バイオームとは
植物を外から見たときの外観上の特徴を相観と言い、相観の特徴を分類したものを「バイオーム」と呼び、生物群系とも言う。
バイオームは気温と降水量によって決まる。
A図「降水量と平均気温」
熱帯多雨林の代表的植物
つる植物、ヒルギ、マングローブ林
年間平均気温20℃以上
年間降水量2000㍉以上の高温地帯
「オヒルギ」
ヒルギ科マングローブ植物、マングローブという名前の植物はいません。
マングローブというのは、熱帯の海や川が繋がる気水の干潟のような場所に生息する植物の総称です。
マングローブの代表的な種類はヒルギ類で、国内に生息するのは全部で3種の①ヤエヤマヒルギ②メヒルギ③オヒルギです。
主な生息地は沖縄です。
亜熱帯多雨林の代表的植物
ビロウ、ヘゴ、ソテツ、アコウ、ガジュマル
年間平均気温18℃以上
年間降水量1300㍉以上
「ヘゴ」
ヘゴ科の常緑性大形の木性シダで、世界の熱帯から亜熱帯に約800種類が分布し、大きなものは野生では高さが最大7〜8㍍にも達します。
山仕事で、弁当のお箸を忘れた時によく代用としてヘゴ箸を作っていたものです。
雨緑樹林の代表的植物
チーク、タケ
雨季には葉をつけ、乾季には落葉する。
雨季と乾季のある熱帯、亜熱帯地域である。
「チーク」
チークはクマツヅラ科の落葉広葉樹で、チークはマホガニーと並ぶ優良高級材として、様々な用途に用いられる。
病害虫にも強く、天然の油性分があり、オイルやニスで手入れしなくても耐久性がある銘木です。
タイ、ベトナム、インドネシアなど東南アジアの地域に分布しています。
チーク(teak)というのは英名で、タイではマイサック(maisak)ミャンマーではチューン(kyun)フランスではテック(teck)と呼ばれるなど、広い地域で親しまれていることがわかる。
マホガニー、チーク、ウォールナットは世界三大銘木とされている。
硬葉樹林の代表的植物
オリーブ、コルクガシ
夏に雨が少なく、冬に雨が多い地中海沿岸地域
葉が小さく硬いのが特徴である。
硬葉樹林は非常に微妙な位置にあり(A図)だいたい照葉樹林と夏緑樹林の間の下の辺りである。
「オリーブ」
オリーブはモクセイ科の常緑高木で、実が食用油の原料や食用、化粧用になるため広く栽培されている。
海外ではイタリア、日本では小豆島がオリーブの産地として知られている。
夏緑樹林の代表的植物
ブナ、ミズナラ
夏に葉をつけるが秋には落葉する。
年間平均気温5〜15℃
年間降水量1000㍉の冷温帯
「ミズナラ」
ミズナラはブナ科コナラ属の落葉広葉樹
温帯の落葉広葉樹林の代表的な樹種である。
材に水分が多く含まれ、燃えにくいことから水楢と呼ばれる。
針葉樹林の代表的植物
シラビソ、コメツガ、トウヒ、エゾマツ
トドマツ
年間平均気温、−5〜5℃
年間降水量1000㍉前後の亜寒帯
「コメツガ」
コメツガはマツ科ツガ属の常緑高木
小さな葉を米に見立ててこの名がある。
亜高山帯では純林を作り、背丈が高いが高山帯では、ハイマツなどとともに1㍍程にしか育たない。
サバンナ(熱帯草原)の代表的植物
イネ科の草本、木にならない植物。
樹林は点在し、大木も存在する。
イネ科はおおよそ700属と8000種が属する被子植物単子葉類の大きな科である。
世界中で広く分布し、古くは禾本(かほん)科
又は、ホモノ科とも呼んだ。
オオムギはイネ科の穀物、中央アジア原産で世界で最も古くから栽培されていた作物の1つです。
小麦よりも低温や乾燥に強いため、ライ麦と共に小麦の生産が困難な地方において、多く栽培される。
「燕麦、エンバク」
エンバクはイネ科カラスムギ属に分類される一年草で、その種子は穀物として扱われる。
「円麦」という漢字や「えんむぎ」という読み方は誤りで、英語名の「oat」からオートムギ、オーツ麦、オートとも呼ばれ猫草、ウサギなどの食草にも利用されている。
ステップ(温帯草原)の代表的植物
イネ科の草本
夏は乾燥し、冬は低温になる温帯。
草本が主で大木はない。
砂漠(乾燥荒原)の代表的植物
サボテン 多肉植物
年間降水量200㍉以下の極端に乾燥している地域
「サボテン」
サボテンはサボテン科に属する植物の総称。
北アメリカと中央アメリカを中心に200種以上ある。
その多くは多肉植物であるため、多肉植物の別名として使われることがあるが、サボテン科以外の多肉植物をサボテンと呼ぶのは誤りである
棘(とげ)の部分は葉や茎が変化したものであると考えられている。
ツンドラ(寒冷荒原)の代表的植物
地衣類(ちいるい)、コケ類
「コケ」
コケの体には根がなく、水分や養分は体の表面から吸収します。
コケは普通、たくさんの個体が集まって生えており、それが水分を保持するのに役立っている。
体の作りは簡単で水分や養分を運ぶ構造や水分の蒸発を防ぐクチクラはない。
地球で地上に最初に誕生した植物とされる。
照葉樹林の代表的植物
シイ、カシ、クスノキ、ツバキ、タブノキ
年間平均気温13〜20℃
年間降水量1000㍉以上の温暖地
✫クチクラ層が発達した光沢のある葉を持っている。
✫クチクラ層とは
一般的に動植物の表面を覆う層(丈夫な膜)で、水分の蒸発を防いだり内部の保護の役割を果たしている。
英語でキューティクル、日本語で角皮とも言う。
「ツバキ」
多くの園芸品種はヤブツバキが基本種となっていて、ツバキと呼ばれることも多い。
日本の照葉木を代表する樹木の1つで、主に東北地方以西の海沿いの地域や、山地に幅広く自生している。