緑のお医者の徒然植物記

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2022/08/26

さつまいもの変色 No,596

 実が黒く変色する


加熱後に実の部分が黒く変色するのは、さつまいものアクでるポリフェノールの一種「クロロゲン酸」が変色したものです。


クロロゲン酸はあくの成分なので食べると「えぐ味」を感じることがありますが、食べても問題はありません。

変色を防ぐ場合は、切ってから水に5〜15分ほど浸けておくことでアクが抜けて変色を防げます。


クロロゲン酸はアルカリ性に反応して緑色に変色する性質があります。







料理に使う重曹や天ぷら粉にも反応します。

また、塩にも弱アルカリ性のため、場合によっては反応することもあります。

寒さが苦手な野菜を、冷蔵庫などで保存したときに起こる低温障害で、さつまいもでは4〜5℃以下で起きます。

切った断面が全体的に黒っぽくなっている場合は、低温障害を起こしています。


食べても問題はありませんが、味は悪くなってしまいます。

保存温度に気をつけ、5〜18℃の間で保存することが理想的です。


さつまいものアク(灰汁)は「ヤラピン」やクロロゲン酸、タンニンと呼ばれる成分で、さつまいもを害虫から守るために存在しているものです。

アクは渋味を感じ、食感を悪くする原因となります。

調理の際にはアク抜きした方が調味料が浸透しやいという良い面があります。


◉ヤラピンとは、さつまいもを切ると断面から滲み出るミルク状の白い液体の事で、さつまいもにしか含まれていない。

胃の粘膜を保護したり、腸内のぜん動運動に働きかけ、便を柔らかくする効能があります。

さつまいもは食物繊維が多いから腸に良いというわけではありません。

ヤラピンという栄養素と食物繊維の相乗効果で、整腸作用が促されているのです。


    「滲み出る白い液体のヤラピン」


✪タンニンとは、植物の葉や実、種子、根などに含まれるポリフェノール化合物の一種で、口に入れると強い渋味を感じることが特徴です。