緑のお医者の徒然植物記

Translate

緑のお医者の徒然植物記

検索結果

2021/05/07

バラ🌹の手入れ(5月) No458

 5月のバラの手入れ

5月はバラのシーズン到来として、早いものはゴールデンウィーク明け前からすでに咲き始め、中旬頃にはピークを迎える品種もあります。


⑴摘蕾

ゴールデンウィーク後くらいまで4月同様に、ハイブリッドティー(HT)の摘蕾を続けます。


⑵咲き柄摘み(花柄摘み)

春の開花期は気温が高いため咲き急ぎ、一輪の花の寿命は開き始めて7日くらいですので、中旬から下旬には咲き柄摘みに追われることになります。

咲き柄を残しておくと見苦しい上に、結実して栄養を浪費します。

その上灰色カビ病(ボトリチス)の温床になります。

切るときは5枚葉のすが上で切るか、葉が十分あれば5枚葉を1枚つけて切ります。


✿咲き柄摘み

ハイブリッドティーの場合


5枚葉をつけて(B)の位置で切る。
株に葉が少ない時は、最初の5枚葉の上(A)の位置で切る。


✿フロリバンダ、ミニチュアの場合



花の終わった部分から順に摘み、最後の花が終わったら、開花枝の出ていない5枚葉の上の位置で切る。


⑶病害虫の防除

薬剤の定期散布を続けます。
花が可哀想そうだから、花や葉が汚れると言って開花期に散布しない人もいますが、この時期は病害虫にとっても繁殖に絶好の条件が揃っているので、薬剤散布が重要と言えます。

最近の農薬は花や葉を汚さないのできちんと散布しましょう。

ペットにも安全なものになっていると言えると思いますが、アレルギーを持つペットもいるので、用心のためにも薬剤散布には注意した方が良いと思います。

また、中旬頃からはハダニ対策を忘れずに行います。

⑷新苗の植え付け

新苗は花だけでなく、樹勢を確認して購入することが大切です。

植え付けは花を咲かせないように蕾を摘んで肥培すれば、秋には一人前の花を見ることができます。

特につるバラは新苗を秋まで育てると、シュートが2〜3本出てかなり伸び、翌春には数多くの花を見る事が出来るでしょう。


⑸シュートの処理

開花をしながらシュートも出始めます。



30cmくらい伸びた所で、新梢の先端を指先で✫ピンチするのがコツです。

✫ピンチ(摘心、芯止め)
ピンチは年に何度も花を咲かせる四季咲きバラで行われる作業で、一季咲きのバラやつるバラでは基本的に行いません。

ピンチは花を咲かせるエネルギーを枝葉の充実を図るために行う作業です。

しかし、新苗を育てる時や弱った株を回復させたい時などでは、花より木の充実を優先させたい時にピンチを行う事があります。

この作業が遅れてしまった場合は、ハサミを使って蕾を切り取ります。


⑹切り花を取るには

咲いた花を切り花として取ることで、この時期に葉を極端に減らす事になれば、生育に悪影響を及ぼす事になります。

なるべく葉を残すよう一株から切る本数を多くしないことが大切です。


✿早く咲いてしまったバラ

5月の上旬にバラが咲くともう咲いたと喜ぶ人が多いのですが、その咲き枝を見るとついている葉の枚数は3〜4枚で節間が詰まっていて花も貧弱です。

つるバラでは枝の先端に見られる現象で、これはつまり出来損ないです。

その様なものを残さないためにせん定が必要です。

残すことはせん定が甘かった事を意味するので、早く咲いたことを単純に喜んではいけません。






2021/05/06

ツガ No,457

 ツガ マツ科 常緑針葉高木

別名=トガ、ツガマツ、トガマツ   「栂」

原産地=日本(本州の福島県南部以西、四国、九州) 朝鮮、韓国(✣鬱陵島)

