緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2021/02/13

モミジガサ 山菜 No,373

 モミジガサ キク科

コウモリソウ属 (紅葉笠)
別名=シドケ、キノシタ、シトギ
モミジソウ

春、茎が20〜30cmに伸び、茎先の葉が展開しないものは、山菜として食用される。

日本の山野には数多くの山菜が生育しているが、その中で「山菜の女王」と言われる「モミジガサ」がある。


                                (モミジガサ)


春先の若芽の味わいは、フキノトウ、セリ、ヨモギなど、いくつもの山菜の旨味をいっぺんに楽しめると言う、不思議で優れた山菜。

有名なわりに、食べる習慣がない地域も多く、身近に群生地が隠れていたりする。

葉の形がモミジを思わせ、傘のように開くのでその名があります。

キノシタと言う別名も木立の下、渓流沿いの斜面など、湿った場所を好む性質に由来します。


山菜として楽しむなら、歯ごたえを残すように軽く塩ゆでし、ワサビしょう油、酢味噌などでシンプルに食べたり、磯巻きで風情を味わったりと言うのがおすすめの様です。






2021/02/12

ヤマトリカブト No,372

 ヤマトリカブト 猛毒草

世界的にも類を見ない猛毒草、ヒト経口致死量の推定値は1~2mg
(LD=50値、50%が死亡すると推定される値)

mgは1gの千分の1で摂食すると、猛毒の成分は速やかに血へと浸透し、体内を駆け巡るため、解毒は困難である。

花の姿は有名であるが、若芽を実際に見たことがある人は、なかなかいない。

長年山地の集落に住んでいる人でも、間違えるほど形態の違いは微妙である。


               (ヤマトリカブトの花)

花期は9月から11月

1992年、岩手県でトリカブトを訪花したと思われる、ハチの蜜で中毒事故が起きた事例がある。

トリカブトは深山に育つとは限らず、地域によっては低山や丘陵周辺に生育します。

園芸店で販売されている改良品種も、依然高い毒性があるので注意が必要である。

識別法のひとつに「毛」があります。

主なトリカブト類は、茎に毛がなく、ツルっとして触るとヌメリのような感触があり、葉にも微細な毛以外は殆ど見られません。

他の類似した山菜は、柔らかなうぶ毛や長毛が目立ちますが、どれくらいに毛が生えているのかなど、実際に見てみないと分からないものです。

日本産のトリカブトは約30種と22変種が知られていて、地域や生育環境で微妙な違いが出るため、肉眼での判定はほぼ無理です。


                    (トリカブトの若芽)

研究者の中には、一般図鑑やハンドブックに書かれた識別法について、警鐘を鳴らしています。

特に「ニリンソウ」や「モミジガサ」などはよく似ているので、見分けが難しいため、誤って食べてしまう事故が絶えません。


                     (ニリンソウの花)

✭花の似た有毒植物のイチリンシウ、サンリンソウもあるので要注。


花が見分けるポイントでもあるので、花のない時期に絶対採ってはいけないと、識別法に書くべきです。

写真で見るとまるで違うが、同じ場所に混生すると厄介です。

その様な場所での山菜採りは避けることです。


✺毒性が強いとされるエゾトリカブト

関東にもヤマトリカブトなどが咲きますが、北海道に自生する「エゾトリカブト」の毒性が最も際立ちます。


                 (エゾトリカブトの花)


全草が猛毒であるが、特に根に毒が多く含まれ、この地に住んでいたアイヌ民族は、これを矢の毒に利用してヒグマを捕らえ、生態系の頂点に君臨して来たのだと言う。

戦乱の時代には盛んに用いられ、矢毒や毒殺にも使用された猛毒である。

日本三大毒草であるドクウツギ、ドクゼリ、そしてトリカブトは食用になる野山の山菜によく似ているのです。










2021/02/11

アンズ バラ科 No,371

 アンズ (杏子、杏)

