緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2021/09/06

資本主義社会がもたらした地球環境破壊 No,547

 資本主義社会による破壊活動と影響


働けど 働けど猶(なお)

我が暮らし楽にならざり

じっと手を見る。

歌人、石川啄木が明治の末年(ばつねん=時代の終わりの頃)、自分の貧しい生活の思いを詠んだものであるが今、世界中でも啄木がこの歌を詠んだ時以上の深刻さで、コロナ禍も影響し、貧困と格差の拡大が止まらない。


高度な経済を基盤にした、文明社会を目指したはずの現代社会でなぜ?貧困と格差が広がるのか!

どこにその原因があるのか!


18世紀の中頃、資本主義はすでにイギリスで社会の支配的な体制となり、フランスやドイツなどヨーロッパの大陸諸国にまで広がって、経済の新しい発展の時代を開いていました。


日本では、明治時代になり本格的に欧米の資本主義システムを導入しました。

元々生産に携わる庶民の貧困問題は、昔からどこにもありました。

18世紀末、フランス革命に民衆が立ち上がったのも、封建社会による貴族や地主の搾取の酷さに大きな原因があったからです。


今と違っていることは、その頃は搾取の姿が目に見えて分かっていた事です。

その後、領主や政府が強制的に取り上げる、こういう封建制度は革命によって廃止されました。

しかし、かつての強制関係は一掃されたはずなのに、新しい体制で働く労働者たちの生活は封建社会の農民より、更に苦しいものとなったのです。


資本主義による搾取は、封建社会での「年貢」の取り立てとは違って、その仕組みも姿もはっきり見えないと言う所に大きな特徴があります。

資本家と労働者は、市場経済の下での対等の関係を結んだはずなのに、そこから驚くべき貧富の格差が生まれたのです。


生産した富は資本家の側に集中し、生産者である労働者の側は困難な暮らしが続いた。

いったいこんな不公平な状態はどこから生まれてくるのか。


労働者が資本家に売っていたのは「労働」ではなく労働をする能力=「労働力」だと言うことです。

「労働力」と言う商品の価値は、他の商品と同じように、その商品の再生産の費用で決まります。

再生産の費用は、労働者が引き続き働ける状態を維持する費用ですので、労働者とその家族の生活費と言うことになります。


資本家は買い入れた「労働力」を消費する。

つまり自分の工場で働かせます。


「労働力」と言う商品は、これを働かせることである新しい価値を生み出すと言う、他の商品にはない特性を持っています。


なので、ある時間働けば賃金分の価値を生み出しますが、そこで仕事をやめさせる資本家はいないでしょう。

必ず、賃金分に相当する時間を超えて労働を続けさせます。


その時間帯に生み出された価値は、まるまる資本家のものになります。


これが剰余価値で経済学では、賃金分の
価値を生み出す労働時間を「必要労働時間」と呼び、それを超えた労働時間を「剰余労働時間」と呼びます。


資本家が市場経済の法則に従って、世間並の生活が出来るだけの賃金を支払ったとしても、その分を埋め合わせるのに必要な労働は、1日の労働時間の一部分に過ぎません。

それ以上の労働時間は剰余労働であり、資本家は間違いなく剰余価値を手に入れることができます。

これが資本主義の搾取の仕組みです。


剰余価値の生産こそが、資本主義的生産の絶対的な目的であり、決定的な意味を持つ動機である。


そもそも資本家が自分の持つ貨幣を、様々な事業に資本として投資するのは、剰余価値を手に入れて資本を増殖させるためです。

資本主義社会では、富の蓄積と言うのはただの溜め込みではない。

資本家は絶えず資本を生産に投じ、剰余価値の生産の規模をひたすら拡大することであり、「生産のための生産」が資本主義である。


「労働力」こそが剰余を生み出す源ですから、資本は買い入れた「労働力」からできるだけ、多くの剰余労働を絞り尽くすことに、あらゆる知恵と手だてを尽くしているのです。


世界的規模での「生産から生産」を必要以上に進めたけ結果、地球全体の環境破壊を引き起こすことになった。


地球大気という「生命維持装置」は、人類と人類社会が誕生してからも、資本主義の時代になるまでは、その機能を破壊するような事態が起きたことは一度もありません。

地球大気の状態に、地上の生命を脅かす危険が現れ、目に見えるようになったのは20世紀に入ってからのことです。

現在起きている地球温暖化や気候変動は自然の作用よる現象ではなく、明らかに人間の経済活動が引き起こしたものです。

これは、1世紀半にも満たない間に急激にエネルギーの消費量が膨張したことであり、「生産のための生産」を旗印に剰余価値の拡大の道をひたすら突き進んできた、資本主義的生産のあり方が原因であることは紛れもない事だろう。

