緑のお医者の徒然植物記

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2020/02/17

苔の風景 No.182


 昨年の台風15号🍃🌀☔により、何処からか我が家に飛んできたマキノキの原木を利用して制作。



キャラボク(イチイの変種)沈丁花、万両を寄生させ苔を這わせました。

今後どのように育ち、風景が変化していくのか楽しみです。







2018/12/16

コケの胞子  NO.90

                「伸びたものが胞子」

(コケは胞子によって増える) 

植物は光がないと生きていけません。

しかしコケは屋外でも室内でも直射日光に当てるのは禁物です。

コケの葉は、断面で細胞1層(他の植物などは何層にもなっている)なので、弱い光でも十分だからです。

コケは小さな個体の集まりで適度な湿気を保っています。

湿った所に直射日光が当たると温度が高くなり蒸れてしまいます。

室内では、窓のそばに置き、直射日光はレースのカーテンで遮ります。

2~3日、室内に飾ったら、戸外の半日陰で外気に当てます。

ただし、風が強いと湿り気まで飛ばされて乾燥するので、風通しのよすぎる場所は避けます。

                (胞子が出始めたコケ)

湿り気が必要だからと言って、水をやり過ぎると失敗する例が多いようです。

水浸しでもコケは大丈夫ですが、時間がたち水が腐るとコケも腐ってしまいます。




◆苔玉では、コケと一緒に植えてある植物も水分過多により、腐ってしまいます。

一方、コケは葉が乾いて縮れていると、光が当たっていても自分で養分をつくることができません。

コケは葉が縮れていたり、触って乾いていたら水を与えます。

◉肥料は、百害あって一利なし。


コケには根がなく、土中から養分を吸収しないので肥料は不要です。

かえってカビや藻類の生える原因になってしまいます。

病害虫は、早めに対処し、葉が変色したり、カビが発生したら、早めにその部分を取り除きます。


時間はかかると思いますが、症状が軽ければ元の状態に回復することでしょう。

◉参考ブログ
※苔玉盆栽 No.52
※コケ(苔)の話 No.81
※小さな盆栽、苔玉を暮らしの中に No.97
※鉢植えのコケ管理 No.165
※花のない植物コケ胞子隠花植物 No.187







2018/12/12

コケ(苔)の話  NO.81

苔のはなし


◉苔には
①セン類(スギゴケなど)
②タイ類(ゼニゴケなど)
③ツノゴケ類と言う3つのグループに分けられ、園芸に多く利用されるのはセン類です。

★セン類はは、体の小さいコケの中でも大きく見栄えがよく、比較的乾燥に強いことから園芸に利用されています。

    ◎ホソバオキナゴケ(シラガゴケ科)

透明な細胞があるため全体が白っぽく見え「白髪、爺」の名がある。

透明細胞は吸水、保水作用があり園芸材料として「ヤマゴケ」の名で売られている、苔庭に使われ、盆景や苔玉にも利用できる。


コケは色々な性質があるため、普通の園芸植物とは異なった育て方が必要です。

①コケは体には根がなく水分や養分は体の表面から吸収します。

②仮根があるが体をものに付着させる役目をするだけである。

③体の作りは簡単で、水分や養分を運ぶ構造や水分の蒸発を防ぐ「クチクラ」はない。

クチクラ=植物の表皮にあるロウまたは脂肪酸(脂肪を酸または、アルカリで分解して得たものの主要な1つ)の分泌物。

水分の蒸散や外部からの侵入物質を防ぐ働きがある。

④葉は乾くと、縮んで巻いたり茎に接するように折り畳んだりする。

⑤コケは普通、たくさんの個体が集まって生えており、それが水分を保持する役目をしている。




◉園芸で利用するものは、土の上に生えているものが多く、体のつくりを見るとギンゴケやオオスギゴケなど地面から直立するものと、ハイゴケのように地面を這うものに分けられます。

谷沿いに多くのコケが見られるのは、適度の日当たりと湿度が高いことによります。

コケの体のまわりの空気中の水分を上手に管理することが、コケを育てる上でもっとも大事な要素だと言えるでしょう。




◉コケは根がないので、赤玉土や鹿沼土など、保水性と通気性のよい用土を使い、コケの体のまわりの湿度を高くする必要があります。

肥料は施しません。

ただ、用土の表面に置いただけでは不安定になるので、体の小さなものは黒土、大きなものは富士砂などで一部を覆いコケの体を固定します。

特にハイゴケのように這うものは、竹串やワイヤーなどで固定します。

苔玉に使う場合は、はがれないように糸を巻いて固定します。

★コケは種ではなく胞子でふえますが、胞子はいつもあるとは限りません。

胞子から育てることも難しいので主に株分けでふやします。

株分けでふやす場合は、細かく分け過ぎたり、植え込みの間隔が広すぎると成長が悪くなりますので注意が必要です。

また、違った個体のコケを混合すると効果的な成長があると言われています。

コケはお互い寄り添って水分を失いにくくしていますので、バラバラにしないで植え込みます。



◆参考ブログ
※苔玉盆栽 No.52
※コケの胞子 No.90
※小さな盆栽、苔玉を暮らしの中に No.97
※苔玉、鉢植えのコケ管理 No.165
※花のない植物コケ胞子隠花植物 No.187