緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2018/12/02

鉢花、鉢植えの管理(12月~1月) NO.68

鉢花、鉢植えの管理


12月から1月は、シクラメン、ポインセチア、プリムラ、シンビジューム(ジウム)冬咲きのベゴニアなどの冬咲きの温室鉢花が多数出回る季節です。

この季節に開花する鉢花を長持ちさせるためには、十分な明るさを確保する必要があります。

日光が十分当たる窓辺などに置いて管理するとよいでしょう。

ただし、直射日光による日焼けを防ぐためには、窓ガラスから離すようにします。(10㎝以上)

◉シクラメン、プリムラ、アザレアなどは、風のない日には戸外で日光浴させても構いませんが、気温が下がり始める3時頃までには、室内に取り込むようにしましょう。




夜間はカーテンを閉めて冷気に当てないようにしたり、部屋の中央や暖かい所に移動するなどし、管理するとよいでしょう。

◆チューリップなどの球根類を植えた鉢は、1月いっぱいは戸外の日当たりのよい場所に移動するなどして管理するとよいでしょう。

室内の温度管理は、種類によって異なりますので注意しましょう。

ベゴニア、ポインセチア、カトレア、セントポーリアなどは最低温度が10℃以下にならないようにします。

シクラメン、プリムラ、アザレア、シンビジュームなどは5℃以上を保つようにします。

暖房による熱風が直接当たるような場所に置かないようにしましょう。

水やり

冬は乾燥しやすい季節ですが、水のやり過ぎに注意しましょう。

水分が多すぎると、寒さに対する抵抗力を弱める事にもなります。

鉢の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。

1回の水やりの量を減らすのではなく、土をやや乾き気味に管理して水やりの回数を減らすなど調整します。

水やりはできるだけ暖かい午前中に行い、冷たい水を与えるのではなく、少し暖かいぬるま湯にしたものを与えてあげましょう。
(30℃以上は避ける)

肥料

肥料は冬の間は原則として必要ありませんが、シクラメンやプリムラなど、長期にわたって開花するもの、温室で育てている植物などは、液体肥料を10日に1回を目安に与えます。

温室で常に暖かい状態であれば通常の管理が必要になるかと思います。

各植物に向いた管理が必要です。

◉花が終わったもの、古くなった葉などはこまめに摘み取りましょう。

放置すると灰色カビ病などの原因になります。

特に、次々と開花するシクラメン、プリムラ類は注意します。






2018/12/01

ナンテンの実つきが悪い NO.67

ナンテン


◉植え付け後の年数が浅い若木、枝を強く切り戻した場合、肥料が多過ぎた場合など、樹勢が強過ぎると実つきが悪くなります。




このような場合は、春先に株の周りをスコップで突いて根切りをします。

樹勢が弱まり、実つきがよくなります。

ただし、何年か経つと再び樹勢が強くなり過ぎてしまいます。

◆花期が梅雨と重なるため、雨で花粉が流れてしまう場合もあります。

開花期になったら、傘などをさしかけておくと効果があります。

花粉を運ぶ昆虫も雨が多いと減少します。

場合によっては人工受粉も必要になります。


     「挿し木から二年目のナンテン」

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銀杏(ギンナン)の実生で盆栽を作りたい。 NO.66

銀杏の実生で盆栽作り


◉イチョウはタネが大きく、実生から育てやすい樹種のひとつです。

炒ったものは発芽しません。

生の種子であれば、お店で売っている物でも発芽します。  

公園や並木道に落ちているギンナンは、果肉をよく洗い流してから、赤玉土、川砂などの用土にまきます。 

独特の匂いとともに、人によっては手がかぶれる物質が含まれているので、ビニール手袋などを使用して作業しましょう。


                                  
    「銀杏の種まき」   (A図、B図)

発芽すると太い根が出てタネが持ち上がってしまうことがあるので、まいたタネにはやや厚めの覆土をしておきましょう。

乾燥に弱いので、秋に取りまきした方が発芽率は良好ですが、乾燥に注意して冷暗所で保存しておけば、翌春にまいても発芽します。

本葉が開いたら移植(定植)します。

(B図)
盆栽など、鉢植えに仕立てる場合は、直根が短く側根が横に広がるようにしなくてはなりません。

移植の時は、細根が出ている所の下で直根を切ります。

タネがしっかりしているうちに、切り戻さないと苗が弱ってしまうので注意しましょう。


◉イチョウ関連ブログ
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イチョウ「銀杏、公孫樹」No,178









