緑のお医者の徒然植物記

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2021/05/09

シイ ブナ科 No,460

 シイ ブナ科  常緑高木  「椎」

別名=イタジイ、ナガジイ
原産地=本州中南部、四国、九州
南限は屋久島、済州島

シイはスダジイ、ツブラジイなどの総称で、シイと一般に呼ばれているものは、スダジイが多くその他にツブラジイ(コジイ)がある。

スダジイは生食できる果実が、椎の実と呼ばれ親しまれている事からシイノキの名もある。

海岸付近の山野に多く群生し、高さ20㍍、直径1㍍程になる。

樹皮は黒褐色で大木になると縦に深い割れ目が入る。

ツブラジイの樹皮は滑らかなので区別がつく。

よく分枝して花が満開になるとこんもりとして、丸みのある樹形になる。

公園樹、庭園樹、防火、防風樹として利用されている。

雌雄同株で、5月から6月頃の花期には強い香りを発散する。

果実は翌年の秋に成熟する。

材は建築材、器具材、船舶材、薪炭材、パルプ、シイタケの原木として利用される。


                                      「スダジイ」


ツブラジイ
果実に丸みがあるのでこの名がある。

別名の「コジイ」は果実がスダジイと比べると小さい事に由来する。

ツブラジイもスダジイも生食でき、昔は両方を含め「シイノキ」と呼んだ。

日本の照葉樹を代表する種で、丘陵地や山地に自生する。

両種の雑種を「ニタリジイ」と言う。


                                      「ツブラジイ」

生育環境

肥沃な土壌と温暖な気候を好むが、樹勢が強く土質や日照をそれほど選ばない。

大木を移植する場合は必ず根回しを行う。


肥料

肥料はほとんど必要ないが、堆肥、油かす、鶏ふん等を施せば生育は良好となる。

重大化する病害虫はないが、うどん粉病には水和硫黄剤、ベンレートを散布。

害虫にはスミチオン、カルホスを散布する。

殖やし方

10月頃に実生で殖やす。
乾かすと発芽が悪いので採り播きにする。

挿し木は6月頃に行う。

植え付け、移植時期は4月から6月頃
せん定は5月から6月頃と10月から11月


主な天然記念物、巨樹

堂形のシイノキ  国指定天然記念物

所在地=石川県金沢市広坂2-1





高見のシイの木  市指定天然記念物
推定樹齢約1000年

所在地=静岡県伊東市八幡野