別名=カラモモ 英名=アプリコット

中国東北部が原産地で、多くの品種が作り出され、東洋系品種群と呼ばれています。

これに対して、地中海地方へ運ばれ、現地の気候に適するように改良されたものを、欧州系品種群と呼びます。

東洋系のアンズの果実は、梅が交雑したものが多いため酸味が強く、生食には適さないため、加工用が主ですが、酸味が少なく甘みが強くて、そのまま生食できる欧州系の品種は、加工用にも適している。

しかし、欧州系は夏に雨が多い気候では裂果や灰星病、胴枯れ病などの発生が多く、育てにくいのが難点である。





日本の主産地は、長野県千曲市が日本一の「あんずの里」として知られる。

愛媛、広島など、瀬戸内地方、青森県津軽地方が古い産地である。

米国カリフォルニア州が世界一の産地。

日本に渡来したとされる期日は
不明であるが、平安時代にはすでに
唐桃(からもも)の名で呼ばれていたと言う説がある。

弥生時代以降の遺跡から出土している。

✿生育環境

庭植え、鉢植えで育てられますが、日本に多い東洋系の品種は、耐寒性が強く、雨の少ない気候に適しています。

4月の開花期に雨が少なく、6月から7月の果実生育期に、空気が乾燥している場所が適地です。

甲信越や東北地方など、リンゴの産地と同じような気候が、栽培に向いています。




✿花、冬芽

アンズは花の美しい果樹の1つで、3月から4月の葉が展開する前に、淡紅色の花を咲かせます。

花芽は長さ約4㍉の広卵形
葉芽は花芽より小さい
外側の2個が花芽でその真ん中に葉芽がつく。


             (左右花芽で真ん中が葉芽)


❆果実
直径約3cmの球形で6月に橙黄色(とうこうしょく)に熟す。

縦に溝が入り表面にはビロード状の毛が密生する。




✿収穫の目安

庭植えなら樹高2.5〜3㍍で80〜100果鉢植えなら7〜8号鉢で5〜10果

果実は発育の良いものを残すようにし、摘果を行うと良いでしょう。

✿栽培場所

庭植えは土層が深く、水はけの良い有機物の多い土質で、日当たりの良い場所が適しています。

土質は軽いものより、やや粘土質の方が適しています。

鉢植えは、赤玉土6、腐葉土3、川砂1の混合土に植え、風通しや日当たりの良い場所に置きます。

アンズと言う名がはじめて現れる文献は林道春の(多知識編、1612年)

