緑のお医者の徒然植物記

Translate

緑のお医者の徒然植物記

検索結果

2018/11/29

ヤブコウジ(藪柑子)別名十両 NO.61

ヤブコウジ


赤く熟す実が可愛いので、お正月の鉢物として寄植えなどに使われる。




◉千両や万両に対して、十両の名で呼ばれることもある。

山地の樹林下に生え、高さ10㎝ほどになる。



★茎が地面を横に伸びて増えるので、場所によっては一面に群生する事もある。

花は夏に、葉の下に隠れるように咲く。

果実は垂れさがり、球形の直径六ミリ前後。

まれに白い実をつけるシロミヤブコウジもある。


                  「ヤブコウジ苔玉」

好みに合わせて、シダ系のものなどを寄せ植えするとまた違った観賞ができるでしょう。







2018/11/28

ウメ盆栽の分類 NO.60

梅盆栽


早春に開花するウメは、古くから日本各地に植栽されてきた盆栽です。

その品種は多く、それぞれの環境に適した銘品(品種)が多数あり、木の性質で園芸では分類しています。

野梅性(ヤバイショウ)

観賞用としてのウメの代表的種類で、葉がやや小型で枝が密につき挿し木でよくつきます。

この中でさらに紅筆性、難波性、青軸性があります。

一般に庭木としても人気がありますが、盆栽用として適した品種が多数あります。

1,野梅(ヤバイ)
白色一重咲きの中輪で2月から3月に咲き、八重咲きもある。

芳香性で盆栽用として人気の品種。 
                   
2,寒紅梅(カンコウバイ)
淡紅色。
1月から2月に咲きます。

一重咲きと八重咲きがあり、幹の太り方や枝のつき方、よくつく花などにも特徴があります。

3,道知辺(ミチシルベ)
紅色の大輪花。
3月上旬頃咲きます。

樹勢が強くハウス栽培して早く咲かせることもできます。                                                                              4,紅冬至(ベニトウジ) 
淡紅色の一重咲きです。
開花が最も早く12月には咲きます。

樹勢はやや弱く小型です。

正月に飾る寄せ植えなどに利用されます。

5,塒の鷹(トヤデノタカ)
2月末かなら3月に咲きます。

一重咲きで枝が斑入りとなり、季節によって斑の色が変わります。
(塒、とや、鳥の寝床、ねぐら)        

6,春日野(カスガノ)
八重咲き中輪で3月中旬に咲きます。

この種は枝によって花の色が変わって咲く珍しい種類で、白、絞り、桃、紅色と花色が変化に富んでいます。

7,紅筆(ベニフデ)
2月中旬から3月中旬に咲き、つぼみが筆状に細くとがり紅色していく枝も細い。


 紅梅性(コウバイセイ)

枝が細く切った切断が紅色をしています。

1,唐梅(トウバイ)
つぼみが濃紅色で、開花すると花弁の周辺が淡い紅色になります。

大輪八重咲きで、2月中旬から3月にかけて咲きます。

2,佐橘紅(サバシコウ)
濃紅色の中輪一重咲きです。
樹勢が強く紅梅の中でも逸品の名花。

3,紅千鳥(ベニチドリ)
佐橘紅の枝がわりの品種で2月下旬に咲きます。
雄しべが弁化して旗弁が出た花が開きます。
このため、花弁の中を千鳥が飛んだように見えます。

4,守の関(モリノセキ)
2月下旬から3月中旬に咲きます。

花が紅色系で花弁の周辺が白色の中輪咲きで、花つきは良好です。盆栽用として人気があります。

5,緋の司(ヒノツカサ)シダレ
濃紅色の中輪八重咲き。
2月から3月、花つきがよいシダレ性で成長が遅いので、ゆっくり手をかけて仕立てるといいでしょう。

豊後性(ブンゴショウ)

