緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2019/02/06

2月から3月果樹の管理  No,121

整姿、剪定
2月はナシ、リンゴ、カキなどの落葉果樹の剪定、整姿や、🍇ブドウ、🥝キウイなどのツル性果樹の棚仕立ての誘引が行えます。

ブルーベリーの剪定は、もう少し暖かくなる3月になってからがよいでしょう。この頃には、カンキツ類、フェイジョアなどの常緑果樹の剪定も行えるようになります。

カキの冬期剪定

カキは新梢の先端に花芽ができています。基本的には強い剪定は行わず、余分な芽を間引いて秋の結実の充実を図ります。
主枝と副枝の先端の花芽は切り取ります。また、徒長枝を切り取り、できるだけ枝と枝の間隔をあけるように間引き、結果枝になる芽と発育枝(翌年以降の結果枝、または結果枝の予備になる枝)がバランスよく残るようにします。

水やり、肥料

この時期、水やりはほとんど必要ありませんが、乾燥が続く場合、キウイ、ブドウ、ブルーベリーなどには少量与えます。
肥料は2月にアンズ、モモ、ウメ、スモモ、ナシ、イチジクなどに緩効性化成肥料を与え、充実した芽の萌芽を促します。3月以降は施肥は行いません。

挿し木

3月は様々な果樹で接ぎ木が行えます。穂木は12月から2月の間に採取、貯蔵しておいたものを使います。また、ブドウ、キウイ、イチジクなどの落葉果樹の挿し木も行えます。
葉がない時期なので蒸散が少なく、挿し木直後の管理が楽になります。

🍇ブドウの挿し木

鉛筆ぐらいの太さの枝を10㎝前後に切り、穂木とします。根元をクサビ状(V字型、両面切り)に切り2~3時間水揚げ(水にさして水を吸い上げさせる)した後、発根剤を塗布し、さし床にさします。



葉からの蒸散はありませんが、樹皮からも水分を失われるので、芽が土のすぐ上に出るぐらいまで深く垂直にさします。

さし床の用土は赤玉土(小粒)などの排水性のよいものを選びます。
穂木の間隔は、芽吹いた後に葉が重なり合わない程度にとります。
生育状況にもよりますが、6~10㎝程度の間隔が目安です。

★さした後は、鉢底から水が抜ける(水が透き通る)まで十分灌水し、明るい日陰で鉢土が乾燥しないよう、湿度を保ちながら管理します。







2019/02/04

ボタン(牡丹)  No,120

ボタン(牡丹)キンポウゲ科

原産地/中国

日当たりと排水のよい、腐食質に富む肥沃な砂土壌か砂質土で、強い風と西日を遮る場所がよい。

寒さには強いが、夏の暑さに少し弱い。乾燥を嫌い、大株の移植はよくない。




 性質、特徴

植え付けの時期は、落葉直後から11月まで。

事前に植え付ける場所には、完熟堆肥や腐葉土、それに鶏ふんなどをよくすき込んでおき、肥料などが肥料などが直接根に触れないように、高植えするように注意する。

植え付け後、敷きわらをして乾燥防止対策をする。

成長は遅いので、自然の樹形で育てます。

普通は、5月咲きですが、冬咲きの寒ボタンもあり、わらで囲いをして防寒対策ををする。




◉中国から渡来して千年の歴史があり、品種改良も進んで優良花の品種がとても多い。




◉花色も豊富で、花弁の一重咲きや八重咲き、千重咲き、変わり咲き、そして開花の季節では、冬咲きと春咲きなど多種多彩である。

病害虫、予防と対策

日当たりや風通しが悪い場所で、春から夏にかけて多く発生する褐斑病の病葉は早く発見し摘み取ります。

また、その病葉に水をかけてはいけません。

対策として、マンネブダイセン500倍液やベンレート水和剤1000倍液を、月に2回から3回定期的に散布します。

白絹病は、春から秋に発生します。

この病気は非常に厄介で、恐ろしい病気のひとつです。

まず、植え付ける前に、土にペンタゴンやタチガレンなどを混入して予防します。

この病気が一度発生すると治りにくいばかりか、周ネコブセンチュウりの株にも伝染するので、早めに被害の株を根のまわりの土ごと取り除き、そこにペンタゴン1㎡あたり20㌘から30㌘を土に混ぜ、病気拡大を防ぎます。

