緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2021/05/16

トベラ No,467

 トベラ トベラ科 常緑樹

別名=トビラノキ  「扉」

本州四国、九州、沖縄、朝鮮半島、台湾、中国の沿岸地域に分布

節分に戸口にさして鬼祓いした風習から、扉の木、トビラ、トベラと変化した名である。

枝葉を切ると独特の悪臭を発散する。
枝葉や根を焼くとさらに悪臭が強くなることから、かまどで炊くのを嫌う。

かまどの神(荒神様=台所の神として祀られる)も嫌うということから、地方によってはオコウジンキライ(御荒神様嫌い)と呼ばれている。

海岸地域に生え、高さ3㍍程になる常緑樹で、葉は厚く光沢があり縁はやや裏側に反る。

枝先に5弁の花をびっしりと咲かせ、花は咲き進むに従って白から黄色へと変化する。

枝や葉には独特の臭気があるが花には良い香りがある。

香りをどのように感じるかは、国々で千差万別である。
例えば、悪臭と感じる国もあれば良い香りと感じる国もあると言うことです。

沖縄にはよく似た「リュウキュウトベラ」が分布しているが、リュウキュウトベラは小笠原諸島に分布する白トベラの変種に当たり、葉が大きく花柄が長いと言う特徴がある。



                            「リュウキュウトベラ」



暖地性の植物で、根の性質が粗く乾燥を嫌うことから移植には向いていないので苗から育てる。

どうしても移植が必要な時は、半年以上前から根切り(根まわし)をして、細根を株元に出させてから行います。

時期は寒さの心配がなくなる4月中旬から5月頃に行うのが適しています。


                                       「トベラ」

病害虫

カイガラムシとアブラムシの発生がある。

これらの害虫は、樹勢を衰えさせるので注意が必要です。

すす病の発生の原因は、カイガラムシが養分を吸汁した後の排泄物によりすす病を誘発しますが、それだけではなく病気発生の原因にもなるので、こまめに発見し駆除する事が大切です。

