緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2018/11/19

オリヅルラン(原種) 希少 No,50

オリヅルラン原種 ユリ科


       (オリヅルラン原種の花)

◉南アフリカ原産の広く熱帯に分布する
ユリ科の植物で、この原種品はほとんど流通していない。


                         (原種の花穂)


日本に渡来したのは明治の初めで、外側に斑入りの葉が細い種類でした。

斑の無い緑色のものが原種で、その変種の斑入り種の方が観賞に適し、一般に栽培されてきました。

★これらの中から、斑の無い緑色の子株が出ることがあり、これを「先祖返り」と呼んでいます。


(原種の子株)

◉緑色の株(原種)からはほとんど斑入りの子株は出ません。

又、斑入りの株の種子を蒔いたとしてもほとんどが、緑色一色で斑入りの株は出ないようです。

原種の子株か、種子からでないと緑一色の原種は出ないと言うことになります。

興味のある方は是非、トライしてみてください。

いちばん確実なのは自然に任せると言うことです。

庭に斑入りのオリヅルランを、地植えにするか、鉢植えのものを樹木の半日陰になる所に植え付けます。

ソトフオリヅルランの種子が自然落果し、発芽すると原種が生えて来ます。

ナカフオリヅルランの種子では
何度試しても、原種が出る事を確認出来ません。

ソトフオリヅルランはランナーの色も原種色の緑色に近い事を考えると、原種に近い遺伝子を持っているのではないかと考えられます。

つまり、ソトフオリヅルランの種子から原種が出る、先祖返りすると言うことです。


   (原種の子株から成長したオリヅルラン)


(ランナーについた子株)






◉ランナーに釣り下がった状態で
すでに根が伸びている。

あまり伸びてないものは数日間水に浸けて、ある程度根を伸ばした状態にしてからポットに植え付けた方が生育しやすい。



育ってくると毎年ランナーを伸ばし子株をつける。

殖え過ぎる事を嫌う人もいるが子株を育てる事で株を更新し、必要以上に繁殖をしなければいいのです。

オリヅルランは室内の空気を浄化する優れた植物である事を重視して、育てていただきたいものです。

一時期のブームや流通業界の身勝手さで乱獲が進み、また、品種改良によって原種品は忘れ去られて行った。

そして流通から消えていった植物であるだろう。

植物の品種改良の世界では、いつの間にか原種とされる多くの植物が滅びてしまった。

すべは原種から始まっていると言うのに。

現代の植物界は護らなければならない原点を壊しているとしか思えません。











シェフレラホンコン(観葉植物) No,49

シェフレラホンコン


ウコギ(五加)科の観葉植物シェフレラホンコン
原産地=台湾、中国南部、熱帯アジアやオセアニア地方に分布。


◉シェフレラホンコンは、通常ホンコンカポック(和名)と、呼ばれています。

種類が150種ほどある常緑低木で、昔から日本では「カポック」の名で親しまている観葉植物です。


シェフレラの名前は、ドイツの植物学者の“ヨハン·ベーター·エルンスト·フォン·シェフラー”に因んで名付けられたとされる。



地植えにすると一年ほどで1m以上伸びるため、野生のものは10mを超えるほどの大きなものもある。


本来は直射日光で育てますが、半日陰でも育ち、繁殖も挿し木、とり木、根ぶせなどの方法や、株分けもできます。

寒さにも強く、冬の最低気温が5℃以上で越冬できます。





他の観葉植物類に比べて、低温でも十分に育てられます。

園芸店で売られているのは、苗から育てられた寄せ植え仕立てです。

沖縄方面では、庭木として育て、木化(もくか)した太い幹の鉢植え仕立てもあります。

細葉の在来種のほか、照葉のシェフレラ·アルボリコーラ(ホンコンカポック)、班入り葉種のシェフレラ·アルボリコーラ、バリエガータ(班入りホンコン)、シェフレラ、小型種のレナータなどが小鉢仕立てで楽しむことができます。