地球規模で破壊を続けてきた資本主義社会であるが、人類に対するその責任を果たすことはもはや出来ない所に、辿り着いたと言えるだろう。






2021/09/04

子どもが遊んだオシロイバナ No,546

 オシロイバナ「白粉花」

別名=夕化粧、飯炊き花

オシロイバナ科の多年草または一年草。

通常は種から育てる一年草として扱いますが、関東より西の地方では、冬場地上部が枯れますが根が肥大して残り、多年草として扱うことができる。


南アメリカ原産で、江戸時代初期に渡来したとされ、花が美しいことから観賞用に栽培されるが、広く野生化したものもある。

一説には、ペルー原産とも言われる。

オシロイバナの種を潰すと白い粉がでてきます。
昔の子どもはこれを「おしろい」に見立てて遊んでいたことから、この名がある。





英名でフォーオクロック(4時)と言うように、夕方に香りの良い花を咲かせ、翌朝まで咲きます。

日本では夏の夕方6時頃に花が開きます。

そこで開花する時刻に由来する別名の、夕化粧(ゆうげしょう)の名がある。

中国名として「スダジョン、四打鐘」

メシタキバナと言われるのはこの花が開くと、夕御飯の準備を始めると言う意味でそう呼ばれています。


地植えにすると雑草化してしまうほど丈夫で、生育旺盛な草花です。

水はけのよい土に十分な元肥を与え、地植えまたは、8号以上の大きな鉢に植え付けます。


ひたなでも半日陰でもよく育つが、水が切れるとすぐに萎れてしまうので、1日1回はたっぷりと水を与えます。


花の咲く期間が長いので、2週間に1度は液肥で与えます。


オシロイバナの全草は有毒で、特に根に「トリゴネリン」と呼ばれる有毒成分を含み、誤って食べると嘔吐、腹痛、下痢を起こします。


しかし、この成分はアルツハイマー認知症予防に効果があるのてはないかと、研究されています。

トリゴネリンとは、多くの植物に含まれるピリジン環を持つアルカロイドの一種で、コーヒーの生豆に多く含まれる成分で、コーヒーにカフェインと同量含まれている。

トリゴネリンは熱により分解し、ニコチン酸に変化する。


コーヒーの生豆を焙煎する過程で、変質して無くなってしまいます。





2021/09/03

世界共通言語の必要性 番外編 No,545-1

言語は、音声や文字によって人の意志、思想や感情などの情報を表現したり、伝達する。


または、受け入れや理解するための約束や規則、またその記号の体系とされる。


意思を通わせるために、人間が発声や動作、文字などを使って行う手段や方法ですが、脳科学的には大脳の中の「言語野」の活動によって引き起こされる行動で、この感覚を言語化するのは難しいので、自分自身で体験することが一番良いことです。


★言語野(げんごや)
大脳皮質の言語中枢のある領域(言語領)
言語野とは、運動性言語中枢で主に話すことを担う。

前頭葉に聴覚性言語中枢もしくは、感覚性言語中枢、主に言葉を理解することを担う中枢が側頭葉にある。



世界中には何ヵ国もの言語を話す方々がいますが、すべての言語を話すことは難しいことです。

世界共通の言語の必要性はあるが、その国々の教育環境や国の発展のあり方によって、世界共通とされるような言語教育がなされているかと言えば、そうではないはずです。


世界で最も使用されている言語は①英語で15億人、②中国語で11億人、③ヒンドゥー語で6億5000万人、④スペイン語で4億2000万人、⑤フランス語で3億7000万人とされている。

地球には約200ヶ国ほどがあるといわれ、国の数だけ言語があると思われますが、実はその言語数は7097言語あると言われています。


その内の約2000言語は1000人以下の者しか話せなかったりします。

現代、主要言語に移行することによって少数派の言葉が失われつつあります。


多くの学者は、3000を超える言語が次世代にはなくなってしまうと予測されていますが、これは古くから根付いた言語の歴史も、消えてしまうことを意味しているように思えます。


近代化が進んでいる現代社会では、主要言語とされる英語、中国語、スペイン語などに移行し、世界でよく利用されている言語比率を大幅に占めています。

更に、グローバル化が進む現代では、数多くの人々が当たり前のように海外旅行に行き、またネット上などでも各国の人々との交流が簡単化されています。

この流れを変えることは、もはや出来ないでしょう。

その内、母国語を話せない人々が現れる時代も来るかも知れません。

人口数の多い国々の母国語だけが、残って行くと言うことも起きうることだろう。

すでに言語の逆転が起きている国々もあり、母国語よりも主要言語が使われている。

世界で最も使用されている言語は英語です。

何ヵ国語も習得して話せる方々は基本、英語を話せることは普通と言うイメージですが、英語が話せれば世界中にいる約20%の人達と繋がれると言われています。


話せて無駄なものはありません。

やはり共通語はある程度必要であり、またその教育も重要と言えます。


置き去りにされた時代の教育での主要言語教育は、現代教育とは似ても似つかないものであった為、高学歴を望めない者は自力での習得しかなかったと言える。


しかし、母国語を話せない人々の未来が来るとすれば、それは哀しいことである。






2021/09/02

自分だけのパルダリウム自然風景 No,545

 パルダリウム

パルダリウムとは、土中や空気中の湿度を好む熱帯の雨林や湿地などに生息する植物を植え込み、自然の風景を模したもので、自然環境を水槽やガラス容器内などに作ったものを指します。