病気の発生した場所には、植えない方がよいでしょう。

◉成育中の場合でのタチガレンは、500倍から1000倍に薄めて土にまきます。

ネコブセンチュウの発生原因は、買い求めた株がすでに病気にかかっている場合がほとんどです。


購入前に、優良株を選ぶことが大切ですが、枝葉を観ても分からないので厄介です。

これにかかって元気がない場合は、ネマヒュームで土壌を消毒します。

夏から秋にかけて多く発生するので、ネマヒュームを1㎡あたり20cc津地に流し込みます。

ガスを発生して、土中の病原菌やセンチュウ類を殺します。

イセリアカイガラムシは、冬期に機械油乳剤30倍液を散布して予防します。

春の幼虫発生期から、スミチオン、カルホスなどの1000倍液を定期的に散布します。



★イセリアカイガラムシ(ワタフキカイガラムシ)

有力な天敵として、ベダリア🐞テントウムシ、特にカンキツ栽培地帯では、これを放し飼いして高い効率をあげている。

いたずらに薬剤に頼るばかりでなく、積極的な天敵利用をはかるように留意する。


◉メセンチュウには、秋からディプテレックス乳剤1000倍液を散布して予防します。




肥料(施肥)

よい花を咲かせるためには、よい株を育てる事が大切です。よい株を育てる為には、肥沃な土を作ることが基本になります。

冬の間に、十分な栄養になる堆肥などの有機質を中心とした施肥を行います。

一年以上かけて完熟堆肥堆肥を作り、それにリン酸カリ分の多い化成肥料を加えて、根に直接肥料が触れないようにして、株回りに穴を掘り埋め込みます。

モミガラクン炭を加えてもよいでしょう。

◆追肥

花が終わった後に、一回少量の化成肥料(200㌘から300㌘)骨粉3に対して油粕7を合計500㌘以内を軽く掘って埋め込みます。

9月には、化成肥料(200㌘から300㌘)と骨粉300㌘ほど与えます。

その他の手入れ法

ボタンは、夏の乾燥を嫌いますので、敷きわらなどをして乾燥防止をする。

開花時には、強い風や雨にあてないように注意しましょう。

傘などを立てて、花が雨に濡れないようにするとよいでしょう。

花が咲き終わったら、種子をつけないようにして切り取ります。

ボタンは秋以外には、移植をしないようにしましょう。

鉢植えを他に移すのは構いません。










2019/02/02

クレマチスの植え付け2月~3月 No,119

クレマチス

別名=テッセン(鉄線)

春から初夏だけ開花する一季咲き品種と、四季咲き品種がある。

日なたを好みますが、暑さには弱いので真夏は直射日光を避けるようにする。

土の乾燥を嫌うので、鉢植えなどで土の表面が乾きかけたらたっぷりと水を与えます。

特に夏場は水切れにならないように注意します。




◉クレマチスは垣根や花壇に植えたり、鉢作りで育てますが、庭植えにして放置しておくのがいちばん手のかからないやり方です。

苗は市場に出回る物を購入しますが、早く育てたい方は、少し値段が高くても鉢植えで一年以上作り込んだ物を求めます。

排水のよい場所で、極度の粘土質、砂質地はさけます。

庭植えは、根元が半日陰になる場所に植えて、伸びたツルにはよく日が当たるように誘引します。

株の大きさにより、大きさや深さともに30~40㎝の植え穴を掘り、堆肥や元肥を入れてよく混ぜて植えます。

◉鉢植えの場合、一年苗木なら、5号鉢に一本植えます。

底にはゴロ土を入れ、培養土は小粒の赤玉土、その半分の腐葉土、化成肥料を施します。

ツルを途中で切り詰め、伸びたら再び切り込んで枝づるを増やします。日なたの風通しのよい場所に置き、水やりは多めに行います。

◉挿し木

挿し木するときは、若い枝を数節に切り、葉を取ってバーミキュライトに挿すとよいでしょう。
(5月から6月)









