緑のお医者の徒然植物記

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2021/02/12

ヤマトリカブト No,372

 ヤマトリカブト 猛毒草

世界的にも類を見ない猛毒草、ヒト経口致死量の推定値は1~2mg
(LD=50値、50%が死亡すると推定される値)

mgは1gの千分の1で摂食すると、猛毒の成分は速やかに血へと浸透し、体内を駆け巡るため、解毒は困難である。

花の姿は有名であるが、若芽を実際に見たことがある人は、なかなかいない。

長年山地の集落に住んでいる人でも、間違えるほど形態の違いは微妙である。


               (ヤマトリカブトの花)

花期は9月から11月

1992年、岩手県でトリカブトを訪花したと思われる、ハチの蜜で中毒事故が起きた事例がある。

トリカブトは深山に育つとは限らず、地域によっては低山や丘陵周辺に生育します。

園芸店で販売されている改良品種も、依然高い毒性があるので注意が必要である。

識別法のひとつに「毛」があります。

主なトリカブト類は、茎に毛がなく、ツルっとして触るとヌメリのような感触があり、葉にも微細な毛以外は殆ど見られません。

他の類似した山菜は、柔らかなうぶ毛や長毛が目立ちますが、どれくらいに毛が生えているのかなど、実際に見てみないと分からないものです。

日本産のトリカブトは約30種と22変種が知られていて、地域や生育環境で微妙な違いが出るため、肉眼での判定はほぼ無理です。


                    (トリカブトの若芽)

研究者の中には、一般図鑑やハンドブックに書かれた識別法について、警鐘を鳴らしています。

特に「ニリンソウ」や「モミジガサ」などはよく似ているので、見分けが難しいため、誤って食べてしまう事故が絶えません。


                     (ニリンソウの花)

✭花の似た有毒植物のイチリンシウ、サンリンソウもあるので要注。


花が見分けるポイントでもあるので、花のない時期に絶対採ってはいけないと、識別法に書くべきです。

写真で見るとまるで違うが、同じ場所に混生すると厄介です。

その様な場所での山菜採りは避けることです。


✺毒性が強いとされるエゾトリカブト

関東にもヤマトリカブトなどが咲きますが、北海道に自生する「エゾトリカブト」の毒性が最も際立ちます。


                 (エゾトリカブトの花)


全草が猛毒であるが、特に根に毒が多く含まれ、この地に住んでいたアイヌ民族は、これを矢の毒に利用してヒグマを捕らえ、生態系の頂点に君臨して来たのだと言う。

戦乱の時代には盛んに用いられ、矢毒や毒殺にも使用された猛毒である。

日本三大毒草であるドクウツギ、ドクゼリ、そしてトリカブトは食用になる野山の山菜によく似ているのです。










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