シラカバ カバノキ科 「白樺」
別名=シラカンバ 落葉高木
北海道、本州(福井、岐阜以北) 千島、サハリン
東シベリア、朝鮮半島、中国に分布する。
北半球の温帯や亜寒帯に約50種あり、日本には11種が自生する。
高原を代表する木で群生して白樺林をつくる。
標高1500㍍付近まで分布し、日当たりの良い場所を好む。
山火事跡や崩壊地などはいち早く侵入し、生長も極めて早い樹である。
高さは30㍍に達する落葉樹で、樹皮が雪のように白いのが特徴。
樹皮は薄く、紙のように剥がれる。
林道わきなど樹木が伐採され、太陽の光が充分に差し込むようになり、しかも土壌が露出しているような場所が更新の敵地です。
これを天然更新技術として、林業に応用したのが✫「掻き起こし」です。
✫掻(か)き起こしとは
ブルドーザによる掻き起こし作業
天然木の種子が地表に落下した場合に、容易に発芽や活着ができるようにするために、地表のササ等をブルドーザなどで取り除いて、畑のような状態にしてやる事を掻き起こしと言う。
苗木の生産経費や植え付けの人件費などが不要で、最小の経費で済ませる事ができる利点がある。
木の性質が枝を上に向かって真っ直ぐに伸ばす高木性のため、広い庭に適している。
成木は幹が白く美しい、樹形も自然形がよく他の木とは混植は避けたい。
植え付けは秋に植えると枝枯れが多く見られるので、なるべく春に植える方がよいでしょう。
また、排水の悪い土は嫌うのでその場合は、火山灰土で客土する。
日光不足は木によくないので、日当たりを考えて植えます。
葉が多く茂らない木なので、単植でなく数本ずつまとめて植えるとよいでしょう。
管理、手入れ
落葉性高木の自然形を基本に考えて、あまり移植しないようにする。
夏の乾燥期には敷き藁などで保護します。
一般的な庭木のように日常の手入れを考える前にまず、植え方や植える場所をよく考えて、あとは自然のままに育てるようにします。
肥料
もともとが産地に自生する樹種ですので、特別に施肥を考える必要はありません。
しかし、シラカバが好む火山灰のような土は、排水が良過ぎるので、むしろ土の乾燥防止や通気性を重視します。
そのためには、根元には乾燥防止のためと栄養補給を考えて、完熟堆肥を冬に株元に埋め込みます。
シラカバの施肥は、堆肥や腐葉土などの有機質肥料を与えていくので、速効性の強い化成肥料は与えないようにするのが注意点です。
せん定
自然のままの姿が美しい樹なので、なるべく自然樹形にします。
幹の先端を切り詰めることは避け、混み合った枝を間引く程度に止めます。
切り口にはツギロウなどを塗り保護します。
せん定時期は11月下旬頃から12月です。
株元に出てくるヒコバエは、植物にとって不要な若い枝で、ヒコバエを放置しておくと主幹の栄養を奪い、生長や樹勢が悪くなるので出てきたら、その都度地際で切り取ります。
白樺の樹液効能
ホワイトバーチウォター
白樺の樹液は胃に優しく、解毒効果と利尿作用に優れ、血液をサラサラにする効果も期待されると言われている。
また、肌の細胞には欠かせないアミノ酸やミネラルに加え、保湿機能が高いキシリトールも豊富に含まれているため、美肌効果も期待されています。
「ネクスト·ココナッツウォーター」とも呼ばれ、海外のセレブやモデルの間で静かなブームになっていると言われています。
北欧や東欧、ロシアでは1000年も前から健康に良いとされ、白樺を「森の看護婦」や「母なる木」と呼び、白樺の樹液を健康のために飲んでいました。
フィンランドなどでも春先に白樺の樹液を飲む風習がある。
特別な木として扱われ、世界各地で民間療法に役立てられてきた。
日本ではアイヌ民族が「タンニワッカ」と呼び、神からの贈り物として利用してきた。
また、モンゴルの一部では、樹皮に呪文を書いて護符として身につける風習があったとされる。
フィンランドのサウナ風呂では、葉のついた小枝を束ねて、身体を叩く習慣があり、血行を促進して健康になるとして、サウナには欠かせないアイテムになっています。
その他にも様々な効能がある。
イボが無くなったとか、老人性のシミが消えてしまったなどの報告があります。
そのような事から研究も行われ、化粧水、保湿クリームなどの化粧品も開発されている。
白樺は樹木全体が薬の木でもあったのです。
民間療法では、便秘、利尿、健胃、痛風、リウマチ、関節炎、腫れ物、湿疹、天疱搶(てんぽうそう)など、様々な効果があるとされています。