菌根菌について
何年も松の枯れ葉が堆積している健全な松林や造成林地から、古い松葉に付いている白い菌糸状のものを移植します。
松葉には松の「菌根菌」がいます。
松葉以外の枯れ葉では駄目です。
松には松の菌根菌、この菌根菌が枯れそうな松を救う最後の手段かも知れません。
菌根菌とは、菌根を作って植物と共生する菌類のことです。
土壌中の糸状菌が植物の根の表面、または内部に着生したものを菌根といいます。
松の菌根菌は、マツの根と共生する糸状菌の一種で、マツの根の吸収機能を拡張し、土壌養分の吸収や土壌病害の防御(ぼうぎょ)に役立っています。
松は代表的な菌根性樹種で、土壌養分吸収のほとんどが菌根菌を介して行われています。
松と菌根菌の共存関係は、劣悪な土壌環境でもマツを育てることができるという観点から注目されています。
マツタケはアカマツなどのマツ科に共生した「外生菌根菌」で形成されたキノコですが、生きている樹木と共生関係を結び生活する。
樹木細胞の内部には侵入しない菌類です。
多くの植物には菌根が存在しますが、日本ではどの樹木がどんな菌根を持っているのか、よくわかっていません。
菌根菌の役割
①土壌養分の吸収を促進する。
②土壌病害から根を守る。
③根の機能を拡張する。
④植物の成長を促進する。
菌根菌の移植
根鉢の上に菌根菌付きのマツの古葉を敷いて、たっぷり水を張ってやる。
半分くらい浸けて置くくらいでも構いません。
松は水を嫌うなどと言う人もいますが、弱っている松にはたっぷりの水が効果的で庭木も同様です。
菌根菌と炭
松の菌根菌、赤玉土、桐生砂、軽石、炭を松の根に配置します。
適度な根を選び出し施工しますが、健全な根や発根の期待できる根の本数は限られるので、丁寧に掘り出して作業します。