予防として、冬期の1月から2月に機械油乳剤20倍液の散布が効果的です。

尚、機械油乳剤や石灰硫黄合剤は冬期使用限定薬剤ですので、それ以外の使用は禁物です。
薬害の原因になりますので使用期間を厳守しましょう。


また、害虫の発生する春以降はスミチオンやオルトラン水和剤を、葉や幹などに散布し害虫退治を行います。


生育、環境

萌芽力があまり強くないので、刈り込み仕立てには向かない樹木ですので、自然樹形で育てた方が無難です。

雌雄異株で5月から6月に白い花を咲かせ、秋に球形の実がなります。

11月頃に実が裂けて赤色の種子が出てきます。
繁殖する場合は実生で、この種子を翌年春になってから種まきし殖やします。


肥料

2月と9月の年2回、化成肥料と油かすを混ぜ根元にばらまきます。

肥料を直接地面にばらまく時は、その木の枝の伸び具合を観察し、枝の先端の真下辺りと、その枝の伸びた真下辺りまでばらまきます。

たいていの根が真っ直ぐ下に伸びる「直根性」の樹種の場合は、移植を嫌うことが多いので根元にばらまくだけでよいでしょう。


せん定

自然樹形で育てるので、7月から8月に徒長枝やとび枝をせん定しますが、どちらかというと樹勢が弱い木なので強いせん定は避けます。

枝が大きく乱れる場合は、枝を切り詰め、根まわししてから植え替えを行い育て直します。


トベラの薬効

解毒作用、生理不順、皮膚病などに用いる。
寄生性の皮膚病には枝葉を突き潰して患部に塗布、あるいは煎液で患部を洗う。






2021/05/15

カナメモチ No,466

 カナメモチ  バラ科 常緑樹

別名=アカメモチ  「要黐」

原産地=本州(東海地方以西)四国、九州
中国南部、東南アジア

アジアとアメリカに60種ほど分布し、日本には3種が自生する。

山地の斜面に多く、乾燥した尾根筋や沿海地、沢沿いにも自生する。

名前の由来は、モチノキに似ていて材が扇の要に使われたからとする説があるが、異説もあるようだ。

新葉が赤く美しい事からアカメモチの別名がある。

自生の樹を見る機会は少ないが、ヒョロヒョロ伸びて高さ5㍍程になる。

「枕草子」に出てくる「ソバノキ」は本種のことで、花をソバの花に見立てたものと言う。

寒さにあまり強くなく、根が粗くて細根の少ない樹である。

日当たりのよい乾燥しない土質を好み、やや暖地性で一般に生け垣として利用されていますが、刈り込みも強いので色々な仕立て方ができる。

しかし、寒さには弱いので関東地方より北では生育は困難です。




病害虫

褐斑病(かっぱんびょう)が発生する。

病気になると、葉に淡褐色の斑点が現れ次第に大きく広がり黒ずんできます。

褐斑病は春の異常低温や長雨など、気象の変化が激しい時などに発生しやすい病気です。


新葉の色が赤色のため見つけにくいですが、よく観察すると小さな斑点がポツポツと出てきて、次第に大きく広がり重症になると葉が黒くなり枯れてしまいます。

予防対策として、ベンレート水和剤を新芽の伸びる時から、月に1〜2定期的に散布します。

害虫はハマキムシが発生します。

ハマキムシは体を新葉でくるりと包み込むように巻いて、その中に潜み新葉を食害するので葉の全体をよく観察して、一匹でも見つけたら必ずほかに何匹もいるので要注意の害虫です。


アブラムシも新葉の伸びている柔らかい部分に固まって発生します。


ハマキムシはオルトラン水和剤を散布します。
発生期間が長いので、春から秋まで定期的に葉を中心に薬液をかけるようにします。

アブラムシ類にはオルトランのほかにスミチオンも利用できます。

植え付け、移植

垣根に新しく植え付ける場合は、ポット仕立ての苗を購入し、スコップで植え穴を掘り腐葉土をよく混ぜて、2年生の苗なら約30cm間隔くらいで植え込みます。

また、長年植えたままの樹を移植する時は前年に根切をして、細根を出させてからでないと上手く活着しません。

この場合、腐葉土類をすき込んで大きめの植え穴に水を、たっぷり入れてから植え込みます。
(水ぎめ法)

枝葉は全体に切り詰めておきましょう。
植え付け、移植時期は4月から5月頃が適しています。


肥料

2月頃に鶏ふん又は油かすに骨粉を2〜3割混ぜて埋め込むか、リン酸カリ分の多い化成肥料を根元に穴を掘って埋め込む程度で十分です。

多過ぎないように注意します。


施肥の注意点

樹木に肥料を与える時には、分量や与える場所に注意が必要です。

肥料は植物の根を通して樹全体にその栄養を送り込みますが、肥料の成分が多過ぎたり強過ぎたりすると、肥料焼け(負け)を起こします。

そうならない為にも、適量の肥料を最適な場所に与えるようにしましょう。


せん定

樹形が出来上がっている樹や生け垣は、新梢の伸び具合を見て軽く頻繁にせん定を行うようにします。

また、古い生け垣で下枝が枯れ上がって見苦しい場合は、全体を深く切り取って新芽を発生させます。

新梢の赤い葉を年に2回楽しみたい時は、3月下旬に一回と8月下旬に一回の年に2回、刈り込みをするとそれぞれ美しい葉色が出て楽しむことができます。


✫関連ブログ
カナメモチ No,240





2021/05/14

ヨモギ No,465

 ヨモギはキク科の多年草  

「艾、蓬」ヨモギ属

日当たりのよい野原や道端などに群生し、初秋に地味な花をつける。

風媒花のため多量の花粉を飛ばす。

春の若芽は食用になり天ぷらにして食べても美味しい。

餅に入れられることから別名「モチグサ」とも呼ばれる。

お灸の艾(もぐさ)、漢方薬の原料になるなど利用価値がある。

ヨモギは約400年前の中国漢方生薬のバイブルである「本草綱目」にも記載されるほど薬効も他よりはるかに優れている。

冷え症に効果があることから、古代より婦人科薬として使用されていました。

「日本薬局方」にも民間薬として記載されており、公的にもその効能は認められている。


日干しにすることで艾葉(がいよう)になります。
ガイヨウはヨモギの葉や枝先を乾燥したもので、漢方的には止血、止痛の効果があり、食欲不振や冷えによる腹痛、出血、流産の予防などに用いられます。

