樹木生育のサイクル
剪定、管理は樹木の健康を保ち生育を促すと同時に、庭木を適度な樹形、大きさに保つと言う目的があります。
樹木が生育していく過程をよく理解し、適切な時期に適切な方法で剪定、管理を行うことが大切です。
また、樹木が四季を通じてどんな生育サイクルを持っているのか、幼木から成木へと成長していく過程はどのようになっているのかを知る必要があります。
樹木の状態診断
剪定、管理を行う際には、個々の樹木の健康状態を明確に診断することが大切です。
一般的には葉の艶や密度、枝の張り具合、冬の落葉期なら芽の充実度などから、健康状態をチェックすることができます。
また、病害虫の発生しやすい時期にはこまめに葉や枝を調べ、すでに病害虫のあるものは速やかに処理するなどの対策が重要になります。
一年間の生育サイクル
①冬の11月~3月頃にかけて養分が最も多く蓄えられる時期です。
この時期に蓄える養分は主に樹木の幹に集まり、枝や葉には余りありません。
そのため、落葉樹は紅葉したり、やがて葉を落として枝だけの姿になります。
常緑樹も葉の色が多少やわらかくなり、生長が止まったり鈍くなったりします。
この状態で春を待つので一般に「休眠期」と言われています。
②4月~7月頃にかけて、冬に蓄えていた養分が幹から枝葉に行き渡り、新しい芽や葉、枝の生育のために消費され、次第に養分が少なくなっていきます。
この時期は一般に「生長期」といいますが、6月~7月頃になると一旦止まります。
「新芽がかたまる」というのはこの時期の状態を指します。
③8月~10月頃にかけて、成熟した葉によってたくさんの養分が作られ、翌春の生育のために蓄えられていきます。
外からはわかりませんが、この時期の樹木は最も充実している状態で、一般に「充実期」と言われています。
このように樹木の一年の生育サイクルは大きく3つの時期に分けられます。
晩秋から冬になると翌年の生長に備えて養分が幹に集中して、再び休眠期を迎え、毎年繰り返しながら樹木は生長している。