緑のお医者の徒然植物記

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2023/09/12

さつまいもの害虫(2) No,654

 コガネムシ コガネムシ科ジムシ類

ジムシ類 (コガネムシの幼虫)




大多数のコガネムシの幼虫は、落葉や堆肥などの有機物を食べるだけで無害な虫です。


しかし、一部のコガネムシ類は生きた木の根までも食糧にします。

種類により異なりますが、だいたい春から秋にかけて被害を起こす。


春先の植え付け時期や土を耕した時、見つけた幼虫を捕殺します。

土中の有機物を食べるので、有機肥料を使い過ぎると呼び寄せることになり被害が増えます。


有機肥料の使い過ぎに気を付ける必要があります。



コガネムシ類によるさつまいも被害

土中の幼虫が塊根(かいこん)の表面を食害するため、サツマイモでは品質が著しく低下することになります。

一般的に1齢幼虫は土壌中の腐植、堆肥など有機物を食糧とし、2齢幼虫以降に塊根を摂食するようになる。


3齢幼虫は摂食量が増えるため被害も大きくなります。

被害を受けた食害痕の表面には土が付着しやすい。


早い時期に栽培する作物では、越冬後の幼虫による被害を受け、普通栽培では8月下旬以降に新しく産まれた幼虫による被害を受ける。


サツマイモを加害するコガネムシは、数種類が知られているが複数種が混ざり合って加害している場合が多い。


ほとんどが年一回の発生とされ、幼虫のまま土中で越冬する。


アカビロウドコガネを除く他の成虫は、サツマイモの葉をあまり摂食しない。

羽化した成虫は餌となる植物へ移動する。

餌となる植物で摂食、交尾を行い生殖機能を発達させた後にサツマイモの栽培地へ移動し、土中に潜って産卵する。

産卵後生まれ幼虫は、畦内の層に多く存在し、栽培地内に均一に見られない場合が多いとされる。


♣防除

越冬後の幼虫には、土壌くん蒸剤によるセンチュウ類との同時防除が有効とされている。


新しく生まれた幼虫には、植え付け前か植え付け時の殺虫剤処理による、予防の被害軽減効果が高いとされる。

ただし、薬剤処理を行った後の土壌混合が不十分な場合や効果の短い薬剤を選んだ場合には、薬剤効果が不十分となります。

また、薬剤処理時に土壌が乾燥している場合では薬剤効果が劣る。


サツマイモに加害するコガネムシの種類

ドウガネブイブイ、アオドウガネ、ヒメコガネ

アカビロウドコガネ、オオクロコガネ


◉ドウガネブイブイ

成虫、幼虫ともに重要な農業害虫として知られている。

幼虫の時期は地中の作物の根を食害し、成虫になると葉を食害する夜行性の害虫で、銅金色(青から緑に銅を混ぜたような色)をしていることからドウガネと呼ばれる。

ブイブイとは飛ぶときの音を表し、ぶんぶんがなまったものとされる。

体の色と羽音を合わせて「ドウガネブイブイ」と言う名前になったとされる。



     「ドウガネブイブイ」


幼虫は産卵から15日くらいが発生時期とされ、これが1齢幼虫で更に、14日経つと2齢幼虫の発生時期となる。

土中の有機物、腐葉土を食べる1齢幼虫はその後、草の根を食べて成長する2齢幼虫となる。


3齢の老齢幼虫になると食欲旺盛となり、行動範囲を広げ、サツマイモやサトイモ、落花生などの地中の作物を越冬する頃まで食害し続けます。


年一回の発生で成虫は6月上旬から9月下旬に発生する。

成虫は夜行性で19~20時頃を中心に飛来し、夜間は活発に飛行する。

雌成虫は交尾後地中に潜って産卵する。


防除剤はスミチオン乳剤、ダブルトリガー液剤など

幼虫発生初期に殺虫剤を散布する。