緑のお医者の徒然植物記

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2018/11/27

ツゲ  No,58

ツゲ 常緑低木 (黄楊、柘植)

原産地=日本、朝鮮半島 別名ホンツゲ

通常は高さ1~3㍍の常緑低木である。
葉は対生しする。

よく似たイヌツゲは葉が互生し葉の縁が少しギザギザになるのが特徴。

また、イヌツゲは雌雄異株で開花時期も違い、ツゲはツゲ科、イヌツゲはモチノキ科である。

同種にヒメツゲ(クサツゲ)
寒さに強いチョウセンヒメツゲなどがある。



ツゲ(黄楊、柘植)材は緻密(ちみつ)で、櫛(くし)や印鑑将棋の駒、算盤玉、ブラシ柄、傘の柄、定規、ものさし、三味線の撥(バチ)として使われてきました。

正確さを要する製図器、測量機械、測量用具の重要部材でもあり、木管楽器の管にも利用されています。


山地に生え、石灰岩地や蛇紋岩地に多い。生長が遅いため、なかなか太くならないが、幹の直径は30㎝に達する。


雌雄同株で、雄花は黄色の雄しべが突きだし、雌花は緑色の柱頭が目立つ。開花期は3月~4月。



◉植え付け
適期は3月~4月と5月中旬~6月、9月~10月の3回あります。

苗の根鉢の2倍の深さに植え穴を掘り、酸性土壌を嫌うので穴には石灰を一握り散布します。

そこに、腐葉土を多めにすき込んで埋め戻し、苗の根土ごと植え付けます。

その後、水を与えておきます。

◉肥料
年に1回、3月~4月に堆肥と鶏ふんを同量混ぜたものを根回りに軽くすき込みます。

★害虫
ハダニ、カイガラムシ、アカシマメイガ、マエキオエダシャクに注意が必要です。

予防対策は、1月から2月にマシン油乳剤10倍液を散布します。

◉せん定
刈り込みは、刃の大きな刈り込みバサミを使って、平らに刈り込み形を整えます。

6月から7月が刈り込みの適期です。

伸びてから刈り込むよりも、軽い刈り込みを数回繰り返してきれいな形をつくります。

二次生長をとげた後の9月下旬頃に刈り込んで樹形を整えます。

樹形を乱す徒長枝や、散らし玉や段作り仕立ての樹冠のバランスを崩す不定芽なども確実に切り取ります。

ヤゴ(ひこばえ)が出やすいので、見つけしだい株元から切り取ります。

仕立て後2年から3年は1年に2回ぐらい枝を間引き直して、最初の位置まで戻します。

各枝の刈り込みは、徐々に根元が膨らむように整えていきます。

◆殖やし方
3月下旬の萌芽前か7月上旬に、新梢の充実した部分を10~15㎝に切り、上葉2~3枚を半分に切り、下葉は全て取ってさし穂を作ります。

1~2時間水揚げし、6号以上の半鉢か育苗箱にゴロ土と赤玉土小粒を入れ、さし穂の3分の1をさして水を与えます。

その後は、半日陰ち遮光し、水やりと葉水で温度を保ち育成します。