沖縄でヨモギは「フーチバー」と呼ばれ、野菜や薬草として考えられていて、風邪を引いた時に雑炊(ぞうすい)にして食べるようです。

ヨモギは薬酒や薬草風呂、化粧品にも使われています。

陰干ししたヨモギと砂糖をホワイトリカー(焼酎)に一ヶ月漬けるとヨモギ酒になります。

ヨモギ酒は咳止め、痰(たん)切り、止血の効果があるとされています。



薬効の基本は、緑色でわかるクロロフィル(葉緑素)にあります。

クロロフィルには殺菌作用、身体の免疫を強くする✣インターフェロン増強作用があります。

✣インターフェロン(サイトカインの一種)

動物体内で病原体や腫瘍細胞などの異物の侵入に反応して、細胞が分泌するタンパク質のこと。


医薬品としては、ウイルス性肝炎等の抗ウイルス薬として、多発性骨髄腫等の抗がん剤として用いられている。



更に皮膚疾患、火傷などの回復促進作用悪臭を防ぐ働きなどもあります。

また、カルシウムも豊富なのでカルシウム不足からくる自律神経失調症、不眠、イライラなどを沈静化される効果も出てきます。

腰痛、関節痛は冷やす事が禁物ですが、ヨモギには精油が含まれているので、ヨモギ風呂にして入浴すると血液の循環がよくなり、汗もよく出て身体も温まり、腰痛や関節痛、肩こりによく効くということです。

お湯は捨てずにまた熱くして入浴すると、一層効果的です。

皮膚病にも効果があり、しみ、ニキビ、白髪、ふけ症、イボなどの改善症例の報告も多い。

ヨモギは日干しより陰干しの方が精油を逃さない。


✿ヨモギ茶の作り方

最も葉の勢いのある5月から6月頃の若葉を摘み取り、水洗いして水切りした後、細かく刻んでザルに入れ、風通しの良い場所で一週間程日干しする方法と、日向に2日〜3日干し、そのあとフライパンでから炒りすると、香りが引き立つ。



急須にヨモギ茶を入れ、熱湯を注いで飲むか、大さじ3〜4杯を約600ccの水に入れ、1〜2分沸騰させ茶漉しでこして飲む。

漢方薬だけにそのままでは香りなども強い。
飲みづらい場合はハトムギなどを入れると飲みやすくなるほか、はちみつを入れたりブレンドして飲んでもよい。

ヨモギ茶は乾燥剤などと一緒に密閉容器で保管する。

                              「乾燥中」


医学的に検証されている効能

アトピー性皮膚炎、アレルギー、胃炎、胃痛

胃弱、腹痛、イボ、うおのめ、たこ、おでき

吹出物、ニキビ、ガン、白血病、関節痛、腰痛

高血圧、しみ、そばかす、白髪、育毛、神経痛

心身症、ノイローゼ、心臓病、頭痛、ぜんそく

ダイエット、脳卒中、脳梗塞、動脈硬化

皮膚炎(かゆみ、湿疹)フケ、かゆみ、老化防止


✣関連ブログ
ヨモギ薬草 No,383






2021/05/13

シラカバ No,464

 シラカバ  カバノキ科  「白樺」

別名=シラカンバ  落葉高木

北海道、本州(福井、岐阜以北) 千島、サハリン
東シベリア、朝鮮半島、中国に分布する。

北半球の温帯や亜寒帯に約50種あり、日本には11種が自生する。

高原を代表する木で群生して白樺林をつくる。

標高1500㍍付近まで分布し、日当たりの良い場所を好む。

山火事跡や崩壊地などはいち早く侵入し、生長も極めて早い樹である。

高さは30㍍に達する落葉樹で、樹皮が雪のように白いのが特徴。

樹皮は薄く、紙のように剥がれる。

林道わきなど樹木が伐採され、太陽の光が充分に差し込むようになり、しかも土壌が露出しているような場所が更新の敵地です。


これを天然更新技術として、林業に応用したのが✫「掻き起こし」です。


✫掻(か)き起こしとは

ブルドーザによる掻き起こし作業
天然木の種子が地表に落下した場合に、容易に発芽や活着ができるようにするために、地表のササ等をブルドーザなどで取り除いて、畑のような状態にしてやる事を掻き起こしと言う。

