コーヒーの木 アカネ科
英語名=コーヒートゥリー
原産地=アフリカ大陸、エチオピア
コーヒーの発祥、起源
コーヒーの発祥には2つの伝説が有名で、いるずれも13世紀頃と言われ、エチオピアとイエメンとされる。
✿エチオピアの山羊飼いの少年「カルディ」は、いつものように山羊たちを連れて山を散歩していると、山羊たちが赤い実を食べ始めました。
すると、赤い実を食べた山羊たちは興奮状態に陥り、楽しそうに飛び跳ねました。
それを見て驚いたカルディは、自分でも赤い実を食べてみました。
すると全身に力がみなぎり楽しい気分になりました。
カルディはそのことを僧侶に話したことから、コーヒーはイスラム僧侶の眠気覚ましの薬として広まり、酒が禁止されているイスラム教徒たちの嗜好品として、コーヒーハウスで飲まれるようになったという。
✿イエメンでは、イスラムの僧侶オマーンがその地域の王様(有力者)の娘に恋心を持ったことで、王様に町から追放されました。
その後山中で空腹に耐えられなくなったオマーンは、きれいな小鳥たちが赤い実を、素晴らしい鳴き声でつついているのを見て、自分も食べてみたり、フープにしたりして飲んでみました。
すると力がみなぎり、とても元気になったので追放された町に実を持ち帰り、病人に与え病気を治して王様に赦されたという。
エチオピアもイエメンも共に発祥の地を譲りませんが、最近ではエチオピアで発見されたと言うのが通説とされる。
しかし、2つの有名な伝説より400年も前の文献が発見されたことで状況は変わることとなる。
文字によるコーヒーの記録は、西暦900年頃でアラビア人の医師、「ラーゼス」によるものが最初と言われています。
ラーゼスはコーヒーの薬理効果を認めていて、実際に野生のコーヒーの種子(バン)の黄褐色の煮出し汁(カム)を「バンカム」と名付け、患者に飲ませていたそうです。
すでに2つの伝説より早くコーヒーは発見されていたのです。
17世紀後半になると「カフェ」はヨーロッパで男性が集まる社交場と発展しますが、その後一般市民の中にも身近なものとして浸透していきました。
日本で最初にカフェができたのは、1911年銀座にオープンした「カフェー・プランタン」が最初とされ、同時期にフランスのカフェを意識した「カフェー・パウリスタ」もオープンしました。
日本では暖地から亜熱帯にかけて植栽できます。
最低気温が5℃前後以下になる所では、冬の寒さが避けられる鉢植えでの栽培がよいでしょう。
✪果実
チェリービーンズと呼ばれるサクランボに似た豆、果実は液果で中に2つの種子があります。
この種子がコーヒー豆として利用されています。
樹高は8㍍前後になる常緑小高木で幹は直径10cm程に生育します。
葉は対生で長楕円形、葉の長さは8cm前後、幅4cm前後で、表面は濃い緑色で光沢があり全縁である。
雌雄同株で花は5枚の白い花弁があり、かすかな芳香を放ちます。
◉主な種類
原産地のものは、学名のアラビカあるいはアラビア·コーヒーと呼ばれ飲料としてのコーヒーの大部分を占めています。
このコーヒーは産地によりあるいは品種改良により、多くの通俗名として知られている。
主なものは、原産地付近で生産される「モカ」生産が多い「ブラジル」や「コロンビア」高級品として知られるジャワ島の「ブルーマウンテン」などがあります。
類似種として、同じアフリカ原産のロブスタ·リベリアなどがありますが、コーヒーとしての味はアラビア種の方が勝るとされています。
✪生育、環境
低温に気をつけます。
目安として5℃以下にならないような場所での管理が必要です。
日当たりの良い場所に適し土壌は特に選びません。
✿せん定
花は当年枝の葉腋に3〜7個ずつつきます。
花や果実を楽しむには新しい枝を切り詰め過ぎないことが大切です。
✭殖やし方
挿し木、取り木で殖やします。