緑のお医者の徒然植物記

Translate

緑のお医者の徒然植物記

検索結果

2021/01/16

コノハナザクラ(木の花桜)稀少種桜 No,345

 コノハナザクラ(木の花桜)

コノハナザクラとは、日本に自生
する基本野生種ヤマザクラの変種
花は、八重咲きで一つの花に花びらが20枚以上あり、一つの花に雌しべが2本あるものがあり、花が終わると柄の先に2つずつ並ぶように実がつく桜である。

野生種のヤマザクラの八重咲きは
珍しい、自然環境の中で変異した
変種桜である。

三重県東員町には野生のものがあり、トウインヤエヤマザクラの名
で天然記念物に指定され、毎年珍しい花を咲かせてきたが、衰弱が進み推定樹齢80年の桜樹は枯れてしまいました。

この株から取り木した幼木が芽吹き、第2世が大切に育てられている。

この桜は分類学上、コノハナザクラと同種の特徴を持っている。


      (元気だった頃の枯死した桜樹)

三重県いなべ市員弁町にも一本ある、コノハナザクラは4番目に発見が確認された桜で、個人の敷地内にある。

その他、コノハナザクラは京都府亀岡市にも一本存在している。

コノハナザクラはヤマザクラより
少し遅れて4月下旬頃に咲き始める。

花はやや下向きにぶら下がるような姿で咲く。

ヤマザクラ系には、いくつかの品種がある。

ソメイヨシノの遺伝子を調べる
過程で、エドヒガンとオオシマザクラの交配で作られた、ミカドヨシノヤマザクラよりも葉や花が大きいオオヤマザクラ、北海道に多く自生するエゾヤマザクラなどがある。



ベニヤマザクラは、ヤマザクラに
比べて花の色が濃いことからこの名がある。







2021/01/15

ケンロクエンキクザクラ No,344

 ケンロクエンキクザクラ

兼六園菊桜

石川県金沢市にある兼六園は、岡山県にある後楽園、茨城県にある水戸偕楽園と共に、日本三名園の一つとして知られている庭園です。

1985年3月20日に国の特別名勝の
指定を受けている。

ケンロクエンキクザクラは菊咲きの桜で、名前にあるキクは花弁が100〜200枚を超すような品種を意味し、このケンロクエンキクザクラの場合は花弁が300枚を超えることが特徴である。


         (ケンロクエンキクザクラ)

野生種の場合サクラ類は、花弁が5枚であることが普通であるため、このサクラは花弁がとても多い品種と言えます。

その他、菊咲きの品種として

✪新潟県加茂市で発見されたカモノアケボノ(加茂の曙)

✪香川県高松市鬼無に由来する
キナシチゴザクラ(鬼無稚児桜)

✪日本に4本しかないと言う
稀少種桜のコノハナザクラ(木の花桜)三重県員弁郡、京都府亀岡市などが主として知られているが、品種の数としては10数種と余り多くありません。