✿肥料

栄養状態が悪いと、翌年、耐寒性の弱い花が咲きます。

雌しべが褐色に変色したら、不完全花が多くなり、結実が悪くなります。

1月〜2月、株の周囲に溝を掘り、配合肥料を与えます。

9月頃にも追肥として同様に施肥します。

鉢植えは、植え付け1ヶ月後の3月に玉肥を3〜4個根回りに置き肥します。

これを毎年繰り返し、収穫できるようになったら、9月の落葉前に追肥を同様に施します。

✿せん定

放置すると、5〜8㍍の高木になってしまうので、主幹は3㍍ぐらいで芯を止め、小柄な樹形に仕上げます。

幹の上部は毎年伸びますが、新梢は冬に3分の1ぐらいに切り詰めて、誘引して真っ直ぐな主幹に育てます。

側枝葉大きくなり過ぎないように更新し、結果枝(けっかし)の基部まで切り詰めます。

結果枝も3年ぐらいすると長くなり、弱ってくるので切り取り、主幹や側枝に近い結果枝を育てて更新するようにします。

落葉期の冬に樹形を確かめ、主幹の周囲に平均して新しい側枝や結果を配し、枯れ枝や不要枝を間引くせん定を行います。

✿病害虫

発芽直前の3月に、石灰硫黄合剤の20倍液を予防散布します。

また、開花終了後、アブラムシと黒星病の防除に、殺菌剤と殺虫剤を混合し散布します。

✺アンズの用途

果実をシロップ漬け、ジャムなどにする。
ジャム、生食には十分に着色、完熟してから収穫する。

着色の早い果実から2〜3回に分けて収穫するとよい。

干しアンズや瓶詰め用には、全体が黄色に着色し、果実がやわらかくなる前に収穫する。

種子は杏仁(きょうにん)と呼ばれ、咳止めなどの薬用に用いられる。

✻果実酒

アンズ酒
アンズ(果実)1kg
砂糖250㌘
原酒(焼酎35度ホワイトリカー)
3ヶ月から飲用できますが、6ヶ月以上熟成させる方が、味も香りも良くなります。

❆桃源郷と言われるアンズの郷

パキスタンの首都イスラマバードから北へ約700キロ、標高7000m級のカラコルム山脈に桃源郷と言われる、秘境地のフンザ渓谷がある。

奇跡の様に広がる緑豊かな果樹園や、田園風景から「桃源郷」と呼ばれている。

登山家なら一度は訪れたい山々に恵まれ、フンザは登山隊の多くが拠点としている人気の場所である。

毎年3月下旬〜4月上旬にかけて、アンズ、桜、リンゴ、アーモンドがフンザの谷一帯に咲き、この姿はまさに桃源郷のようだと言われ、特に日本人の間で人気がある。

平均寿命は90歳以上と言う長寿の村としても知られ、病気で亡くなる人も少ないと言う。

それは、フンザの人々の食生活が関係すると言われている。

質素な食生活の中で、アンズなどの果実を利用した食文化が、長く続きいている結果であるだろう。

アンズを常食しているフンザの人々には、殆どガンがみられない。

古い時代からアンズの効能を理解し、食生活にとり入れてきたのでしょう。

フンザ関連ブログ
ビワ茶No,150









2021/02/10

沖縄は蘭の宝庫 No,370

 沖縄 亜熱帯県 沖縄ラン


豊かな自然が広がる沖縄は、多種多様な野生ランが自生する、亜熱帯地である。

沖縄は100を超える島々で構成されている自然豊かな所です。

年間平均気温は約22度で、年平均降水量が2000㍉と言う温暖で雨の多い、亜熱帯海洋性気候に属しています。

太古の頃、中国大陸と陸続きであったという地でもあり、様々な条件なども加わって、独特の✫植物相を形成しています。

✫植物相とはフロラとも言われ、特定の限られた地域や水域に分布、生育する植物の全種類をいい、動物相と合わせて、生物相を構成する。

沖縄における植物相の一つの特徴は、そこでしか見ることのできない固有種、亜種や変種が多いことです。

沖縄には、日本国内のラン科植物の約半数が分布していることから、ランの楽園とも言えるでしょう。

また、日本だけではなく中国やマレーシアなどの国外地域と、共通するランが多数自生し、南方系の植物の北限種も数多く見られます。


✿貴重な沖縄ラン

✻着生ラン
植物は一般的に土から生えるものですが、ランの一部種には土を離れて木にくっついて(着生)生活するものもあります。

木に着生するようになってから、根が乾燥にさらされるようになって行く過程で、独自に根を発達(進化)させたのが着生ランですが、栽培環境下でも、根に適度な湿度を保つことが重要です。

✻主な着生ラン種類
イリオモテラン、オオオサラン
オキナワセッコク、カシノキラン
クモラン、コウトウヒスイラン
シコウラン、ナゴラン、フウラン
ボウラン、マメヅタラン、ヨウラクラン


                     (イリオモテラン)

✺イリオモテラン
南西諸島からフィリピンにまで分布
春に開花し、個体によっては芳香がある。


                         (カシノキラン)

❆カシノキラン
日本の暖地から台湾にまで分布。
淡黄色のちいさな花を密に咲かせる


✿地生ラン

地生ランは、薄暗い林床に生えるものと、太陽の照りつける場所に生えるものとがある。

栽培においても、自生している場所と同じ様な環境を作ってあげる事が大切です。

✻主な地生ランの種類
オキナワチドリ、カツウダケエビネ
キバナシュスラン、タイワンエビネ
ナテラサギソウ、ナリヤラン
バイケイラン、ヒメトケンラン


                   (タイワンエビネ)

✻タイワンエビネ
台湾と沖縄に分布。
基本種のエビネとほぼ同じで、ウイルス病に弱い。
器具の殺菌や媒介虫の予防など特に気をつける。


                       (ナリヤラン)

