植物の誕生
植物も動物も、最初から今のような形のものが突然地球上に誕生したわけではありません。
最初の植物はいつ頃誕生したのでしょうか?
1番古い化石は、南アフリカのトランスヴァ―ルという所の、34億年前にできた岩から発見されたものです。
この岩の中から発見された小さな化石はかなり小さいものですが、植物が残したものであると考えられています。
当時の植物は、現在のような花や茎のあるものではなく、顕微鏡でなければ見えないような極小さな、細胞の1つからできている簡単な作りのものでした。
40億年ほど前の海の中に最初に誕生した生物は、細菌のような小さいものでした。
そしてそのおよそ10億年後、二酸化炭素と水を使って酸素と栄養を作り出すことのできる植物が現れました。
植物と言っても根があるわけではなく、海の中を漂っていました。
地球が誕生したのは今から46億年前で、人類が誕生したのは400万年ほど前で、恐竜が現れたのはおよそ2億年前と言われています。
それと比べると、植物がいかに古いものであるかが分かります。
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地球誕生での最初の地上植物は苔植物No,230
植物は裸子、被子、種子植物に分類されています。
真の種子を持った最初の『種子植物』はシダ種子類です。
この名称は、その葉がシダの葉と類似していたことによるものですが、必ずしも大葉シダ植物と近い系統関係にあるわけではありません。
種子植物の最古の化石証拠は、後期✪デボン紀からのもので、それは前裸子植物として知られるグループから進化したとされています。
✪デボン紀(泥盆紀)とは?
約4億1600万年前から約3万5920万年前までの時期を指し、デヴォン紀と記載されることもある。
デボン紀は様々な地層をもとに設定された、地質時代の区分の1つである。
◉裸子植物の生き残りは4種類
裸子植物の種子は適応的だったため、裸子植物は繁栄し、多様な形態を持った種類が生まれました。
しかし、現在まで生き残った裸子植物はソテツ類、イチョウ類、マツ類、グネツム類の4類だけとされる。
裸子植物が単系統であるか、側系統であるかについては、分子系統学が発達した今日でも両方の立場があり、答えが出ていない。
裸子植物は種子植物のうち胚珠(はいしゅ)が心皮によって包まれず、むき出しになっているものを指します。
✪胚珠(はいしゅ)とは、成長し種子となるもの
✪被子植物とは、胚珠が心皮に包まれて子房の中に収まったものを言う。
✪心皮(しんぴ)とは、元々葉に剥き出しで付いていた生殖細胞をその葉で包んで保護をするように進化した葉のことで、一般に花葉(かよう)と総称される葉の変形のひとつ。
心皮が子房を作り、内部の胚珠を包み、種子が成熟するに連れて成長し果皮となる。
大胞子葉ともいう。
「シダの胞子葉=ほうしよう」
✪グネツム類
グネツム類はグネツム属、マオウ属、ウェルウィッチア属の3属からなる小さな植物群です。
ウェルウィッチアはナンビアのナミブ砂漠にだけ生育しています。
「ウェルウィッチア」
日本名はキソウテンガイ=奇想天外という。
単子葉植物に似た平行脈(平行して走る葉脈、対生)を持つ葉が2枚しかない。
✪グネツム属
グネツム科の唯一の属で、被子植物かをひしめく熱帯で被子植物のような姿で生育している。
西アフリカに2種、中央、南アフリカ大陸に7種、東南アジアに28種の合計37種ほどが分布する。
「グネツム属」
かつては被子植物に近縁とも考えられたが、現在では被子植物とは異なり、他の裸子植物と共通の系統に入ると考えられています。
最近では、球果植物の系統に入り、マツ科に近縁と考える説もある。
✪マオウ属
マオウ科に属する唯一の属で、常緑低木でユーラシア(中国からヨーロッパの地中海沿岸)北アフリカ、南北アメリカ大陸の乾燥地に50種類が分布しているが、日本には自生しない裸子植物である。
「マオウ属」
地上部の茎を薬用とし、草麻黄、中麻黄、木賊麻黄等の種類の生薬がある。
マオウに似た植物はトクサ科のトクサ、シダ植物で同じ科にはスギナがある。
野原や道端、畑などに多く生える野草、雑草
「トクサ」