樹高は3㍍程で、サクラ類としては余り大木ではありません。

園芸品種の場合、原種に比べて小さくなる傾向がありますが、このサクラの場合もそれに当てはまるのかも知れません。

開花期は4月下旬から5月頃


✿兼六園
石川県金沢市兼六町1

もとは加賀百万石大名である前田家の庭園。

長い歳月をかけて形造られ、江戸時代末期に現在の形になったと言われている。

兼六園の名前の由来は

1’宏大=こうだい、ひろく大きいこと

2’幽邃=ゆうすい、景色などが奥深くて物静かなこと

3’人力=じりょく、人の力、それで動くもの

4’蒼古、枯=そうこ、古めかしい中に深い趣きのあるさま

5’水泉=すいせん、湧き出る泉、池や滝など

6’眺望=ちょうぼう、広く遠くまで見晴らすこと

以上の六勝を兼ねる庭と言う意味で江戸時代中期の大名、老中松平定信(1759〜1829)によって命名されたと言われている。

昭和44年に枯死した初代の桜は、
日本に一本しかなかった。

天然記念物として有名であった。

現在の桜はその2代目である。






2021/01/05

2月、バラ🌹の手入れ No,343

 2月バラの手入れ

バラは上旬までは、完全に休眠していますが、中旬を過ぎると芽が
膨らみ始めます。

1’大苗の定植

2月いっぱいは適期です。

2月末に植えても、12月に植えたものと咲く時期は変わりません。

2’移植

まだ移植の適期ですが、掘り上げた時のダメージが回復するのに時間がかかります。


3’鉢植えの土替え、鉢植え

2月いっぱいは適期です。

大苗の鉢植えは、鉢に合わせて根を切り詰める。

鉢に植えたら幹を軽く地面に叩きつけるようにしながら、上下に揺すって土を落ち着かせる。

4’施肥

冬の元肥は上旬までに済ませます。

もし遅れたら、元肥にコーランなどの発酵促進剤を混ぜれば、発酵が早まり、遅れを取り戻すことができます。

5’せん定、誘引

2月いっぱいは適期です。

特につるバラは放置すると手がつけられなくなるので、必ず全部の枝幹のシュロ縄を外して誘引をやり直します。

6’病害虫の防除

石灰硫黄合剤の濃厚液7〜8倍を
散布して越冬病害虫を一掃します。

散布時期はせん定が済んで枝幹を
整理したあとがよいでしょう。

風のない時を選んで丁寧に散布します。

これをやるやらないでは病害虫の発生率が大きく違ってきます。

7’水やり

庭植えの株にはまったく不要です。

鉢植えも、よほど雨が降らない日が続かない限り与える必要はない。

8’繁殖

2月上旬までは接ぎ木の適期です。

それにより遅くなる場合は、上旬に穂木(接ぎ枝)を取り湿らせた状態で、冷蔵庫に入れておけば、3月下旬まで接ぐことができます。




2021/01/01

新年あけましておめでとうございます!


本年もよろしくお願い致します🙏


世界中の皆さんへ
幸多き年であります様に…



2021年1月1日

2020/12/30

ダチュラ (エンジェルス·トランペット)の冬越しNo,342

 ダチュラ

エンジェルス·トランペット

✿コンパクにして冬越し
熱帯原産のため、耐寒性は余り強くありません。

霜が当たると枝先から枯れてきます。

特に寒い地域では、地際まで枯れ込んでしまい、翌年に枝葉が出てきても花の咲くのが遅くなったり、開花しなかったり、最悪の場合は枯れてしまいます。

その為、寒さが厳しくなる前に、
コンパクトにせん定する必要があります。

✪暖地では枝葉を切っただけで

冬越し

霜があまり降りることがない暖かい地域では、枝葉を切っただけで冬越しできます。

太い幹を地面から50〜100cmの高さで切り残して、細い枝葉は根元で切り落とします。

春になって気温が高くなってくる頃には、幹からたくさんの新芽が伸びてきます。

寒冷地ではせん定して残した枝を保護しないと枝から新芽が出ない。




◉保温材を使って冬越し

軽い霜が時々降りる程度の、0℃以下になる日が余りない地域では、寒冷紗で霜よけをするだけで冬越しできます。

0℃以下になって霜が度々降りる
寒さが厳しい地域では、太い幹を
50〜100cm程残して切り戻し、発泡スチロール等の保温材を利用して防寒します。

霜の心配がない5月中旬頃に保温材の囲いを外します。


❆掘り上げて冬越し

北海道のように寒さがとても厳しい地域では、外に植えたままでは

株全体が枯れてしまいます。


株を掘り上げて鉢に植え付け冬越しをします。


枝葉の混み合った部分を切り戻し
鉢のサイズ(直径)程度に掘り上げます。

鉢上げした後は、十分に水を与え
暖かくなり過ぎない玄関等に置いて管理します。

霜の心配がない5月中旬頃になったら、再び庭に植え付けます。

✪鉢植えの冬越し

寒さの厳しくない地域では混み合った枝を切り戻し、寒冷紗を巻いて軒下等に置いて管理します。

寒さの厳しい地域では、室内に取り込みます。

❆挿し木の準備
冬越しのため、せん定した親株の
冬越しに失敗した場合のために、
切り戻した枝を20〜30cmに切り
水を入れた容器に水差しして室内に置いて管理します。