✺ナリヤラン
熱帯、亜熱帯アジアに広く分布。
和名のナリヤとは西表島の成屋に因んで名付けられた。

✪自生環境知ってラン栽培

沖縄の自生ランであるからといって、必ずしも高温性とは限りません。
それぞれのランの自生環境を作ってあげる事が重要です。

沖縄には多くのランが自生していますが、その殆どが絶滅の危機に瀕しているのが現状です。

その原因の多くは、園芸目的の乱獲、採取です。

野生ランが山採り株でないことなど、購入時は確認してほしいと、植物管理財団より植物保護の訴えも上がっています。










2021/02/09

ギシギシ 雑草と言う名の薬草 No,369

ギシギシ タデ科ギシギシ属

ギシギシの仲間たち

全国各地の道端や荒れ果てた土地に、「ギシギシ」は生育する。


                           (ギシギシ)


大きな葉姿が牛が舌を出したように、あっかんべーしている様子に似ていることから、「ウシノシタ」とも呼ばれるが、様々な諸説もある。

ギシギシは重要薬草の一つで、お腹に優しい下剤、或いは解熱、皮膚病の改善、強い抗菌作用が知られる。

その他西洋では「春の強壮剤」として知られています。


ギシギシの根っこを掘れば、なるほどと薬草の風情たっぷりである。


            (エゾノギシギシの根茎)


夏から秋に掘りあげて乾燥させたものを薬用にする。

葉は食用に利用される。

ただ、安易な使用は皮膚病や嘔吐の危険があるのも事実であり、注意しなければならない。

また、ギシギシは「冬の山菜」でもあり、若芽にジュンサイを思わせる食感がある事から、オカジュンサイとも呼ばれます。


エゾノギシギシの新芽、赤矢印


株元の中心から生えてくる、柔らかな新芽の部分はみずみずしく、ヌメリがあり爽やかな酸味で美味。

味噌汁の具やお浸しにして、酢じょうゆや酢味噌と和えて、食しても美味しい。

ただし、痛風や結石の原因となる硝酸を豊富に含むため、よく茹で、よく水にさらして、硝酸をしっかり抜く事が肝要です。

ギシギシは見分ける事が悩みと言える薬草です。

主に食用、薬用とされるのはギシギシ、エゾノギシギシ、ナガバギシギシの3種です。

簡単に見分けるなら、果実の形に注目します。

デベソ的な突起がありますが、ここに✻瘦果が宿る。

✻瘦果(そうか)

果皮が堅い膜質で熟すと乾燥し、一室に一個のの種子を持つもの

タンポポ、菊、キンポウゲなど

多くの被子植物に見られる単純で乾いた果実の一種である。

成熟しても種を飛ばすことはなく、瘦果の種子は果皮に包まれている。

種子と思われていたものが実は、瘦果だったと言う事はよくあることである。

これを取り囲んでいるものを翼(よく)と呼ぶ。

この翼の形を比較すると覚えやすい


                      (ギシギシ)


①ギシギシは翼の回りに浅い鋸歯が並び、翼の下部が尖った三角形を描いている事も見分けるポイントです。


                      (エゾノギシギシ)


②エゾノギシギシは翼の回りが特徴的で、鋭い鋸歯を持ち、数本だけ極端に飛び出しています。


                        (ナカバギシギシ)

