森の神(ニドムカイム)ブナ
ブナ科 「山毛欅、椈」
ブナは日本の温帯を代表する木で、広大な面積に純群落をつくる。
高さは30㍍にも達し、樹齢数百年を経たものは直径が2㍍以上にも及ぶ。
日本海側の多雪山地のものは葉が大きく、オオバブナ、太平洋側のものは葉が小さくコハブナと呼ばれる。
葉は卵形で縁が波打ち、秋には黄褐色に黄葉する。
果実は刺状の果皮に包まれて生長し、食べることができる。
2006年の頃、十和田湖や奥入瀬(おいらせ)渓流にほど近い山林でブナの巨木が確認されました。
青森県では白神山地のブナが特に有名ですが、同じ太平洋側の十和田湖に近い山中で、大きなブナの発見が全国に報道された。
ブナはきれいな姿をし、空洞や大枝の枯れや損傷も全く見られないほとんど傷みのない状態でした。
「森の神」周辺のブナは完全に伐採され、新たに成長し始めた小さなブナしか存在していない場所で、このブナだけ伐採から免れることができたのでしょう。
それは、昔からマタギやキコリの間で信仰されてきた「3本に分かれた木(三頭木)には神が宿る」という考えが、地元のマタギやキコリたちの間で語り継がれて来たからなのです。
「 十和田市奥瀬森の神(ブナ)」
✿所在地=青森県十和田市奥瀬
付近一帯を伐採した際にも、このブナだけは斧を入れることを頑として、受け付けなかったからだと言われています。
400年以上も生き続けてきたとは思えないほどの若々しい樹姿を見られるのも、マタギやキコリたちの古くから、慣習があったからこそなのだと思うばかりである。
その後、地元有志の方々により、ブナの解説板や柵などが設置されました。
ところがこの状況に驚いたのが熊だったのです。
数日も経たない内に、案内板には引っ掻き傷が多数確認されたのです。
それはツキノワグマの爪痕で、見慣れないものが縄張り内に出現したので、排除しようとした痕跡だったのだと思われる。
また、ツキノワグマはペンキの香りが何よりの大好物と言われ、その香りに引き寄せられたのかも知れません。
この事により、この場所がクマの縄張りであることが明らかになったのだと思います。
周辺にはクマに注意を知らせるものが立てられている。
周辺を探索する際には、厳重に注意される事をお忘れなく!