✣鬱陵島(うつりょうとう、ウルルンド)
1952年に発効したサンフランシスコ平和条約により日本は、済州島、巨文島、鬱陵島の領有を放棄しました。

同条約で日本政府は、朝鮮の独立を認めたため、以降日本政府は鬱陵島は朝鮮に帰属するものとして扱った。

日本海に浮かぶ直径10km程度の火山島


かつて罪を犯した者、咎人(とがにん)を張り付けるために使っため、この樹をトガとする説がある。

ツガ属は世界に10種があり、日本には本種とコメツガの2種が生育する。

ツガ材として一般に流通しているのは、アメリカ産の米ツガ(ウェスタンヘムロック)やカナダ産の(カナダツガ)でこちらは床下の土台やパルプ材、船舶材として普及している。


山地に生え高さは40㍍程になるものもある。

樹形はよく整っていて、円錐形をしている。

樹皮は堅くて厚く、赤褐色または灰褐色で厚く縦に深く裂ける。

材は建築、✫経木、包装材などに使われる。

✫経木(きょうぎ)
スギ、ヒノキ等の材木を紙のように薄く削ったもの。
菓子や味噌、魚などの食品を包んだり、折り箱のそこに敷いたりして利用される。

現在では、産出量の面からエゾマツ、アカマツ、トドマツ、カラマツなどが主流を占めている。

花は4月から5月頃に咲き、枝先が黄色く見えるほどびっしりとつく。

球果は10月頃熟して垂れ下がる。
冬芽の先が尖るのが特徴である。




生育環境

適度に湿気を含んだ土壌が適している。
幼木のうちは耐陰性があるが、生長すると十分な日当たりが必要となる。


肥料

油かすや化成肥料などの寒肥を施す。

殖やし方

実生によるのが普通です。
時期は3月から4月頃に種まきをする。

種類

類似種にコメツガがある。
コメツガは、高さ25㍍ほどに達する。

灰色の樹皮は堅く裂け目がある。
ツガに比べて葉が小さいので区別がつく。


主なツガの天然記念、巨木

黒ノ田の大ツガ   市指定天然記念物

所在地=岐阜県瑞浪市稲津町萩原1742-34



栂池のコメツガ   村指定天然記念物

所在地=長野県北安曇郡小谷村千石乙12380




沓沢(くつさわ)山の神 大栂  市指定天然記念物

山の入り口に立つツガの巨木で、かつては「千年栂」とも呼ばれた。

所在地=山梨県南アルプス市芦安芦倉1290-1









2021/05/05

タチバナ No,456

 タチバナ ミカン科 常緑小高木

別名=ニッポンタチバナ、ヤマトタチバナ
「橘」

原産地=日本(和歌山県、山口県、四国、九州
関東南部から西に限る)

日本原産と認められる唯一の柑橘類で野生のミカンである。

沿海の山地や海辺の常緑樹林の中など細々と生きている。

万葉集にはこの花を詠んだ歌が多い「左近の桜、右近の橘」としても知られ、文化勲章にもデザインされている。

今ではその自生も極めて稀である。

萩市に自生している「コウライタチバナ」と言う近縁種は絶滅危惧類に指定され、国の天然記念物となっている。

三重県鳥羽市では「ヤマトタチバ」が市の木に選定されている。

タチバナを親とする柑橘類は60種以上あるとされる。

6月頃に5弁の白い花を咲かせる。
3cmくらいの実がなり種子が大きく、酸味が強い事から加工品にされることがある。

古代から珍重された品種である。




生育環境

耐寒性にやや欠けるため、関東南部以西でのみ露地植えできる。

植え付け、移植時期は3月から6月頃に行うがやや難である。

3月から6月に移植し、2月から3月にせん定を行うがやや難である。

樹幹内に光りが入る程度にとどめ、強せん定は避ける。


肥料

肥料は堆肥、油かす、腐葉土などを施す。

害虫はツノロウムシ、アブラムシ、ヤノネカイガラムシ、アゲハの幼虫などが発生する。

対策として、スミチオン、カルホスなどを散布する。

殖やし方

3月から4月頃に、カラタチの台木に接ぎ木するか、実生で繁殖する。


種類

紀州みかんもタチバナと呼ばれ、昔のタチバナの系統をひくものと考えられる。

近縁種の「コウライタチバナ」は、萩市と韓国の済州島にのみ自生する種です。

園芸店では、ニホンタチバナではなくコウライタチバナと区別されず、混同されていることがある。

コウライタチバナは、葉や実がタチバナより大きく、実がデコボコしているのが特徴である。






2021/05/04

アオギリ No,455

 アオギリ アオイ科アオギリ属

別名=アオニョロリ 「青桐、梧桐」
落葉高木
従来の分類ではアオギリ科とされていました。

原産地=中国、台湾
日本(本州南部、四国、九州、沖縄に野生)