苗木の生産経費や植え付けの人件費などが不要で、最小の経費で済ませる事ができる利点がある。


生育環境

木の性質が枝を上に向かって真っ直ぐに伸ばす高木性のため、広い庭に適している。

成木は幹が白く美しい、樹形も自然形がよく他の木とは混植は避けたい。

植え付けは秋に植えると枝枯れが多く見られるので、なるべく春に植える方がよいでしょう。

また、排水の悪い土は嫌うのでその場合は、火山灰土で客土する。

日光不足は木によくないので、日当たりを考えて植えます。

葉が多く茂らない木なので、単植でなく数本ずつまとめて植えるとよいでしょう。


管理、手入れ

落葉性高木の自然形を基本に考えて、あまり移植しないようにする。

夏の乾燥期には敷き藁などで保護します。

一般的な庭木のように日常の手入れを考える前にまず、植え方や植える場所をよく考えて、あとは自然のままに育てるようにします。

肥料

もともとが産地に自生する樹種ですので、特別に施肥を考える必要はありません。

しかし、シラカバが好む火山灰のような土は、排水が良過ぎるので、むしろ土の乾燥防止や通気性を重視します。

そのためには、根元には乾燥防止のためと栄養補給を考えて、完熟堆肥を冬に株元に埋め込みます。

シラカバの施肥は、堆肥や腐葉土などの有機質肥料を与えていくので、速効性の強い化成肥料は与えないようにするのが注意点です。


せん定

自然のままの姿が美しい樹なので、なるべく自然樹形にします。

幹の先端を切り詰めることは避け、混み合った枝を間引く程度に止めます。


切り口にはツギロウなどを塗り保護します。
せん定時期は11月下旬頃から12月です。


株元に出てくるヒコバエは、植物にとって不要な若い枝で、ヒコバエを放置しておくと主幹の栄養を奪い、生長や樹勢が悪くなるので出てきたら、その都度地際で切り取ります。


白樺の樹液効能

ホワイトバーチウォター

白樺の樹液は胃に優しく、解毒効果と利尿作用に優れ、血液をサラサラにする効果も期待されると言われている。

また、肌の細胞には欠かせないアミノ酸やミネラルに加え、保湿機能が高いキシリトールも豊富に含まれているため、美肌効果も期待されています。


「ネクスト·ココナッツウォーター」とも呼ばれ、海外のセレブやモデルの間で静かなブームになっていると言われています。

北欧や東欧、ロシアでは1000年も前から健康に良いとされ、白樺を「森の看護婦」や「母なる木」と呼び、白樺の樹液を健康のために飲んでいました。

フィンランドなどでも春先に白樺の樹液を飲む風習がある。

特別な木として扱われ、世界各地で民間療法に役立てられてきた。

日本ではアイヌ民族が「タンニワッカ」と呼び、神からの贈り物として利用してきた。

また、モンゴルの一部では、樹皮に呪文を書いて護符として身につける風習があったとされる。

フィンランドのサウナ風呂では、葉のついた小枝を束ねて、身体を叩く習慣があり、血行を促進して健康になるとして、サウナには欠かせないアイテムになっています。

その他にも様々な効能がある。

イボが無くなったとか、老人性のシミが消えてしまったなどの報告があります。

そのような事から研究も行われ、化粧水、保湿クリームなどの化粧品も開発されている。

白樺は樹木全体が薬の木でもあったのです。

民間療法では、便秘、利尿、健胃、痛風、リウマチ、関節炎、腫れ物、湿疹、天疱搶(てんぽうそう)など、様々な効果があるとされています。








2021/05/12

カシ No,463

 カシ ブナ科 常緑高木  「樫」

カシはアラカシ、シラカシ、ウバメガシなどのカシ類の総称です。

原産地=本州(新潟、福島県以西)四国、九州

北半球の亜熱帯から温帯地域にかけて自生する常緑樹で、約200種があるが、日本にはアラカシ、シラカシ、イチイガシなどの10種余りが温暖地域に自生している。


アラカシ(粗樫)
葉がやや大きく鋸歯が粗いのでこの名がある。
樫とはカタギ(堅い木)のことです。

西日本では山麓に普通に見られるカシ類で、高さが15㍍以上になる。
アラカシは葉裏に毛が生えているのが特徴。

日本以外に済州島、中国、台湾、東南アジア、ヒマラヤに分布する。

主に山野に自生するがスダジイやツブラジイと混生することもある。

材は器具材、建築材、薪炭材、パルプ、シイタケの原木などに利用される。



四国の一部の地域では樫の実を砕いて煮て✫「樫豆腐」を作る。