2019/01/31

庭木、花木 2月から3月庭の管理 No,118

★庭木、花木

サルスベリの剪定
花木の類の多くは、花が咲き終わったすぐ後に剪定をしますが、サルスベリは落葉期に行います。

サルスベリの花は、春から新しく伸びた枝の先端に花芽を作り、そのまま夏に開花します。

放っておいても自然に樹形を整えますが、苗が小さいうちから樹形や枝振りを考えながら不要な枝を切っていきます。

庭が広ければ、湾曲しながら横に広がる自然樹形になるように剪定します。

できるだけ前年に伸びた枝の付け根近くの太い位置で切ると、よい枝が出てよい花を咲かせます。

幹で切っても芽が出るので、花つきが悪くなったら幹の太い位置で切って更新します。

これを毎年繰り返すと切り口がこぶ状になるので、その時は周りの枝を残してコブを切り捨てます。

同時に、ひこばえや胴吹き、細い枝など不要枝も切ります。


     「サルスベリの冬季剪定」


①ひこばえは地際で切る。
②胴吹きは切る。
③徒長枝は付け根から間引き切る。
④前年に伸びた枝を付け根から切る。
⑤前年に伸びた枝の半分くらいで切る。

植え付け、植え替え

落葉広葉樹は移植や植え付けの適期です。

ウメ、サクラ類の苗木のほとんどは、根鉢がない状態で売られています。

植え付ける時は、水鉢を作って十分に水を注ぎ、根と土をよく密着させます。(水ぎめ)

★落葉樹や常緑針葉樹などの大きな木は、来年の移植に備えて根回しをします。

立春を過ぎると、マツ類など常緑針葉樹も移植ができるように、根鉢をつけます。


水やり、肥料

2月になると大気とともに土壌も乾燥しがちです。

特に花が咲き始めた花木は、乾燥が続くとよく咲きません。

庭植えでも鉢植えでも、日中の暖かい時間帯に水をやります。

寒肥は2月上旬頃までに施します。

立春を過ぎて開花を始めたり、花芽が膨らんだ花木には、緩効性肥料を施します。


挿し木、接ぎ木

2月中旬から3月上旬にかけては、アジサイ、ウツギ類、モクレン、ユキヤナギ、レンギョウ、イブキ類、スギ、ナンテンなどの落葉性樹木が挿し木の適期です。

また、3月はウメ、サクラ、サンザシ、ハナミズキ、ライラックなどの落葉樹の接ぎ木が行えます。







2019/01/29

家庭果樹2月から3月の管理 No,117

家庭果樹の管理


2月はほとんどの落葉果樹が休眠期なので、剪定の適した時期です。

具体的には、イチジク、カキ、🥝キウイ、🌰クリ、ザクロ、ジューンベリー、ナシ、ナツメ、🍇ブドウ、🍎リンゴ、キイチゴ類、グミ、スグリ、ブルーベリー、ユスラウメなどです。

