プルーン バラ科 落葉小高木
別名=西洋スモモ、プラム
プルーンは西アジアからカスピ海沿岸部にかけた地方(コーカサス)に分布している野生種が基本種で、栽培種として作り出された品種群を総称した呼び名である。
この地から乾燥プルーンが✫隊商の携帯食として西に渡り、南ヨーロッパ、西ヨーロッパ及びバルカン半島地域に伝わったのが今から2000年前のことである。
✫隊商(たいしょう)とは
(キャラバン)
隊を組んで主に内陸アジア、北アフリカの砂漠や草原地帯を行く商人の1団のことである。
日本にプルーンが伝わったのは明治初期で、日本での果物栽培は中部地方など比較的冷涼な気候の地方が中心です。
1856年、フランス人の植木職ルイ·ペリエがカルフォルニアにプルーンを移植、その後品種改良が繰り返され、アメリカでの栽培が盛んになっていった。
カルフォルニアプルーンはアメリカ国内全生産量の99%を占めており、全世界ではプルーン生産量の40%を占めている。
(2019年5月時点)
花咲き
花は葉が伸びるより早く、5月頃に短枝から数個ずつ白い五弁花が開きます。
花の数が多い時は花が枝を包むように咲きます。
果実
8月頃に紫がかった黒色で卵形の果実が実ります。
果物は商品にする時は、表面の白さが商品価値を左右するようです。
果実は甘みがあり、ミネラルが多く含まれ、生食のほかジャムや乾燥果実などに加工されます。
結実
プルーンは一本だけでは受粉できない品種なので、結実させるには複数の品種を植えるか、他の品種の花粉を開花期に人工授粉する必要があります。
主な品種
古くから栽培されているためか品種数は千を超えると言われいる。
育てやすい品種としてソルダム、サンタローザなどがあります。
植栽環境
果実の採取を楽しむには、日当たりの良い場所を選びます。
乾燥には強いので水はけの悪い土壌は不向きです。
風通しの良いことが大切ですが、強風が当たるところは適さない。
混植の時は枝が触れ合わない程度の間隔を保ちます。
害虫
コスカシバによる食害
幼虫が樹の中に穿孔(せんこう)し、樹勢が衰えます。
虫穴の入り口には虫糞がつき樹脂が出ています。
虫穴から胴枯病菌などが入り、樹が枯れることもあります。
成虫は5月から10月に発生して、樹の割れ目などに卵を産みます。
「ガ」の一種ですが羽が透明で一見すると蜂のように見えます。
虫穴を見つけたら樹皮を少し削り、中の幼虫を捕殺します。
樹皮を削ったあとは塗布剤で傷口を保護しておきます。
また、ハンマーなどで入口付近を叩き圧殺するか、針金で刺して駆除する方法もあります。
防除として、成虫が卵を産み付ける前に割れ目や傷口を中心に塗布剤を塗っておきます。
塗布剤にはサッチューコート、スミバークなどがあります。
モンクロシャチホコ(フナガタケムシ)
この毛虫は9月頃に発生し、若齢期は赤褐色で葉の裏に群れて葉を食べます。
老熟幼虫は5cm程になり、紫黒色に変わって、黄白色の長毛が生えます。
敵が近づくと頭と尾を上げて静止する性質がある。
発生量が多くない場合は、一匹づつ捕殺するか群れを小枝ごと処分します。
発生が多い場合は、薬剤散布を行います。
スミチオン、ディプテレックス、エルサン、MEPなどを散布します。
年に一回、7月頃に成虫が発生し、その次の世代が被害を起こします。
7月に発生する成虫の量が多い時は予防剤を散布します。
せん定 12月から2月
開花結実するのは2年枝なので、発育枝や側枝は切り詰めて短果枝を出させるようにします。
短い枝の方がたくさんの実を付けます。
殖やし方
アンズやモモを台木にして接ぎ木し、殖やします。
肥料
1月から2月頃に株周り溝を掘り、配合肥料を撒きます。
鉢植えは3月に玉肥を3〜4個置き肥します。
主なプルーンの効能
プルーンには血圧を正常に保つ様々な成分が含まれています。
カリウム
高血圧の原因の一つ、ナトリウム(食塩)を身体の外へ排出する。
ポリフェノール(クロロゲン酸)
血管を健康に保つ。
ペクチン
血管を詰まらせるコレステロールの吸収を抑える。
プルーンは骨の健康に役立つのではないかと言う研究が進められ、その研究によればプルーンの摂取が、骨形成に良い影響を与えると言う臨床データが得られています。
また、プルーンはお腹の調子を整える働きがある事が知られています。
プルーンに含まれるペクチンは、腸内にいる細菌の種類や数を良好に保ったり、便通を改善したりする作用が明らかにされています。
また、天然の甘味成分であるソルビトールも含まれ、便の水分量を増やし柔らかくする事により、便通を良くする働きがあります。