森林の林床などに生息する植物を使えば、強い光が届かない場所でも育てる事ができます。

室内でライトを当てるなど、日が差さない場所でも植物観賞を楽しめることから、パルダリウムの人気も上昇しています。


パルダリウムに向く植物として、ベゴニア、セントポーリア、シダ、ウツボカズラ、ヒューケラ、ヒドノフィツム、ブロメリアなどがあります。


シダや苔などの苔テラリウムでお馴染みの植物の他に、花が咲くものや樹木に見立てて小さな自然の風景を作ることができます。

ベゴニア、セントポーリア、シンニンギアなど花が咲くものがおすすめ。



        「シンニンギア」


自分だけの、個性溢れる自然の風景を楽しむ事が出来るでしょう。


◆Facebook 「苔玉盆栽の会」より


会員の皆さんの力作を一部転載です。















2021/09/01

毒キノコ発生の季節猛毒カエンタケ No,544

 カエンタケ猛毒キノコ(殺人キノコ)

全国各地で毒キノコによる食中毒が発生する時期です。

カエンタケは、ボタンタケ科トリコデルマ属に属する子嚢菌の一種。

燃え上がる炎のような形をした姿で、非常に強い毒を持つ猛毒キノコである。


カエンタケは、赤やオレンジががった色が特徴。

棒状で、大きいものは手の指のような形になることもある。


       「猛毒のカエンタケ」

土の中から一部が出た状態で群生することが多い。

誤って食べてしまうと死に至るほどの大変危険なキノコで、内臓が破裂し、汚物を垂れ流して最悪そのような姿で死んでしまった実例がある。

食後30分ほどから、発熱や悪寒、嘔吐、下痢、腹痛、手足のしびれとともに全身麻痺の症状を起こす。


致死量はわずか「3㌘」と言われている。

初夏から秋にかけて、コナラなどの樹木の立ち枯れした木の根元や、倒木して埋もれた枯れ木などに発生が見られる。


通常の猛毒キノコは、触るだけでは何の症状も起こらないとされているが、カエンタケは強くつかむと出てくる汁に触れてしまうと、皮膚に強い炎症を引き起こしてしまう。

特に、素手で触ることは絶対やめましょう。

触ると皮膚が炎症を起こし、食ベると発熱や嘔吐(おうと)、手足の痺れるなどの症状が表れる。

消化器不全や脳神経障害を起こすことがあり、薬効があると勘違いしてお酒に浸したものを飲んで死亡した例もある。


カエンタケの毒は、かつて世界中で中毒を起こし、輸入作物など厳重な検査を行っていた。


無毒で形がよく似たキノコ(ベニナギナタタケ)もあるが、判別できない場合は絶対触らないことです。



    「無毒のベニナギナタタケ」


★ベニナギナタタケは、毒はなく食べることは出来ると言われていますが、美味しくないので一般的には食用のキノコとして分類されていないようである。


カエンタケは山野だけにあるものではありません。

生育環境、条件が良ければ身近な公園などでも発生します。

自己処理は危険が伴うので、見つけた場合は保健所に連絡しましょう。

また、地中に埋めたとしてもまた再生してしまいます。


キノコは、西日本を中心に発生量が増加傾向にあるとされ、東北地方でも発生が確認されている。


関東地方周辺でも発見例が多くなっている。

ブナやコナラなどの樹が、枯れ木となった付近に群生することが多く、ナラの樹などの枯れが毒キノコの発生に影響している可能性がある。


山中だけでなく身近な公園などの枯れ木付近でも注意が必要です。

少量程度でも食べてしまうと大人でも死んでしまう最も危険な部類の毒キノコであり、誤って触ってしまったら、なるべく早く石鹸で手を洗ってください。

似ている毒キノコの可能性があるもの、判断ができないものは食べないことです。








2021/08/31

ブログ開始から三年目 No543

 早いもので8月も最後の日となりました。

今日はブログを始めて三年目の日です。

2018年8月末から始めたブログも500回を超えました。

誰も読まないようなブログですが、これまでに多くの方々が訪れてくれたことでしょう。

まずはブログにて感謝を申し上げます🙇

植物の役割はますます重要になっていると思います。




今、世界的に地球環境問題が深刻化し、気候変動、温暖化が進み、地球の自然環境が破壊され続けています。

人類には自然環境を作り出す事が出来ません。

さまざまな生物によって、連鎖、循環し自然環境は保たれています。

人類が出来ることは、壊さないように力を貸すことです。

小さな微生物も大切な働きをしています。

人類が、一番自然を壊す原因を作り出していることを受け止めなければなりません。

人類は、自ら棲む家を壊しているようなものです。


また、大切な空気や水を汚染しています。

それを浄化してくれるのも自然の豊かさであり、植物たちなのです。

大切にしなければならないものです。