樹木は生き延びるため戦っている
樹木は自力ではその場から逃げることが出来ない。
全ての植物に当てはまることであるが、どのような防御機能があるのでしょうか?
樹木は物理的なバリアや樹皮、リグニンや葉に含まれる化学的物質のタンニン、樹脂を用いた恒常的防御と、感染、食害後に発生する誘導防御を駆使して微生物や昆虫から身を守っています。
誘導防御は傷や病原菌に反応して、抗菌物質のファイトアレキシンや樹脂(ヤニ)を生産蓄積します。
ストレスによって新しい「傷害樹脂道」を形成し、樹脂で害虫などを封じ込めます。
樹木は病原菌の侵入に対してCODIT、樹木の腐朽、隔離と呼ばれる機能を持っています。
CODIT(コジット)とは
正式名称はCompartmenta Iization Of Decay In Trees
コジットとは、樹木の腐朽(腐敗)の区画化で、剪定において枝の付け根のシワ(バークリッジ)を残して切ることで、この防護壁の形成を助け、樹木全体を腐れないようにする技術の基礎となっています。
後の研究により、樹木における損傷、機能不全の区画化と再定義されることもあります。
木部の細胞壁を厚くし、菌の拡大を物理的に止めます。
形成層が活発に分裂し、傷口を新しい組織(カルス形成)で包み込み、やがて傷口を塞いでしまいます。
「カルス形成中の桜の傷口、指先の部分」
桜の木は剪定を嫌います。
材質が柔らかく、傷口を塞ぐまでに枯れ込んでしまうことから、「桜切るバカ梅切らぬバカ」の言葉があります。
剪定後は保護剤で傷口を保護することが大切です。
細胞が壊された際、蓄積されていた物質(葉緑素)と酵素が反応し、害虫に有害な物質のクロロロフィリドへ瞬時に変換します。
樹木は不要な枝を自ら落とす際にも、菌が幹から侵入しないよう枝の基部に強固な黒褐色の防御層(死細胞)を形成し、感染を防いでいます。
様々な環境、条件に負けた樹木は枯死する
十分な資源を得られずに枯れていく「立ち枯れ現象」は弱肉強食の一種であり、成長が遅かったり、周囲の大きな樹幹の下に入ったりした樹が光合成ができずに枯死する状態のことです。
森林内では、若木同士が激しく光を求め合い、その結果、勝樹が生き残り、敗樹が枯れるという、絶えず自然淘汰(しぜんとうた)が繰り返され、環境に適応した強い種が森林内では生き残っていると考えられています。
「接ぎ木が原因で枯れ込んだ株元」
新たな根が伸び出し、拡大し始めている(指先)


