サツマイモ基腐病
サツマイモ基腐病(もとぐされびょう)は芋が土中で腐る病気です。
病気が感染多発した栽培地では、大幅な減収を生じます。
基腐病は平成30年度(2018年4月〜2019年3月)に沖縄県で、国内初として確認された後、全国で発生が確認されています。
令和5年1月時点で発生が確認されている都道府県
沖縄、宮崎、鹿児島、福岡、長崎、熊本、高知、静岡
岐阜、群馬、茨城、東京、千葉、岩手、愛媛、福井、埼玉
山形、石川、北海道、鳥取、長野、広島、徳島、神奈川
兵庫、岡山、大阪、和歌山、三重の30都道府県
サツマイモ基腐病は、主にさつまいも(ヒルガオ科)のみ感染するとされています。
感染すると茎の地際部が黒から暗褐色になり、茎葉は黄色や紫色に変色して萎れ、病状が進むと枯死し、その後芋(塊根=かいこん)が土中で腐ってしまいます。
この病気は糸状菌(カビ)によって引き起こされ、その菌に感染した種苗や畑などに残った茎葉、芋などが伝染源になります。
健全な苗や芋に見えても、保菌している可能性があるので注意が必要です。
降雨などによって畑に水たまりができると、発病した株にできた胞子(カビのもと)が水を介して周辺の株に広がり、感染が拡大します。
育苗期から生育期、収穫期から貯蔵期間中に至るまで年間を通して感染、発病する可能があります。
日頃から病気の侵入防止と、早期発見、早期対策に努める必要があります。
苗を植えた後から収穫時まで、こまめに畑を確認し、発病が見られた畑では2年以上はさつまいも栽培を避け、さつまいも以外の作物を栽培するか、休耕します。
この病原菌は土壌中に残るため、同じ畑で連作栽培すると発病を繰り返す可能性あります。
主な防除対策例
病気が発生した場所から種芋を採取しない
無病な種芋や由来のわかる健全な苗を使用します。
種芋や苗はよく観察して選別し、腐敗や黒変があれば使用を避ける。
購入する苗が消毒済みであるかどうか確認
未消毒の苗は植え付け前にベンレート水和剤、ベンレートT水和剤20の登録農薬で消毒
別の畑で作業する前には、農機具や長靴についた土はよく落とし、水できれいに洗浄する。
畑に病原菌が入るのを防ぐため、コンテナや農機具、長靴等の洗浄水が畑に流れ込まないように注意する。
収穫後に畑に残った茎葉、芋は可能な限り畑の外に持ち出して適切に処分する。
収穫後は速やかに耕作を行う。
なお、病気が発生又は病気と疑われる症状を確認した場合、生産農家は関係機関に直ぐに連絡し、指導を仰ぐ必要があります。
家庭菜園に於いても必要不可欠な問題になっていると言えます。