地球システムの崩壊危機
世界の160人の研究者が執筆した「グローバル·ティッピングポイント報告書」は、来月ブラジル北部にあるアマゾン河口付近の都市、熱帯雨林帯に位置するバレンで、国連気候変動枠組み条約第30回締約国会期(COP30)が開かれる前に、気候変動の影響で「地球システム」に後戻り出来ない変化がもたらされる「ティッピングポイント」が予想より早く訪れていることを13日に発表された報告書で明らかにしました。
また、ベレン宣言は2023年にアマゾン地域8カ国が採択した、環境保護と持続可能な開発に関する合意です。
地球システムとは、地球を構成する大気、水圏、地圏、生物圏、人間圏と言った要素が相互に影響し合うひとつの巨大なシステムのこと。
ティッピングポイントとは、ある程度までの変化が緩やかに蓄積した後に、突然急激に不可逆的な変化が起こる「転換点」を意味する。
この概念は幅広い分野で用いられるが、気候変動では温暖化が一定のレベルを超えると、氷床の融解等によって気候システムが制御不能な状態に陥る可能性があると指摘されています。
産業革命前からの気温上昇が$1.5$℃から$2$℃を超えると、氷床の融解や森林の消失など、後戻り出来ない大規模な気候変動が始まる可能性があります。
これはコップに水を注ぎ続けて、ある時点で水が溢れ出すような現象に例えられます。
この現象が一度起こると、元の状態に戻すことが非常に難しい、または不可能になる。
報告書によると、現在世界の平均気温が1.4度上昇している下で、サンゴ礁の死滅がほぼ回復不能なペースで進んでいます。
また、極(南·北)地方の氷の融離もティッピングポイントに近づいており、このまま進めば世界の海面が数メートル上昇するのは確実な状況です。
数年以内に世界の平均気温が1.5度上昇すると予測される中、大西洋の海水の深層循環が停止したり、アマゾンの熱帯雨林が大規模に死滅したりする可能性があることも指摘されています。
この状態に達すれば、生物や人間の生活に回復不能な影響をもたらすことになります。
気温上昇が1.5度を超過する「オーバーシュート」の幅を最小限にするため、温室効果ガスの排出量を2010年比で30年までに半減させ、50年までに吸収量と排出量が差し引きゼロになる状態(ネットゼロ)を達成する必要性を報告書で強調しています。
また、気候変動に立ち向かう努力、取り組みが必要とし、すでに太陽光や風力の世界的な広がりなどで、解決する手がかりが表れていると報告しています。

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