他の種類に比べて枝が太く、丸みのある大きな葉を持っています。

葉面には毛があり、秋になると葉柄と枝先が赤味を帯びてきます。

1,大港(オオミナト)
淡紅色の大輪一重咲きで、2月中旬から3月に咲き、樹勢が強く多花性です。

2,開運梅(カイウンバイ)
淡紅色の中輪八重咲き。花弁が多いのが特徴で、2月中旬から3月に咲きます。

3,入日の海(イリヒノウミ)
淡紅色の大輪一重咲き。枝が細く、花つきは良好です。

4,黒田梅(クロダバイ)
つぼみは濃い紅色で開花すると、淡い紅色になります。
花弁の多い八重咲きで、3月上旬に咲きます。

杏性(アンズショウ)

豊後性に似ていますが、枝葉が小振りで葉面に毛がないところが違います。

1,記念梅(キネンバイ)
紅色の中輪八重咲き。
葉にツヤがあり、秋に紅葉し、枝も紅色になります。
杏性の代表品種で3月上旬に咲きます。

2,江南所無(コウナンショム)
紅色の大輪八重咲きで、ガクが紅茶色なのが特徴。
3月中旬から上旬に咲きます。

◉多くの種類のウメ盆栽があるなかで、自分好みのウメ盆栽を見つけて見てはいかがでしょうか。








2018/11/27

キャラボク(伽羅木) No,59


キャラボク イチイ科「 伽羅木」

イチイの変種


日本海側の深山や高山に生え、高さは三メートルほどになる。

幹の下部は地面を横にはって先端は、立ち上がり枝や葉を密生する。





◆樹皮は赤褐色だが、老木になると写真のように凄まじい光景となる。

枯れ木のようにみえるが、先端は青々とした葉をつけている。

また、樹芯(幹の先端)が自然に枯れて白骨化したものをジンとよびます。

盆栽で言うと、木質部が白骨化しているものをシャリ幹またはサバ幹と呼ぶ。


★通常、幹は傷がないものを最も良いとされており丸幹と呼ばれている。

一方、幹の傷を利用して観賞の価値を高めるものもあります。




◆花は春に咲き、雄花は淡黄色、雌花は緑色。果実は赤く熟す。
花期は9月から10月。


「キャラボク苔玉」

◉キャラボクの苔玉。
挿し木からこの状態までは、約一年になる。

生長は、かなり遅い。

風通しが悪いとカイガラムシがつきやすい。


★鉢植えにしたもので、約一年経過したもの。









ツゲ  No,58

ツゲ 常緑低木 (黄楊、柘植)

