エゴノキ エゴノキ科
落葉小中高木 (斉敦果)
北海道から沖縄まで、ほぼ日本全国に自生する。
日本の代表的な樹種のひとつです。
秋に熟す果実の皮にはエゴサポニンと言う有毒物質が含まれており
食べたときにのどを刺激して「エグい」味がする事から「エゴノキ」の名が付いたとも言われています。
この果実や樹脂から★「安息香」と呼ばれる薬剤を作ったり、洗剤の原料などに用いていました。
★安息香=あんそくこうは別名ベンゾインとも言い、精神を落ち着かせてリラックスさせる効果に優れている。
青い果実は、有害のサポニンを含みかつては、その麻酔効果を利用して魚とりなどに使われていた。
この様な効果を含んだ植物はナス科に多く見られる。
★ナス科の同類作用種
※ハシリドコロ
※アトロパ·ベラドンナ
(和名オオカミナスビ)
※チョウセンアサガオ
ダチュラ、マンダラゲ、キチガイナスビ
トランペットフラワー、ロコ草とも言う。
※イヌホウズキ(バカナス)
※ヒョス
◈その他ではケシ科のケシの実から作るアヘン、麻薬
◈キンポウゲ科のトリカブト(オクトリカブト)
◈セリ科の毒人参(ハムロック)毒パセリとも呼ばれる。
昔はエゴノキの木材をロクロで細工して、玩具を作った事から「ロクロ木」と言う別名もあります。
白い木材は堅くて粘りがあり、家の床柱や薪炭材としても利用されます。
5月に桜に似た清楚な白花をこれ以上は無理と言う程、枝いっぱい雪の様に咲かせます。
生長が早く花が美しい事から、公園樹としても利用されるようになった。
身近な平地や里山の雑木林や沢沿いなどに多く生えている。
全国に分布する樹種のため別名が多く存在している。
チシャノキ、チャノキ、サボン、イツキなど、各地で様々な通称が使われています。
万葉集にも「地左=ちさ」の名で登場しており、古くから多くの人々に親しまれていた樹木である事が
窺い知れる。
樹勢がたいへん強く、庭木としても育てやすい樹種で、園芸品種には枝が垂れるシダレエゴノキ、淡紅色の花が咲くベニバナエゴノキがある。
◉生育管理、環境
一日中日が当たる場所より、午前中によく日が当たり、午後の西日があまり当たらない半日陰の環境が最も適する。
水はけ、排水性、腐植質に富んだ肥沃な土質が理想的です。
樹勢が強いので、大抵の環境でも育ちますが、根元付近が乾燥しやすい場所では乾燥を防ぐ処置が必要です。
✿植え付け、植え替え
11月〜3月までの落葉期に行います。
植え穴は大きめにとり、完熟堆肥を元肥として十分すき込み 、排水が良くなるようにやや高植えにします。
植え付け後は支柱をつけ、倒木を防ぐ。
◉肥料
樹勢をよく観察しながら、必要に応じて2月頃に寒肥として鶏ふんなどを、株の大きさに応じて株元にすき込むとよいでしょう。
❆病害虫
まれにカイガラムシやテッポウムシが発生します。
カイガラムシには冬期にマシン油乳剤や石灰硫黄合剤を散布し、テッポウムシには穴にスミチオンを注にした後練り土で穴を塞ぎます。
✿せん定、整姿
細かい枝や混み過ぎた枝、徒長枝などのふような枝を整理します。
枝は途中で切ると硬い樹形になるので、切る時は必ず付け根で切り取ります。
切り口には必ず保護剤を塗り保護する事が大切です。
シダレエゴノキの場合は、同じ様に枝を切るのではなく、しだれた枝を外に向かって広がるように枝向きを生かして、せん定する事が重要です。
せん定、整姿の適期は葉が完全に落ちた12月から新芽が動き出す前の3月中旬頃までです。
✪殖やし方
秋に熟した果実を取り、果肉をよく取り除いてから蒔きます。
ベニバナエゴノキ、シダレエゴノキは実生3年から4年の苗木を台木にして切接ぎで殖やします。