緑のお医者の徒然植物記

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2021/02/08

原始の地球に生まれた生物の祖先 No,368

 原始の海から生まれた生物の祖先

地球上には多種多様の生物がいますが、動物や植物などを合わせると、約130万種いると言われています。

生物は何を栄養として生きているかで、2つのタイプに分けられます。

⑴植物的な生き方

自分に必要な栄養物を自分で作って生きることで、植物は空気中の二酸化炭素を吸収し、光を使ってブドウ糖やデンプンを作っています。

⑵動物的な生き方

他の生物が作った栄養物を食べて生きることです。

だから、動物は植物や動物を食べます。

人類の周りにある全ての食べ物は、元を辿れば植物が作り出すものです。

地球上に初めて生まれた生物は、当然他の生物の作った栄養物を、食べることは出来ません。

つまり動物的な生き方をすることが出来ません。

その事から地球上で初めての生物は、植物的な生き方をする生物でなければならないと、言うことになります。

しかし、地球上に最初に生まれたのは、自分で栄養を作らない動物的な生き方をする生物だったのです。

その生物は何を食べて生きていたのでしょう?

その答えは、生物が初めて生まれた頃の「原始の海」の中にあります。

原始の海は生物が生きるために必要な栄養のスープ。

約46億年前に誕生した地球に、当時はどんな生物も存在しませんでした。

それから約6億年が過ぎた約40億年前に、地球上のあらゆる生物の祖先となる、最初の生物が誕生したのです。

初めての生物は、原始の海の中で生まれ、その頃の海はアミノ酸などの栄養になる物質が多く含まれていました。

地球上の最初の生物たちは「スープの海」に含まれる栄養物を食べていたのです。

なぜ、植物のいない当時の海に豊富な、栄養物が含まれていたのでしょう?

1953年にアメリカのスタンリー·ミラーが当時シカゴ大学、大学院生の時に行った実験
(ユーリーミラーの実験)
原始生命の進化に関する最初の実験的検証の一つで、いわゆる化学進化仮説の最初の実証実験として知られる。

この実験によって謎が解明されました。

当時の地球では、火山が噴火し、雷が鳴り、稲妻が走っていたと想像されます。

そこでミラーは、その時代に起こった稲妻に見立てて(フラスコA、図)で電気火花を長時間にわたり散らし続けました。


(ミラーの実験装置図)


それにより生成した化合物は(フラスコB)に集まるように工夫されています。

その結果、この様な気体の反応によって多種類のアミノ酸が作り出される事が解ったのです。

アミノ酸は、生物に不可欠のタンパク質を作る物質です。

つまり、地球が生まれてから生命が誕生するまで、約6億年と言うとてつもなく長い歳月をかけて、アミノ酸やタンパク質などの栄養物が蓄積され、やがて海は栄養物のスープの海になって行ったのです。

海の中には糖やミネラルも含まれ、栄養豊かで濃厚なスープであった。

生物の祖先はスープの海で生まれ、増殖して行き栄養物が十分にあったため、自分で栄養物を作る事が出来ない生物も、他の生物が作る栄養物に頼らずに生き続けられたのです。


✿植物の祖先の誕生

しかし、いつまでも栄養豊かなスープの海であるはずもなく、生物が生まれそれを食べ始めると、6億年の歳月をかけて蓄積した、栄養物もやがてつきてしまいます。

そして、30数億年前になると生物たちは、初めて地球規模の食糧危機に直面する事になります。

全ての生物が飢え死にする深刻な危機だった。

ところが、思いもよらぬ能力を持つ生物が出現したのです。

自分で栄養を作り出すことが出来る、植物の祖先の誕生です。

太陽の光を使って、ブドウ糖やデンプンを作り出す能力を身につけた生物たちです。

材料になる二酸化炭素と水は豊富にあり、植物の祖先たちが自分で栄養を作ることによって、動物の祖先はそれを食べて生きて行く事ができます。

こうして、植物の祖先が出現して以来、動物は自分たちの食糧を植物に依存して行くことになったのです。

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