水が減ったらその都度足します。


                         (12月30日水に浸ける)

水差しをしていた枝から春には、たくさんの根が出ている状態になります。



3ヶ月後白い根が出てきた状態ですが、2月頃に取り出して挿し床に挿した方が根の発育が早い。


✻4月頃に、5〜6号の鉢に根を傷めないように注意しながら植え付けます。


                                 (4月3日)
 

せん定後から、水に浸けておいたものを2月に挿し床に挿したものは葉も大きく、根の生育も早い。

春になると、ポット苗や開花株など様々なサイズのものが出回ります。

大きく育てたい人は庭植えにし、
大きくしたくない場合は、鉢植えにして楽しみます。

日光に当てないと徒長したり、花がつかないことがあるので、真夏以外は日差しをたっぷり当てて育てます。

真夏は暑さをやわらげるため遮光を行う必要もあります。

✪北国での主な管理、作業

❆北海道地方
10月中旬が切り戻す適期です。

太い枝を3〜4本残して切り戻し
水やりを控えて休眠状態で冬越しさせます。

生育期に入る前の4月頃になるべく、大きな鉢(直径30cm以上)に植え替えます。

春から秋の生育期には戸外に出して管理します。


❆東北地方
開花期は7月から9月です。
開花中は水切れに注意し、追肥を施します。

花が終わってしばらくした10月に地際から30cm程を残して切り戻します。

その後、室内に取り込み5℃以上で管理します。

冬の間は鉢土が乾かない程度に水やりをします。


❆南国での主な管理、作業

❆九州地方
11月中旬頃までは戸外で、満開を迎える時期です。

その花が終わった11月下旬が、切り戻す適期です。

切り戻したあと、鉢植えの株は日当りの良い軒下や室内へ移動します。

庭植えの場合は、11月下旬に切り戻して、冬越しの準備を行います。

✻関連ブログ
ダチュラ(エンゼルストランペット)
No,264


★昨年年末にせん定した樹がたくさんの花を咲かせていました。


       「2021年9月8日撮影」








2020/12/20

気象条件と植栽 No,341

 気象条件と植栽

植物が健全に生育するためには気温、雨量その年間分布、土壌が
その植物にとって好ましい状態にあることが必要であり、植栽地の
環境がどのような状態にあるのかによって、そこに使用できる職種
が限定されてきます。

植栽を行う上では事前によく把握し、その地に合った植物を選定する必要があります。


✿気温と植栽

植物は種類ごとに生育できる気温の範囲がほぼ決まっています。

一般的にいえば、熱帯性の植物は例外もありますが概ね気温が低い場所では生育生存できず、一方寒帯性の植物は高温には耐えられないものが少なくない。

寒帯性の植物では、種類によりこれ以上南では夏期の高温に耐えられないと言う南限があり、熱帯性の植物ではこれ以上北ではその寒さに耐えられないと言う北限があると言うことです。

南限や北限は人工的に植栽した場所と、自然に生育しているものとではかなり異なります。

南限や北限があるものを植栽分布自然に生育しているものを天然分布といい、植栽分布は天然分布より広いのが普通である。

日本は、アジアのモンスーン地帯に位置し、夏期には高温多湿になりますが南北に細長い島国であるので、冬期は太平洋側は低温で乾燥した気候になり、日本海側は降雪量が多く湿気のある寒冷気候になります。

冬期の気温は、北日本と西日本でかなりの違いがあるので樹木の植栽限界は日本の場合、気温特に最低気温によって左右される度合いが最も強いと言えます。

気温は地方、都市という大まかな地域だけでなく山の南側とか、暖かい海の風がよく吹く範囲とか大木の陰になっている場所とか、建物と建物との間のような所とか、塀の南側と言ったような細かい条件によっても変化し、樹種が育つか育たないかが決まる事もあります。

また、実際に安全であると思われる所に植栽されて育っている場合でも熱帯性の植物は、10数年に1回と言うような寒さにあった場合
枯れてしまうこともあります。

そのことから、その地域に自生している野生化している樹種以外の植物を植栽する場合は、事前に植栽地を調査するなど十分に注意する必要があります。