奈良時代に日本へ渡来し、伊豆半島、紀伊半島、四国及び九州、沖縄で野生化したとされる。

高さ15㍍程に達する落葉樹で大きな掌状の葉をつける。

葉は桐に似て、幹の色が緑色であることからこの名がついた。

桐の木はノウゼンカズラ科とされ別種である。

6月から7月、円錐花序を出し、多数の黄色い小花が咲く。

庭園樹、街路樹に適するが、材は器具、家具などに利用され、樹皮からは繊維をとり、樹皮の粘液は製紙用の糊にするなど、幅広い用途を持っている。




生育環境

樹勢は強く土壌を選ばず育つ。
移植は容易ですが、樹皮が傷つきやすいので注意が必要です。

植え付け、移植時期は3月から4月頃と10月から11月

萌芽力が強いので強いせん定もできる。
せん定時期は8月頃。

肥料

寒肥として油かす、鶏ふん、化成肥料を施す。

害虫はワタノメイガなどが発生しやすい。
スミチオンの散布で駆除する。

殖やし方は実生と挿し木による。
実生苗の生長は早い。

種類

葉裏の毛の有無によってアオギリとケナシアオギリとに分ける。


アオギリの効能、薬効、特性

漢方ではアオギリの種子を悟桐子(ごとうし)と呼び、一般的には種子と共に葉も利用されています。

高血圧、浮腫、コレステロールの低下作用など

食べ過ぎによる胃痛、腹痛や下痢などの消化器異常などの症状に対しても利用されている。

葉は水で煎じて飲用される。
戦時中、種子は炒ってコーヒーの代用としていた。

種子を潰して白髪に塗ると毛が黒くなるという。

アオイ科の巨木

西表島の巨木
サキシマスオウノキ

所在地=沖縄県八重山郡竹富町


                       「サキシマスオウノキ」

巨木を支えているのは平らな曲板状の形をした「板根」と呼ばれる根である。

沖縄は樹の群生地でもある。






2021/05/03

平和憲法の重要性 憲法記念日(特別編) No,454-1

 焚書は序章に過ぎない!

本を焼く者は、やがて人間も焼くようになる。


ハインリヒ・ハイネが残した言葉である。

ナチスドイツの焚書(ふんしょ)


ナチスドイツの焚書はドイツ国内の本の内の、ナチズムの思想に合わないとされる書物が、ナチスドイツによって儀式的に焼き払われた焚書である。


ハイネの言葉が現実になった焚書事件


1933年5月10日夜、ヒトラーが政権を握ったその年、ナチスに扇動された学生たちがベーベル広場に集まり、ドイツを代表する人たちの著作である多数の書物を投げ捨て火を放った。

この広場は大学図書館と隣接しており、そこからも多数の書籍が投げ捨てられた。

その数は2万5千冊とも言われている。

この焚書事件をきっかけにナチスの一方的な差別の極致として、ユダヤ人虐殺へと進んで行ったのである。

ハイネもユダヤ人。
哀しくも悲劇を予言したこの言葉が、今もベーベル広場の一角に刻まれている。


ハイネの言葉と言っても1933年に書かれたものではない。

一世紀以上も前の1820年当時、ヴァルトヴルグの祭典で書物が焼かれた時に記したものである。

100年もの時を超えて起きたことを見事に言い当ててしまっているのだ。


「アンネの日記」の著者として知られるユダヤ系ドイツ人のアンネ・フランクはナチスドイツのユダヤ人狩りによって、ドイツ北部のベルゲン、ベルゼン強制収容所に収監され、15歳と言う若さでこの世を去った事は、世界中に知られる事である。