イチイ(樹木編)別名アララギ  NO.65


イチイ 別名=アララギ、オンコ

原産地=日本、中国東北部
サハリン、千島、朝鮮

雌雄異株

高い位の人(貴人、神官)が持つ笏(しゃく)をこの木から作ったので、最高の官位を表す一位の位にちなんでこの名を当てたのが由来でる。

日本、朝鮮半島、シベリア、樺太地方に自生する。

欧米の温帯から亜寒帯にも近緑種が見られる。

北海道、東北、北陸などの寒地では、平野にも分布しています。

暖地になるにしたがい、自生地は標高の高い山野(亜高山地)へ移っていきます。

古くから、神霊が宿る樹木と考えられていたので、神社、寺院の境内などによく植えられていました。

寒い地方でも耐えられるほどの樹木なので、常緑樹の少ない寒地では、代表的な庭木として親しまれている。

北海道地方ではアイヌ語の「オンコ」の名で知られ代表的な緑化樹になっています。




雌雄異株で花は3月から4月に咲き、果実はその年の9月から11月に熟す。

熟した果実の赤い部分(果肉)は甘くて食べられるが、種子は呼吸麻痺を起こす有害物質「タキシン」が含まれており食べられません。❎よ!


★弥生時代には、イチイの実は貴重な食糧源であったとも言われています。

それほど何も無い時代だったとも言えますね。

現代人は、食べ物を粗末にしてるとはっきり言える事例だと思います。

今の時代、きっと鳥たちしか食べないかもしれない。

たいへん甘くて美味しいと言う事なので一度は食べて見たいものです。

◆同じように葉にもタキシンが含まれてるのだけど、こちらは利尿、鎮咳(ちんがい、せきをしずめる効果)、通経(月経を起こさせること、普通は子宮の収縮を促す植物性下剤が用いられる)に効果のある生薬(一位葉、イチイヨウ)として利用されます。


★イチイの材質は強く、色も美しいことから、今も笏の材料に使われているほか、高級木材として家具、彫刻、鉛筆などに幅広く用いられている。

アイヌ民族は弓の材料にしていたそうです。

また、あのロビンフッド?誰れ?それ?って言うよね現代人?多分?ロビンフッドが使った弓も西洋種のイチイ製だったんだと( ・∇・)さ!🍎リンゴ落としたのかな?それ、ちょっと違うんじゃない(-_-)/~~~‼️

別品種にキミノオンコとオウシュウイチイ(ヨーロッパイチイ)がある。

なお、キャラボクはイチイの変種である。


                         (キャラボク)

?ん…見た目わかんなぁ~い?同じにしか見えないんだけどぉ〰️(^_^;)

◉主に寒地では、イチイ。

暖地では、キャラボクが庭木として用いられています。

生育管理

日陰でもよく育つが、半日陰が最も適しています。

水はけのよい肥沃な土壌を好みます。

植え付けは3月から5月、9月から11月で、高植えにします。

寒地での春植えは4月まで待ってから行う。

イチイは細根が少なく、生長するほど移植が困難になるので、移植する場合は、必ず前年から根回しをして、細根を株元に出してから移植するようにしましょう。

肥料

2月と9月に油粕と骨粉を混ぜた有機肥料を一株につき、2~3握り与えます。

樹勢が弱ると、カイガラムシやハダニが発生する場合がありますので、冬期に薬剤散布。
①石灰硫黄合剤
②マシン油乳剤
尚、①②の薬剤は冬期にしか使えません。

それ以外の時期には薬害になりますので注意しましょう。

又、5月から6月には、スミチオン乳剤などを散布します。

9月~10月にチッ素分の少ない化成肥料を施すと、葉のつや出しに効果的。

◉殖やし方

通常は実生によるが、挿し木でも殖やせる(時期=6月~7月)


剪定

生長が遅く、放任しても円錐形に樹形を保ちます。

若木のうちは、幹から不定芽が出やすいので、太枝になる前に早めに切り取るようにします。

株元付近から新梢が伸びた場合やひこばえも同様に切り取りましょう。

刈り込みは強い樹ですが、一気に強剪定するのではなく、軽い剪定で回数を多くするようにしましょう。

笏=シャク、コツと読むが、骨(コツ)と同音なのを避け笏(シャク、尺)の長さが一尺なので、尺の音を借りてシャクと読む。

昔、礼装の時、手に持ち、物事を忘れないように、この上に書き付けたもの。
(^.^)ほぉ~✨メモ帳かぁ〰️(^_^;)?まぁーたまた、おりこうさんになったかも知れんのぉ〰️(^.^)姉上様。







