氷河などの凍った水が2%、残りの1%が陸上生物にとって利用可能な淡水なのです。

降水する水はそのまま蒸発していくわけではなく、土壌に浸透するものや湖や川に入るものもあります。

全体の99%以上は、地下に染み込んで地下水の一部になります。

地下水は何千年もかかって地下の帯水層を満たし、やがて地表にしみ出して、また生物の利用可能な水となるのです。

大気中から降った水は、土壌に染み込み、植物を育てるための必要なものになります。

植物は根から吸った水に、栄養分を溶かして体内に送り、光合成でできた糖分を溶かして、いろいろな部分に送るためにも水を使います。

水分の蒸散によって体温の調整も行っています。

植物は根から吸い上げた水の5%程度しか光合成に利用せず、残りの95%は葉からの蒸散によって、空気中に出ていってしまうのです。

このようにふつう植物は、水の少ないところではよく育ちません。
植物が水不足になると、細胞が大きくなれなかったり、光合成がうまく行われなかったりします。

砂漠に生きるサボテンは枝葉をトゲにかえて、水分の蒸散を抑え茎に水分を蓄えています。

昼間は気孔を閉じて光合成に使う
二酸化炭素は昼間に取り込むなど、環境に適応しています。

植物が生きて行ける環境が壊される事は、人類が生きて行くため必要な水源まで壊してしまう事に繋がって行くのです。