緑のお医者の徒然植物記

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2023/07/10

幹や茎をはしる動脈と静脈 No,649

 幹や茎のはたらき、つくり

植物の幹や茎には自分の体を支えると言う働きがあり、また、幹や茎には根や葉などに水分や養分を運ぶ管が通っています。


どんなに高い樹木の枝先にも水分や養分が届き、光合成によって造られた糖を葉から、体の各組織に運びます。


維管束(いかんそく)

植物の茎を切ると維管束と言う組織があります。

維管束は師部(しぶ)と木部に分かれていて、師部には師管が木部には導管(被子植物)、裸子植物では仮導管(かどうかん)が通っています。


     「維管束の拡大図」


導管は水分や養分を根から葉へと伝える役目をしています。

師管は葉の光合成によってできた糖を、体の隅々まで届ける役目を果たしています。

被子植物の多くの種は導管を含む材を持つが、ほとんどのシダ植物や裸子植物は導管を持たず、仮導管からなり、仮導管組織がその役割を担っている。

仮導管の両端は尖って穿孔(せんこう=空いた穴)はない。

♣種子植物は胚珠(はいしゅ)が心皮(しんぴ)に包まれているものと、いないものとの2つに分けたときに、包まれているものを被子植物、包まれていないものを裸子植物としています。


ソテツやイチョウ、針葉樹などが裸子植物で、被子植物へと進化する前段階の植物と言われています。


形成層

被子植物の双子葉植物と裸子植物には、木部と師管の間に形成層と言う分裂組織があります。

単子葉植物では形成層がなく、維管束が放射状に散らばっています。

形成層の細胞は盛んに分裂して茎を太くしています。

樹木の場合、形成層の内側は木部に外側は樹皮になります。

双子葉(そうしよう)植物は子葉が2枚またはそれ以上ある植物で、単子葉(たんしよう)植物は子葉が1枚の植物を言う。


樹皮

樹皮は2つの部分でできていて、外側はコルク状の層になっています。

コルク状の層は死んだ細胞でできていて、外界から樹木を守る役目をしています。

内側の層は生きた細胞でできていて師管が通っています。

樹皮の外側の死んだ細胞はそれ以上成長しませんが、内側の形成層はどんどん新しい細胞を作るので樹は太っていきます。


それに連れて樹皮は引っ張られて裂けてしまいます。

樹は葉の気孔(きこう)だけでなく、樹皮の裂け目を通しても呼吸をしています。


     「葉のはたらき」

水はなぜ上昇できるの?

根から吸われた水は導管を通り、動力に逆らって葉の先端まで上っていきます。

たとえ100㍍の高さの樹木でも水は上っていきますが、それには3つの理由があります。


     「植物内の水の流れ」

①葉からの水の蒸散によって葉が水不足になる。

②水と水との分子の分子間力の結びつく力(凝集力=ぎょうしゅうりょく)は大変強く、どんなに強い力を働かせても滅多に水の流れが切れることはない。

③水が細い管の中を上っていく毛細管現象で、外部からエネルギーを与えられることなく管の中を移動する物理現象。

地球上での重力に逆らえるほど上昇することもあり、主に静電気力が影響しているとされる。









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