✣アンネ・フランク関連ブログ
アンネのバラに込められた思い  No,218


                        「アンネのバラ」


平和憲法の国=コスタリカ


コスタリカ共和国は険しい熱帯雨林が広がる、中央アメリカ南部に位置する共和制国家で、軍隊を持たない平和憲法が世界2番目に制定された、地球幸福度指数の世界ランキング1位の国である。

アメリカと比較して国家予算も資源も少ないコスタリカの人たちだが、アメリカ人よりもはるかに満足度が高く長寿である。


国全体に民主主義や持続可能性の考え方や、フェアトレード思想というものが深く根づいている。

学校教育でも連帯や平和の価値を教えることに力を注いでいる。




ラテンアメリカの中でも最も協同組合が多いのもコスタリカである。

他の国の農業は、スペインからの独立以降も大地主制が主流であるが、コスタリカは個々に独立した小規模農家が協同組合を作り、大規模農家と市場で競争できるモデルを構築してきた。

また、環境先進国であり、国土の3分の1が自然保護区として守られている。

その中には世界でも有数の豊かな生態系が見られる。




グアナカステ保全地域はコスタリカの世界遺産で、牧場や私有地を森に再生したりして、国が自然保護を積極的に進めてきた特別な場所である。

現状の日本ではとても真似のできない事だと思う。


平和憲法を持ちながら、行ってる事は先進国とも言えない日本。

唯一の被爆国でありながら核兵器禁止条約の先頭にも立てない。



コスタリカは平和憲法の下、核兵器禁止条約の先頭に立ち、世界的な行動を起こした本物の平和主義国家である。


同じ平和憲法を持つ国でもここまで違いがある事は、情けないと言う他ありません。


日本の憲法はアメリカに押し付けられたとする嘘で国民を欺き、暗黒社会に引きずり込もうとしているのが政権である。

その異常を解消できない限りコスタリカの様な平和国家には到底なり得ません。










ハリギリ No,454

 ハリギリ  ウコギ科 落葉高木

別名=センノキ「 針桐、刺楸樹」
原産地=日本各地、中国、朝鮮、サハリン

枝にトゲがあって、桐のような大きな葉を持つことからこの名がある。

キリと名はついているが、キリの仲間ではなくタラノキと同じウコギ科で、ハリギリの葉も天ぷらや和え物にして食べることができる。

東アジアに広く分布する落葉樹で、山地に生え大きなものは高さ25㍍にも達する。

若木では幹にトゲがあるが、老木になると深い裂け目となる。

葉は見た目がヤツデに似て5〜9裂して、長径20cm程に大きくなる。

葉柄も同じくらい長さがある。

6月から8月頃、球形の散形花序をつけ、多数の黄緑色の小花を咲かせる。

庭木としても植えられるが有用材としての価値が高い。

材は木目が美しく、建築、合板、器具材などに広く利用される。




生育環境

日当たりがよくやや湿気のある肥沃な土壌を好む。

せん定は好まない。
大木の移植は根回しをして株元に細根を出してから行なう。

植え付け、移植時期は11月から12月、2月から3月

肥料

寒肥として油かす、化成肥料などを与える。

殖やし方は実生で3月、10月に行なう。


種類

九州以南沖縄には葉に毛のないミヤコダラ(リュウキュウハリギリ)がある。


ハリギリの効能、薬効

樹皮と根皮にはカロトキシン、カロサポニンと言う成分を含有し、加水分解でヘデラゲニンになる。

乾燥した樹皮、根皮は煎じて飲用したり、打撲やくじき、リウマチなどの患部に温布する。

動脈硬化、神経痛、筋肉痛など神経を落ち着かせる効果があるとされ、体の基礎代謝がよくなることや、持続的に摂取すると植物酵素が含まれていることによって、体の基礎代謝がより良くなります。


✿新芽は春の山菜として人気があります。

新芽を採る時はトゲがあるので注意が必要です。

新芽は根本から折るようにして採ります。

天ぷらなどにする時はそのまま調理してもよいですが、お浸しなどの料理ではアク抜きをしましょう。

鍋にお湯を沸かし、2分から3分程塩茹でして、湯切り後に水に晒します。

水が緑色にならなくなるまで水を交換しながらアク抜きを行います。