緑のお医者の徒然植物記

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2018/11/18

ポインセチア No,47

ポインセチア

別名=ショウジョウボク

ポインセチアはトウダイグサ科ユーフォルビア(トウダイグサ)属の常緑低木。

原産地はメキシコで、19世紀前半、アメリカ初代の駐メキシコ大使ジョエル.ロバーツ.ポインセット氏が発見し、母国に紹介したことによります。

その後は、ヨーロッパに渡り、19世紀後半頃から魔除けの意味を持つ赤色のポインセチアを、クリスマスに飾るようになったと言われています。


ポインセチアをクリスマスの花として広めたのは米国のポールエッケ.ジュニアです。

1960年以降、彼はそれまで庭木として利用されていたポインセチアを室内で観賞出来るように、品種改良し鉢花として普及させました。


◉日本には明治19年に初めて輸入され、中国名のショウジョウボク(猩猩木)の名で呼ばれていましたが、一部の愛好家の間でのみ知られる存在でした。

クリスマスに使われる花として日本で人気が出たのは第二次世界大戦後、当時の進駐軍がその風習を持ち込んだ影響が大きいと言われており、クリスマス.フラワーの別名もあります。





◉冬に開花しますが、亜熱帯の植物で寒さに強くありません。

日本では、宮崎県日南海岸の堀切峠に植えられた群落が有名ですが、一部の暖地を除いて主に鉢花として楽しまれています。

原産地では樹高五メートルほどに生長する花木で、生垣、庭木、公園樹などとして幅広く植えられています。

★沖縄や温室では地植えが可能で、樹高四メートルほどに茂る常緑低木として育ちます。

しかし、本土では、15℃以下に下がる頃より成長が止まり、10℃前後以下になると赤く色づいた花苞を残して落葉します。

長く緑色の葉を残すには、温度が保てる室内の、しかも陽が差し込む窓辺に置く必要があります。

〇落葉した株は光を当てる必要はなく、5℃以上を保てる場所に移動し、乾き過ぎない程度に水やりを続けて春まで保ちます。

①生育期の管理
最低気温が15℃を上回る4月下旬を過ぎると新しい枝がのびはじめます。

その前に植え替えをして、同時に花苞を含めて3分の1~2分の1程度に切り戻しをします。

春から秋までは次々に枝葉を伸ばして株が大きく育ちます。

しっかり日に当てることと水や肥料を切らさないことが大切で、できれば戸外で育て、室内に置くときはできるだけ明るい窓辺を選びます。

★生育期は、肥料を切らさないように継続して施しましょう。

植え替え時には粗めの培養土を使用するか元肥を施し芽が動き始めてから、追肥を施します。

追肥は置き肥と液肥を併用するのが理想です。

②夏越し
亜熱帯の植物ですが、30℃を越える暑さを苦手としています。

真夏は50%の遮光を施すか、午後の日を避ける、明るい半日陰に置き場を変えるなどの対策をしましょう。

③花芽分花
一日12時間以上の夜を4日以上経験することで花芽分花(かがぶんか)が始まります。

自然な状態では9月下旬のお彼岸以降に花芽分花が始まり、2ヶ月を過ぎた11月下旬に花苞(包葉)が色づき始めます。

室内で育てる場合は、照明に当てるといつになっても花苞(包葉)が色づかないので、夕方より段ボール箱をかぶせるなどして、12時間以上暗くする必要があります。

★包葉(ほうよう)=葉が変化したもの。

★短日処理(たんじつしょり)
9月から10月頃には、夕方6時頃から翌朝8時頃まで、箱などで覆います。

すると、11月頃に葉が色づいてきます。

この作業を短日処理と言います。


④剪定、整枝
剪定、整枝は6月から8月上旬くらいまでに行います。

枝葉が込みすぎた時は、細く弱い枝を選んで取り除きます。

また、スタンダードや盆栽風にしたてるなら、まめにはさみを入れて樹形を整えます。

⑤鉢植え、コンテナ植えの注意
庭植えは、東京周辺なら1月中旬までの限定的な利用になりますが、移動可能なコンテナに植えれば、軒下などに置いて霜を避けることで、もう少し長い期間観賞できます。

翌年も楽しむなら、いずれの場合も春先に鉢上げして育てた方がよいでしょう。

◆参考ブログ
ポインセチアの下葉が落葉する。
No.34