③ナカバギシギシは、ギシギシと非常によく似ていますが、鋸歯は緩やかで全縁に近く、翼の下部が丸みを帯びている事に気がつけば、見分ける事ができるでしょう。


ギシギシの3種は以上ですが、他種との交配も盛んであるため、中間種が増え、見分けが困難になっています。

前述したポイントを覚えておけば、見分けるための絞り込みが可能です。

ギシギシは繁殖力も旺盛であるため、栽培植物にとってはとても迷惑な存在です。

けれど、他の雑草に比べたら数も少なく、よく目立つのでわかりやすい。

みずみずしく、爽やかな食感といい、有り難い薬効もありますが、すぐに手を出せぬ薬草です。

ギシギシ君が、「あっかんべー」と
舌を出し、食べて見んねと言うけれど、ギシギシと歯ぎしりするのである。










2021/02/08

原始の地球に生まれた生物の祖先 No,368

 原始の海から生まれた生物の祖先

地球上には多種多様の生物がいますが、動物や植物などを合わせると、約130万種いると言われています。

生物は何を栄養として生きているかで、2つのタイプに分けられます。

⑴植物的な生き方

自分に必要な栄養物を自分で作って生きることで、植物は空気中の二酸化炭素を吸収し、光を使ってブドウ糖やデンプンを作っています。

⑵動物的な生き方

他の生物が作った栄養物を食べて生きることです。

だから、動物は植物や動物を食べます。

人類の周りにある全ての食べ物は、元を辿れば植物が作り出すものです。

地球上に初めて生まれた生物は、当然他の生物の作った栄養物を、食べることは出来ません。

つまり動物的な生き方をすることが出来ません。

その事から地球上で初めての生物は、植物的な生き方をする生物でなければならないと、言うことになります。

しかし、地球上に最初に生まれたのは、自分で栄養を作らない動物的な生き方をする生物だったのです。

その生物は何を食べて生きていたのでしょう?

その答えは、生物が初めて生まれた頃の「原始の海」の中にあります。

原始の海は生物が生きるために必要な栄養のスープ。

約46億年前に誕生した地球に、当時はどんな生物も存在しませんでした。

それから約6億年が過ぎた約40億年前に、地球上のあらゆる生物の祖先となる、最初の生物が誕生したのです。

初めての生物は、原始の海の中で生まれ、その頃の海はアミノ酸などの栄養になる物質が多く含まれていました。

地球上の最初の生物たちは「スープの海」に含まれる栄養物を食べていたのです。

なぜ、植物のいない当時の海に豊富な、栄養物が含まれていたのでしょう?

1953年にアメリカのスタンリー·ミラーが当時シカゴ大学、大学院生の時に行った実験
(ユーリーミラーの実験)
原始生命の進化に関する最初の実験的検証の一つで、いわゆる化学進化仮説の最初の実証実験として知られる。

この実験によって謎が解明されました。

当時の地球では、火山が噴火し、雷が鳴り、稲妻が走っていたと想像されます。

そこでミラーは、その時代に起こった稲妻に見立てて(フラスコA、図)で電気火花を長時間にわたり散らし続けました。


(ミラーの実験装置図)


それにより生成した化合物は(フラスコB)に集まるように工夫されています。

その結果、この様な気体の反応によって多種類のアミノ酸が作り出される事が解ったのです。

アミノ酸は、生物に不可欠のタンパク質を作る物質です。

つまり、地球が生まれてから生命が誕生するまで、約6億年と言うとてつもなく長い歳月をかけて、アミノ酸やタンパク質などの栄養物が蓄積され、やがて海は栄養物のスープの海になって行ったのです。

海の中には糖やミネラルも含まれ、栄養豊かで濃厚なスープであった。

生物の祖先はスープの海で生まれ、増殖して行き栄養物が十分にあったため、自分で栄養物を作る事が出来ない生物も、他の生物が作る栄養物に頼らずに生き続けられたのです。


✿植物の祖先の誕生

しかし、いつまでも栄養豊かなスープの海であるはずもなく、生物が生まれそれを食べ始めると、6億年の歳月をかけて蓄積した、栄養物もやがてつきてしまいます。

そして、30数億年前になると生物たちは、初めて地球規模の食糧危機に直面する事になります。

全ての生物が飢え死にする深刻な危機だった。

ところが、思いもよらぬ能力を持つ生物が出現したのです。

自分で栄養を作り出すことが出来る、植物の祖先の誕生です。

太陽の光を使って、ブドウ糖やデンプンを作り出す能力を身につけた生物たちです。

材料になる二酸化炭素と水は豊富にあり、植物の祖先たちが自分で栄養を作ることによって、動物の祖先はそれを食べて生きて行く事ができます。

こうして、植物の祖先が出現して以来、動物は自分たちの食糧を植物に依存して行くことになったのです。

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