虫を惑わす色香
数ある花の中には強すぎて嫌われる香りがあります。
ユリの女王と呼ばれる「カサブランカ」
「カサ」が家、「ブランカ」が白色、スペイン語で「白い家」を意味しますが、レストランなどの料理店では、料理の香りがこの花の強い香りに負けてしまう事から、敬遠されています。
そのため、香りを抑えた品種が作られていますが、そこまでしても『飾りたい』と思われるのもこの花の美しさからでしょう。
一方、「官能を刺激する香り」と言われるのは「イランイラン」という花の香りです。
この花の名前はタガログ語で「花の中の花」を意味し、香りはとても官能(特に性的感覚)的で東南アジア(フィリピン、インドネシア)では、新婚カップルが夜を過ごす部屋に巻き散らかす花として知られています。
イランイランノキはバンレイ科の東南アジア原産であるが、世界中の熱帯地域で栽培され、香料や材、観賞用に利用されている。
特に花から抽出される精油は、様々な香水に利用され、アロマテラピーにも用いられています。
『芳香が百里漂う香り』と言われる滋賀県伊吹山に自生する「イブキジャコウソウ」別名を「百里香=ひゃくりこう」といい、全体に麝香(じゃこう)のような香りがする。
別名=イワジャコウ、ナンマンジャコウソウ
基本は高山植物
人間の場合、「色香で惑わす」と言うような言葉はあまり良いとされる表現ではありませんが、植物は確実に色香で虫を惑わし、誘い込むという生き方をしています。
そのために花には色々な香りがあり、香りは虫を誘う役割をしているのです。
❉麝香(じゃこう)とは雄のジャコウジカの腹部にある麝香腺(香りを入れる袋)から、(雄1頭から約50g)得られる分泌物を乾燥した香料、生薬の一種でムクスとも呼ばれる。
麝香は甘く粉っぽい香りを持ち、香水の香りを長く持続させる効果があることから、香水の素材として古くから重要されてきた。