   「バリエガータ斑入ホンコン」


★冬は凍らない程度の室温を保ち、水は控え目にすることです。

◆春から夏にかけては、なるべく日の当たる場所に置き、水や肥料は多めにして、植え替えや枝の剪定や繁殖もこの時期にします。

茎が細い場合は、支柱などをして補強すると良いでしょう。

◉植え込み用土は、赤玉土と腐葉土か堆肥類を7対3ぐらいの割合で良く混ぜてから植え込みします。

4月から8月にかけて、月に1回程度粒状の化成肥料や液肥を与えます。

〇風通しの悪い室内に長く置くと、葉や茎にワタカイガラムシやアブラムシのつくことがあります。

★鉢の土の表面にオルトランの粒剤を大さじ1杯から2杯をまいて、この上から水をかけます。

根から吸い上げられた薬が、植物全体に行き渡り、害虫類を退治できます。






シュフレラホンコンは、花を咲かせるまでに20年以上かかると言われるほど、とても希少な花です。

花はとても小さく、咲くとすぐに落ちてしまうので、花を見ることができる期間はとても短い。

花が咲いている姿がタコ🐙を逆立ちにしたように見えることから、海外では「オクトパスツリー」とも呼ばれている。









ヘデラ(アイビー) No,48

ヘデラ(アイビー)


◉一般的にはアイビーと呼ばれている、ツル性で小葉の常緑性のツタのことをいいます。

寒さにも強く日陰でも育ちます。

青葉種のほか、白や黄色の斑入りの葉もあり、観葉植物としては広く知られてた品種です。




鉢物としてはヘゴ仕立てや、吊り鉢仕立てで利用されている。

小さな葉が垂れるヘデラ 、明るい室内でよく育つことから、ポット仕立てにして鉢花類のアレンジ用として使われたり、ミニ観葉として需要があり、主にヘデラへリックス種に人気があります。

◉鉢植えの土は、水はけが良く通気性の良い土であれば問題ありません。

本来は日当たりの良い場所や半日陰の室内を好みますが、少しづつにならせば日陰でも育ちます。

★植え替えは4月から9月中旬ぐらいまでの間に行いますが、できれば春のうちにしましょう。

というのが基本的ですが、多少の期間のずれは問題ないと思います。

育て方に問題があれば、正直適切な時期でも、育ちが悪くなるのも植物であると、言えると思います。



◆鉢が大鉢でも小さな鉢でも、夏は多めに、冬は控え目にします。

乾燥しやすい室内でヘゴ仕立てにする場合は、水やりだけでなく葉に霧吹きなどで湿気を与えてください。

◉肥料は春から秋にかけて、粒状化成肥料や発酵した玉状の油粕などを2ヶ月に1回ぐらい。

★病気はほとんどありませんが、ワタカイガラムシやアブラムシのつくことがあります。

戸外に置くとケムシ類による食害を受けることもあります。

鉢の土の表面にオルトランの粒剤を大さじ一杯~2杯まいて、この上から水をかけておくことで防除対策になります。



◉ヘデラ·へリックス類は、一般にコンパクトなポット仕立てにして、グリーンインテリアとしても人気があります。

また、フラワーアレンジメントや花鉢類の添え物としても人気があります。

★自分好みのアレンジで個性溢れるものを作ってみてはいかがでしょうか。












2018/11/18

ポインセチア No,47

ポインセチア

別名=ショウジョウボク

ポインセチアはトウダイグサ科ユーフォルビア(トウダイグサ)属の常緑低木。

原産地はメキシコで、19世紀前半、アメリカ初代の駐メキシコ大使ジョエル.ロバーツ.ポインセット氏が発見し、母国に紹介したことによります。

その後は、ヨーロッパに渡り、19世紀後半頃から魔除けの意味を持つ赤色のポインセチアを、クリスマスに飾るようになったと言われています。


ポインセチアをクリスマスの花として広めたのは米国のポールエッケ.ジュニアです。

1960年以降、彼はそれまで庭木として利用されていたポインセチアを室内で観賞出来るように、品種改良し鉢花として普及させました。


◉日本には明治19年に初めて輸入され、中国名のショウジョウボク(猩猩木)の名で呼ばれていましたが、一部の愛好家の間でのみ知られる存在でした。

クリスマスに使われる花として日本で人気が出たのは第二次世界大戦後、当時の進駐軍がその風習を持ち込んだ影響が大きいと言われており、クリスマス.フラワーの別名もあります。