原産地=日本、朝鮮半島 別名ホンツゲ

通常は高さ1~3㍍の常緑低木である。
葉は対生しする。

よく似たイヌツゲは葉が互生し葉の縁が少しギザギザになるのが特徴。

また、イヌツゲは雌雄異株で開花時期も違い、ツゲはツゲ科、イヌツゲはモチノキ科である。

同種にヒメツゲ(クサツゲ)
寒さに強いチョウセンヒメツゲなどがある。



ツゲ(黄楊、柘植)材は緻密(ちみつ)で、櫛(くし)や印鑑将棋の駒、算盤玉、ブラシ柄、傘の柄、定規、ものさし、三味線の撥(バチ)として使われてきました。

正確さを要する製図器、測量機械、測量用具の重要部材でもあり、木管楽器の管にも利用されています。


山地に生え、石灰岩地や蛇紋岩地に多い。生長が遅いため、なかなか太くならないが、幹の直径は30㎝に達する。


雌雄同株で、雄花は黄色の雄しべが突きだし、雌花は緑色の柱頭が目立つ。開花期は3月~4月。



◉植え付け
適期は3月~4月と5月中旬~6月、9月~10月の3回あります。

苗の根鉢の2倍の深さに植え穴を掘り、酸性土壌を嫌うので穴には石灰を一握り散布します。

そこに、腐葉土を多めにすき込んで埋め戻し、苗の根土ごと植え付けます。

その後、水を与えておきます。

◉肥料
年に1回、3月~4月に堆肥と鶏ふんを同量混ぜたものを根回りに軽くすき込みます。

★害虫
ハダニ、カイガラムシ、アカシマメイガ、マエキオエダシャクに注意が必要です。

予防対策は、1月から2月にマシン油乳剤10倍液を散布します。

◉せん定
刈り込みは、刃の大きな刈り込みバサミを使って、平らに刈り込み形を整えます。

6月から7月が刈り込みの適期です。

伸びてから刈り込むよりも、軽い刈り込みを数回繰り返してきれいな形をつくります。

二次生長をとげた後の9月下旬頃に刈り込んで樹形を整えます。

樹形を乱す徒長枝や、散らし玉や段作り仕立ての樹冠のバランスを崩す不定芽なども確実に切り取ります。

ヤゴ(ひこばえ)が出やすいので、見つけしだい株元から切り取ります。

仕立て後2年から3年は1年に2回ぐらい枝を間引き直して、最初の位置まで戻します。

各枝の刈り込みは、徐々に根元が膨らむように整えていきます。

◆殖やし方
3月下旬の萌芽前か7月上旬に、新梢の充実した部分を10~15㎝に切り、上葉2~3枚を半分に切り、下葉は全て取ってさし穂を作ります。

1~2時間水揚げし、6号以上の半鉢か育苗箱にゴロ土と赤玉土小粒を入れ、さし穂の3分の1をさして水を与えます。

その後は、半日陰ち遮光し、水やりと葉水で温度を保ち育成します。








2018/11/26

ローズガーデン No,57

ローズガーデン


美しいローズガーデンは、世界中の園芸趣味家や高貴な人々の憧れの的であることは、今も昔も変わりはありません。


バラの庭とバラ園の違い

★数あるガーデニングの楽しみの中で、様々な品種を集めるコレクションは最も大きなものの一つです。

このコレクションを中心に、生活空間とは別に作られる美しい啓蒙的(けいもうてき)な目的を持ったものがバラ園と呼ばれます。

これに対して、日常の生活空間の中で、バラの美しさ、高貴さなどの豊かさを享受できる空間がバラの庭と言えるでしょう。




バラの庭を作る目的


バラは育てることはもちろん、美しさ、香り、歴史、文化どれをとっても奥が深く、尽きることはない興味もわかせてくれる植物です。

バラを主役にした美しい庭には、多くの人が集まりバラ談義に花も咲きます。

自然に人々のコミュニケーションが生まれ、地域環境が向上することで安全で住みよい美しい街の評価が与えられます。




広大な敷地を持つ多くのバラ園とは異なり、面積の限られた住宅の庭では限りあるコレクションを最大限に生かして庭全体をデザインする必要があります。

品種だけ多く集めることが主眼になってしまうと、結果的にバラ庭でもバラ園でもないバラの畑になってしまいます。








堆肥、コンポスト No,56

堆肥、コンポスト


堆肥とは、稲藁(いねわら)などの収穫残さ、樹皮(バーク)などの木質、家畜糞尿などの有機質資材を堆積し、発酵により土壌施用後、農作物に障害を与えなくなるまで腐熟させたものを言う。

土壌改良や地力維持を目的として使用される単に「有機物」と呼ばれることもある。

★ワラ類などの植物質資材を堆積発酵させたものが堆肥。

★家畜糞尿を堆積発酵したものがきゅう肥。

★農薬系以外の有機性廃棄物(未使用資源)を堆肥発酵したものを「コンポスト」とすることもある。

◉単独原料による堆肥は牛ふん堆肥のように原料名を複合原料による堆肥はおがくず混合牛ふん堆肥のように、副原料と主原料を併記して表現する。

◆堆肥化は、稲わらなどの植物遺体を微生物によって、できるだけ分解して炭素を少なくし窒素を微生物菌体に固定する過程である。

植物遺体の炭素と窒素の比率が高い材料では、窒素を添加して微生物の増殖を早めて熟成することができる。