鉢植えのサザンカが開花しない原因 NO.64

サザンカの花が開花しない原因

鉢の植え替えを長年行っていない事が原因だと思われます。

通常、鉢植えにして4年から5年経つと、鉢内部は根がいっぱいに張って、根詰まりの状態になります。


このままだと十分な養分を供給できず、樹勢が弱まり花芽がつかなくなります。

すぐに植え替えれば、樹勢を回復し再び開花するようになります。

まず鉢から根を抜き、一回り大きな鉢に植え替えます。

そのまま植え替えても構いませんが、根詰まりがひどいときは根鉢の土を少し崩して、腐ってるような根があれば切り取りしてから植えます。

用土は赤玉土7、腐葉土またはピートモス3、などが一般的です。

植え替えの適期は2月中旬から4月上旬、9月上旬から10月中旬です。

尚、植え替え(鉢替え)は1年から2年に1回は行うようにしましょう。










2018/11/30

ピラカンサス(ピラカンサ)樹木 NO.63

◉バラ科トキワサンザシ属「常磐山櫨(査)子」

ヨーロッパ東南部から西アジアに六種が分布する。

その名称は、火のトゲ(火のような赤い実と枝のトゲ)と言うギリシャ語に由来している。

日本では、タチバナモドキ、ヒマラヤトキワサンザシ、トキワサンザシなどが植栽されている。

変種や園芸種が多く、一般にトキワサンザシ属の植物を総称してピラカンサス(ピラカンサ)といいます。

日本には昭和初期に輸入され、第二次世界大戦以降、観賞用の庭木として全国に広まりました。

小鳥たちにも人気があり、ピラカンサスのある庭には、多くの野鳥が集まります。

★樹勢が強く、強い剪定にも耐えることから、庭木、生垣、公園樹のほか、盆栽にも利用されます。


          (ヒマラヤトキワサンザシ)


タチバナモドキ別名ホソバトキワサンザシ

中国原産、果実の形や色がミカン科のタチバナに似ているのでこの名がつけられた。

花期は五月から6月で果実は橙黄色に熟す。

ヒマラヤトキワサンザシ別名カザンデマリ

ヒマラヤ原産、花や果実が美しいので、庭や生け垣によく植えられる。

トキワサンザシより葉の幅が狭い。

花期は五月から6月、果実は鮮紅色または橙紅色に熟す。


トキワサンザシ(常磐山櫨(査)子)

西アジア原産、葉は幅が広く長さ2~4㎝。

花期は五月から6月で果実は鮮紅色に熟す。

これ以外に、大粒の赤い実がなるローズデリー、黄色い果実がなるゴールデンチャーマーなどの品種もある。


      (タチバナモドキ) 
         
◉生育管理
土質を選ばない丈夫な樹種。

花つきをよくし、美しい果実を楽しむためには、日当たりのよいことが絶対条件になります。

根が粗いため移植はあまり好みません。

◆移植する場合は、地上部をほとんど切り詰めて大株の場合は、3ヶ月から6ヶ月前から根回しをして細根が十分出てから植え替えます。

植え替え、植え付けの敵期は8月~9月。

苗木や小さな株であれば、4月下旬からでも扱えます。

四方に枝がよく伸びて繁りやすいので密植は避けます。


                      (トキワサンザシ)


◉樹勢が強すぎると枝葉ばかりが強くなり花つきが悪くなります。

庭植えの場合、土がやせていない限り肥料はほとんど必要ありません。

樹勢が弱い場合は、2月と10月頃に油粕などの有機肥料を一握りほど与えます。

風通しが悪くなると、ハマキムシ、カイガラムシ、アブラムシが発生する場合があります。

発生した時は、スミチオン乳剤やマラソン乳剤などを散布します。


剪定、整姿
花芽は前年生の短枝の基部につきます。

長く伸びた枝には花芽がつかないので、徒長枝は発生次第切り取ります。地際から出るひこばえも切り取ります。

生け垣や仕立てものは、花芽形成前の3月~4月頃に刈り込みを行います。


殖やし方
熟した果実から種子を取り出し、11月以降の実熟期に取りまきするか、乾燥に注意して貯蔵し、翌春の3月下旬頃まで待ってからまきめす。

挿し木は、充実した本年枝を10~15㎝ほど切ってさし穂とし、下葉を落として水上げした後、赤玉土、鹿沼土などのさし床にします。

2年ほどで定植できます。

敵期は6月中旬から9月中旬です。