◉冬に開花しますが、亜熱帯の植物で寒さに強くありません。

日本では、宮崎県日南海岸の堀切峠に植えられた群落が有名ですが、一部の暖地を除いて主に鉢花として楽しまれています。

原産地では樹高五メートルほどに生長する花木で、生垣、庭木、公園樹などとして幅広く植えられています。

★沖縄や温室では地植えが可能で、樹高四メートルほどに茂る常緑低木として育ちます。

しかし、本土では、15℃以下に下がる頃より成長が止まり、10℃前後以下になると赤く色づいた花苞を残して落葉します。

長く緑色の葉を残すには、温度が保てる室内の、しかも陽が差し込む窓辺に置く必要があります。

〇落葉した株は光を当てる必要はなく、5℃以上を保てる場所に移動し、乾き過ぎない程度に水やりを続けて春まで保ちます。

①生育期の管理
最低気温が15℃を上回る4月下旬を過ぎると新しい枝がのびはじめます。

その前に植え替えをして、同時に花苞を含めて3分の1~2分の1程度に切り戻しをします。

春から秋までは次々に枝葉を伸ばして株が大きく育ちます。

しっかり日に当てることと水や肥料を切らさないことが大切で、できれば戸外で育て、室内に置くときはできるだけ明るい窓辺を選びます。

★生育期は、肥料を切らさないように継続して施しましょう。

植え替え時には粗めの培養土を使用するか元肥を施し芽が動き始めてから、追肥を施します。

追肥は置き肥と液肥を併用するのが理想です。

②夏越し
亜熱帯の植物ですが、30℃を越える暑さを苦手としています。

真夏は50%の遮光を施すか、午後の日を避ける、明るい半日陰に置き場を変えるなどの対策をしましょう。

③花芽分花
一日12時間以上の夜を4日以上経験することで花芽分花(かがぶんか)が始まります。

自然な状態では9月下旬のお彼岸以降に花芽分花が始まり、2ヶ月を過ぎた11月下旬に花苞(包葉)が色づき始めます。

室内で育てる場合は、照明に当てるといつになっても花苞(包葉)が色づかないので、夕方より段ボール箱をかぶせるなどして、12時間以上暗くする必要があります。

★包葉(ほうよう)=葉が変化したもの。

★短日処理(たんじつしょり)
9月から10月頃には、夕方6時頃から翌朝8時頃まで、箱などで覆います。

すると、11月頃に葉が色づいてきます。

この作業を短日処理と言います。


④剪定、整枝
剪定、整枝は6月から8月上旬くらいまでに行います。

枝葉が込みすぎた時は、細く弱い枝を選んで取り除きます。

また、スタンダードや盆栽風にしたてるなら、まめにはさみを入れて樹形を整えます。

⑤鉢植え、コンテナ植えの注意
庭植えは、東京周辺なら1月中旬までの限定的な利用になりますが、移動可能なコンテナに植えれば、軒下などに置いて霜を避けることで、もう少し長い期間観賞できます。

翌年も楽しむなら、いずれの場合も春先に鉢上げして育てた方がよいでしょう。

◆参考ブログ
ポインセチアの下葉が落葉する。
No.34








2018/11/17

シンビジウム(ジューム) NO.46

シンビジウム ラン科

原産地=熱帯アジア中心

植物の特性

常緑多年生のランで多くが地生、中には着生する種もある。
株のサイズは様々ですが、基本的に卵形のバルブに革質や肉厚の葉を扇状に数枚つけます。

バルブの根元から出る花茎は、地性種の場合は直立し、着生種は斜上または下垂して、1花茎に1から数十輪の花をつけます。

肉厚の花は花持ちがよく、花色にも富んでいて特に色の違う✣リップが目立ちます。

✣リップとは

ラン科植物では、花は左右相称となって下側にある花弁が他の面より大きく、幅広く、花を下から受けるように広がる形になる。

この花弁のことを唇弁(しんべん)=リップと言う。
これを持つ植物は虫媒花で受粉するために、昆虫を誘引するのに役立っている。


耐寒性に優れ、育てやすい種として知られますが、水分と栄養を好むので、生育期は十分な水やりと施肥が必要です。

✣土
多くは地生種の性質を受け継いでいて水気を好みます。
しかし、株が大きいので植え込む鉢も大きくなり、水分を多く含み過ぎるため、排水性の良いバークを主として用土を用います。