また、フェイジョア、グァバなどの常緑果樹も適しています。

★鉢植えを新しく仕立てる作業も3月までが適しています。

見栄えをよくするために、花芽のつき方を考えながら自由にデザインして剪定します。

◆あんどん仕立ては、ツル性果樹に、ほうき仕立ては、枝が細く枝数が多い種類に用いる。

スタンダード仕立ては、洋風の玄関などに適しています。

ツル性の種類では、トレリスなどを使って面白いアレンジができます。

◉イチジクの杯状仕立て

2月から3月はイチジクの剪定時期です。

杯状仕立ては、自然に近い形状で樹勢か強く、収穫量が多いということと、風害、凍害にも強いという長所があります。

主枝は3本にし、60センチほどの長さにきります。

★植え付け一年目は枝先を下ろすように斜めに誘引し、主枝を広げていきます。

★二年目には、1メートルほどの長さに主枝を知り返し、数多く分枝するようにします。

★三年目に全体の形を見ながら、よい杯状に仕上げます。

保護

植物に寒風があたって、枝葉の温度が外の気温より低くなると寒害を受けます。

屋外なら、鉢ごと土に埋めると鉢土が乾燥しにくく、冷たくならないので根が保護されます。

◉ウメの人工受粉

ウメの受粉も2月から3月に行われます。

ウメには同じ品種の花粉では受粉しにくい「白加賀」「豊後」などの品種と、花粉が豊富で自家受粉する「鶯宿」「藤五郎」などがあります。


★花粉を持たないか少ない、または自家受粉しない品種は、他の品種と混植するようにします。

複数植えることができない場合は、鉢植えなどで他品種を栽培し、人工受粉します。


          (ウメの人工受粉)
他の品種の花を直接つけて、雌しべに花粉をつける。

花弁を取り除き、雄しべだけにして受粉するとやりやすい。

◉花粉の多くついた花をとり、短い枝についた花のメシベにオシベの花粉を直接つけます。

ひとつの花で約10個の花に受粉できます。

また、アンズ、モモ、スモモ、花ウメの花粉でも授精できます。







2019/01/28

クリスマスローズ(全般) No,116

クリスマスローズ(キンポウゲ科)

地中海沿岸から中部ヨーロッパが原産。

クリスマスの頃に咲くことから名付けられた名前ですが、日本に出回っているもののほとんどは、同属のレンテンローズと呼ばれる種類とその交配種で、2月から3月に開花します。

欧米では、クリスマスローズと言えばヘレボルス·ニゲルという種類をさしますが、日本ではこの両種を区別せずクリスマスローズと呼んでいます。

寒さに強く雪を持ち上げて咲くことから、別名「雪起こし」と呼ばれています。


(1月28日撮影、新芽が出始めている状態)

◆半日陰で風通しのよい場所を好み、高温多湿が苦手で、夏場は直射日光と西日を避けます。


◉本来の花弁は小さな蜜腺に退化していて、直径五センチから六センチの五枚のがく片が、花弁状になったものを花と呼んでいます。

花色は基本的な色や中間色だけでなく、それらが入り混じったものなど、ひとつとして同じものがありません。

花の少ない冬場に開花する、和風にも洋風にも合う花です。

◆古代ギリシア時代には狂気を直す霊薬として用いられるなど、クリスマスローズはその黒い根に魔力があると信じられていました。

俗説によれば、アダムとイブが楽園を追われた時、持ち出したのがこの花だとされ、以来この花は「楽園の思い出」の象徴とする美意識も生まれ、その後文学にも表現されました。


                   (花芽がつき始めた状態)


◉生育管理
植え付けは、9月頃が適しています。

植え穴には、有機質の腐葉土やピートモス、完熟堆肥などをすき込み、化学肥料を施しておきます。

植え穴はなるべく深く耕し、水はけの悪い場所では高植えにするなどして湿気を防ぎます。

夏の高温多湿が苦手なので、冬は日があたり、夏は木漏れ日になる東向きの落葉樹の下が、植え付けに適した場所です。

★コンテナ栽培の場合は、やや大きめのコンテナにし、北向きの軒下などに置くのがよいでしょう。

開花中は、冷たい北風が当たらない日当たりのよい場所で管理。

水やりは、表土が乾いたらたっぷりやるのが基本です。

株が大きくなると花つきが悪くなるので、3年から4年毎に植え替えをして株を更新させます。

★鉢植えの場合、根詰まりしてきたら、一回り大きな鉢に植え替えます。

夏場の植え替えは株が弱るので避けましょう。

◆庭植えの場合、数年経って生育が悪くなった時に、掘り上げて株分けを行います。

◉肥料
鉢植えの場合、液肥を11月から3月の間、月に一回水やり時に与えます。

地植えの場合、10月に緩効性肥料を置き肥します。

◉剪定
花が咲き終わったら、夏場の風通しをよくするために、弱った枝や枯れた枝を切り取ります。

種ができ養分が摂られると、生育に影響するので種ができる前に花柄を取っておきます。

◉殖やし方
株分けは9月下旬から10月中旬に、小さい株を分けたり、細かく分けすぎると花つきが悪くなるので、大株を使用して大きく分けるようにします。

一株に3から4芽つけて分けるとその後の生育がよくなります。

植え付けの時に、根が地上に出ていると枯れてしまうので注意する。

花が終わった後の5月から6月に採取した種をそのまま取りまきにするか、通気性のよい袋に入れ、乾燥しないように土中に埋めるなどして保存。保存した場合は、9月から10月にまきます。

種まき後は、乾燥しないように週1から2回水をやります。

初芽は翌春に出ますが、開花には3年ほどかかります。


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