レンギョウ モクセイ科
別名=イタチハゼ
レンギョウウツギ
落葉低木「連翹」
原産地=日本、中国、朝鮮半島
東ヨーロッパ
モクレン科レンギョウ属の総称。
地面から茂み状の株になり、垂れ下がる枝にびっしりと鮮やかな黄色の花が咲く。
①中国原産=レンギョウ、シナレンギョウ
②朝鮮原産=チョウセンレンギョウ
③バルカン半島原産=セイヨウレンギョウ
④日本原産=ヤマトレンギョウ、ショウドシマレンギョウ
レンギョウの中でも、チョウセンレンギョウがよく栽培されています。
チョウセンレンギョウは樹形が整いやすく、色々な形に仕立てられるので、生け垣や庭の植え込みなど様々な用途に使われます。
江戸時代に渡来し、当時は主に観賞用として栽培されていました。
学名の「Forsythia」は、19世紀初頭にイギリスの王立植物園の監督官を務めた、スコットランドの園芸家ウィリアム·フォーサイスに因んで付けられた。
(ウイリアム·フォーサイス1737〜1804年)
王立園芸協会を設立した人物である。
ウィリアム·フォーサイスは25歳でロンドンに出て、サイオン·パークの公園庭師となり、1763年にチェルシー薬草園で園長のフィリップ·ミラーのもとで訓練を受けました。
その後、ミラー氏の死後監督官を務めた。
菌類による樹木被害を防ぐための、腐朽菌などの侵入を防止するための方法の実験を行い、良質な木材を確保するための功績を遺している。
牛ふんや石灰などを調合した、「フォーサイス塗布剤」の成分を発表した際、1500ポンドの報奨金を与えられている。
✣植え付け
2月から4月又は9月から10月頃に行います。
元肥には石灰と堆肥などを混ぜたものを与える。
日当たりのよい肥沃な土地を好む。
生育力が強く日陰でも育ちます。
また、耐暑性や耐寒性も高く悪環境にも耐えます。
土質も特に択びませんが排水の良い方が適しています。
✫せん定
レンギョウは半つる性の樹で、庭植えのまま放任して置くと大きくなり過ぎるので、毎年せん定を行います。
花後すぐに行い、不要な枝や徒長枝の整理を中心に樹形を整え、新枝を伸ばすと花つきが良くなる。
レンギョウの自然樹形は株立ちで、株元から数本の枝が生えます。
このうち、古い枝は間引いて根元付近で切り取ります。
せん定の適期は1月から2月、5月
12月
✻肥料
樹勢が強いので肥料は少なめに与えます。
寒肥として油かすに骨粉を混ぜたものを埋め込みます。
花後4月から6月まで、化成肥料を少し与える。
8月には追肥として化成肥料を根元にばら撒きします。
✣品種
シナレンギョウは葉が少し出てから花が咲き始める。
チョウセンレンギョウは大形で葉の色が濃い。
日本産のヤマトレンギョウもあるが、花つきがまばらなのであまり知られていない。
開花期は3月から4月頃で、長い花弁の黄色い花をつける。
✫殖やし方
新枝のまだ芽を活動しない2月に切り取り、3月まで土の中に保管しておいてから挿し木する。
枝元の方がよく発根する。
株分けは3月上旬〜4月上旬に行います。
病気
褐斑病
病原体の殆どはカビです。
洋ランのデンドロビウムの褐斑病だけは病原体がバクテリアです。
病にかかったは葉や、病気になって落ちた葉の上で越冬し、翌年の春に風や風に含まれる水滴などに運ばれ、他の植物に水媒感染します。
他に水媒感染のように雨水に病原体が溶け込み、その水が跳ね返ることによって感染することもあります。
発生する時期は5月から10月頃で、特に夏の初めの高温多湿時に多発します。
病気にかかった葉は見つけ次第取り除き処分します。
病葉には直接水をかけないよう気をつけます。
薬剤は発生期から10月頃までダイセン、ダコニール、ベンレートなどを月2回くらいの割合で散布します。
連作したり、管理が悪いと発生しやすくなる。
多湿を防ぐためにいらない古株を冬の間に処分し、せん定して風通しをよくし日がよく当たるようにします。
枝枯れ病
病原体はカビです。
病菌はせん定などで枝を切った切り口や接ぎ木のつなぎ目、枝の傷などから組織に入り込み発病します。
特に徒長枝や柔らかい若枝に発生することが多いのが特徴です。
多湿時に黒い粒状の繁殖器官から胞子を吹き出し、それが風に運ばれ空気感染します。
病気にかかった枝を見つけ次第切り取って処分します。
切り取ったあとの切り口にはトップジンM、石灰硫黄合剤などを塗り、乾いてから墨汁やツナギロウを塗っておきます。
徒長枝や生育不良の枝はせん定します。
他の病気の予防を兼ねて、生育期にマンネブダイセン、エムダイファーを散布するのも効果的です。
害虫
ルビーロウムシ(カイガラムシ)
種類が多く同じカイガラムシでも様々な形態をしています。
樹液吸汁害だけでなく、カイガラムシの排泄物により「すす病」を併発します。
幼虫の時期なら殻がまだまだ出来上がっていないので、スミチオンなどを散布して駆除します。
成虫になると薬剤は浸透しにくいため、効果があまり出ないので捕殺します。
また、冬場なら冬期使用限定薬剤のマシン油乳剤が使えるので、成虫でもこれで駆除できます。
カイガラムシは風通しが悪く、日当たりの悪い所を好むので、普段から適度に枝の手入れをして、風通しをよくしてやると害虫減るのですす病の発生も無くなる。
花つきが悪くなる原因
花つきが悪くなる原因の多くは、せん定時期の誤りと考えられます。
レンギョウの開花までの年間サイクルは、花後の4月下旬から新梢を伸ばし、7月から8月頃に新梢に花芽を形成し、翌春に花を咲かせるというものです。
当然秋以降に刈り込めば翌春の花は減ります。
しかし、生育力が強く大きくなり過ぎるため、無計画に刈り込んで花つきを悪くすることが多いようです。
せん定は花後を中心として行い、秋以降は徒長枝や弱い枝を切る程度にします。
また、レンギョウのような株立ち性の樹は、株が古くなると花つきが悪くなるのでこのような場合は、株元まで切り戻して株を更新します。
レンギョウの薬効
果実は芳香があり舐めるとわずかに渋みがある。
果実は完熟する前の秋に採取され、茶褐色になるまで日干ししたものが生薬のレンギョウです。
シナレンギョウの成熟果実とともに生薬レンギョウには、チフス菌、パラチフス菌、大腸菌、緑膿菌などのグラム陰性菌、その他グラム陽性菌に対して強い抗菌作用がある。
また、消炎や利尿、解毒薬など吹出物、皮膚病などに応用されている。
花を日干ししたものを煎じて服用すると、利尿、高血圧などの予防に良いと言われている。
漢方薬の原料にも利用されています。