✣肥料

生長期の春から夏までは、油かすをベースに固形の有機質肥料を月に1回与え、三要素が等量のあ液体肥料を通常より薄めにして週1回施します。

真夏は肥料を与えませんが、秋口頃からリン酸分の多い液体肥料を通常より薄めにして週1回施します。

✣鉢

植え込みがバーク主体なので、プラスチック製や陶磁器製で深めの鉢を選びます。

小さな苗を3号程度の鉢に水ゴケで植える場合は、素焼き鉢を利用しても構いません。

✫土のブレンド

①バーク単用
②軽石3、バーク7






庭木、花木、庭の管理(12月~1月) No,45

庭木、花木 庭の管理


◉この時期に葉を落とし、完全な休眠期に入る落葉樹は剪定の適期です。

特に、葉がないので全体の枝ぶりなど、庭木の骨格がよくわかるので、本格的な樹形づくりが可能です。

紅葉を🍁を楽しんだ後は、庭木をきれいにしてあげましょう。

ウツギ類、ウメ、エゴノキ、カイドウ、カエデ類、ガマズミ、コブシ、コナラ、サクラ、サルスベリ、トチノキ、ニシキギ、ボケ、ミズキ類、ムクゲ、ヤマブキ、ライラック、レンギョウなど、ほとんどの樹種で思いきった剪定ができます。

◉徒長枝や枯れ枝、病虫害にかかった枝などを切り取り、からみ枝、逆さ枝、ふところ枝、立枝、弱小枝、胴吹き芽、ひこばえなどを整理し樹形を整えます。


★株が古くなったり大きくなりすぎた、キンシバイ、ビヨウヤナギ、シモツケ、ハギ、フヨウなどは、地際近くで切り詰め新しい株に更新します。

◆マツ類の「もみあげ」が遅れている場合は、1月上旬までに古葉を揉み落としておきます。

ただし、カエデ類は水あげを始める時期が早いので、早めに行うようにします。

また、花木類の多くは花芽をつけているので、切りすぎないように注意します。

常緑樹は、休眠期のこの時期でも穏やかに活動を続けています。

落葉樹のような大掛かりな剪定は避け、樹形の乱れを軽く整える程度にしましょう。


サクラの冬剪定

通常、剪定してはいけないとされるサクラ類も不要な枝を取り除く程度のことは問題ありません。

春の芽出しの前の1月から2月に行います。

枝先を長く残すと枯れる恐れがあり、短すぎると芽吹かない事があるので、徒長枝は葉芽の上八ミリ前後の部分で切り取ります。


剪定した切り口は殺菌剤や癒合剤(トップジンMなど、保護剤)などを塗っておきます。

〇枯れ枝や、病気になった枝を取り除くことで、病害虫の予防に繋がります。

また、🍂落ち葉などは集めて腐葉土にしたり、宿根草花や野草の株周りに敷き、冬の寒さから守ってやるなど、さまざまな活用が考えられるでしょう。

落葉樹は多くの樹種で植え付け、植え替えの敵期
カエデ類を移植する場合は、年明け頃から根が水を吸い上げ始めるので、年内中には作業を済ませます。

植え付けの際には、水をたっぷり与え、その後は控えます。

◉1月も植え付け、植え替えに適してますが、寒さがピークを迎える下旬は作業を控えた方が良いでしょう。

果樹苗、バラ苗などは、十分に元肥を入れて植えるようにしましょう。


病害虫
活動を停止しているこの時期に病害虫を一掃しておきたいものです。

そのためにも、徹底して庭の清掃を行いましょう。

病害虫の温床になりかねない枯れ枝や病気の枝は切り取り、焼却処分しておきましょう。

◆病害では、まだサビ病、スス病、斑点病など多くの病原菌が残っている場合があります。

冬期は一年のうちで最も薬害が出にくい季節です。

被害が大きい場合は、この時期にマシン油乳剤や石灰硫黄合剤の散布を行い、防除するようにします。


寒肥の施肥

12月~2月の間に寒肥を施すようにします。

この時期、樹木は春の芽だしに向けて1月頃から根の活動が盛んになってきます。

新芽の生育や花木の花つき、実つきがよくなるように、ゆっくり効果が現れる遅効性の有機肥料を与えます。

完熟堆肥、魚粉、骨粉、鶏フン、牛フン等が有効です。

気温が低いこの時期にゆっくりと土中で分解が進み、暖かくなる春頃に良いタイミングで効果を発揮します。

◉寒肥の与え方は樹種や生育の状況によって異なりますが、環状施肥、放射状施肥、壺状施肥などが一般的です。

地表に撒いたままだと、乾燥して溶けにくくなり、雨が降ると流出してしまいます。

★肥料の分量は樹冠の半径1メートルにつき、有機肥料20㍑、化成肥料200㌘(骨粉、草木灰1~2㍑)が目安です。