✫カシ豆腐(かしきり豆腐)は樫の実(ドングリ)で作る豆腐の事で、朝鮮半島から伝わったとされ、韓国では「トトリムッ」と言って今でも食べられている。

日本では高知県安芸市、安芸川上流域のみに残る伝統食品の一種、貴重な文化財であり、昔から耕作地の少ない山間地の重要な食材だったとされる。

昔はかしきり作りは主に、留守を守る年寄りの仕事であったようです。

                                                   「カシ豆腐」

シラカシ(白樫)
材は淡紅色だがアラカシと比べると淡いのでこの名がある。

山野に生えるが低い山に多く、平野部ではこの木ばかりが純林を作ることもある。

西日本では川沿いに多く見られる。
高さは20㍍、直径80cm程になる。

関東地方などでは防風林として家の周りに植えられる。
葉の形は個体差が多いが、一般的に幅が狭いものが多く鋸歯はあまり目立たない。

日本以外には済州島、中国中南部に分布する。

材はカンナの台や金づちの柄、器具材、建築材、船舶材、シイタケの原木などに利用される。



生育環境

寒地での栽培は不向きである。

丈夫な樹木であり、栽培上難しいことはないが、大木の移植には根回しが必要です。


肥料

ほとんど必要ないが、やせ地では有機質肥料や化成肥料を施す。


病害虫

うどん粉病

主に葉身に発生し、次第に広がって葉面全体が白粉に覆われる。

冬に石灰硫黄合剤を散布して越冬病原菌を防除するほか、生育期には水和硫黄剤、キノキサリン系剤、ベノミル剤、チオファネートメチル剤、トリアジメホン剤、ミルディオマシン剤などを用い、新葉展開期から6月末までに月2回程度散布して予防、まん延防止を図る。


アブラムシ、マイマイガの幼虫が発生した時はダイセン、スミチオン、カルホス等を散布するとよい。


殖やし方

一般的には実生による。(10月頃)
実生は乾かすと発芽が悪いので採りまきにする。

植え付け、移植時期は3月中旬から5月中旬
せん定時期は4月から5月頃と10月から11月。


主な樫の木の巨樹、天然記念物


万畑(まんばた)の千年カシ 
別名=関家のカシ

所在地=茨城県常陸太田市赤土町



一ノ宮の白樫
所在地=滋賀県長浜市木之本町大音453




西の樫の木  村指定天然記念物

所在地=長野県下伊那郡大鹿村鹿塩西











2021/05/11

ウイルスに対する野生植物の重要性 No,462

 ウイルスに対する植物の効能

世界中で様々な影響が報告されている、新型コロナウイルス感染症ですが、こうした感染症拡大の原因として、土地利用の転換や森林破壊による、人と野生動物が接触する機会が増えています。


その様な状況下で新型コロナウイルス感染症の拡がりが、野生植物を脅かしているという報告があります。


コロナウイルスの治療を目的とした、植物の利用が増加していると言うのである。

これまでに野生植物は薬用の利用目的として世界中で広く利用されています。

現在、知られている世界の野生植物は約39万種とされ、そのうち6万種が医療目的として利用されていると推定されています。

約3000種は国際的にも取引され、その60〜90%が野生由来であるとの試算もあります。

この野生植物の採集に携わるのは、他の方法で収入手段を持っていない農村地域の人々で、主に子どもや高齢者と言った人たちで、その多くは女性です。

また、どの植物のどの部分をいつどれくらい採集するべきであるかのすべは、伝統的な知識に基づいたものです。

例えば、関節炎やリウマチの治療に使用されるゴマ科の「デビルズクロー」の、約90%を供給すナミビアでは、約3000〜5000人がこの収穫による収入に頼っているのです。


✿デビルズクロー

デビルズクローは南アフリカ及び東アフリカ原産で、砂漠に自生するゴマ科の多年草植物。

悪魔の鉤爪と言われる。

固いトゲのある実がなり、このトゲが野生動物たちを苦しめるが、特にライオンを餓死されてしまう事から「ライオン殺し」として知られている。

その事から「ライオンゴロシ」という名が付けられたと言われる。
学名はハルパゴフィツム




1958年にこの植物が、強い抗炎症の働きを持つことが証明されて以来、デビルズクローの薬用利用が広まった。


野生植物の利用を持続可能なものにするためには、野生の薬用植物を過剰に採集して良い訳がありません。


また、薬用植物を栽培することで、野生動物による農作物への被害が多発している地域では、重要な収入源となっています。


野生植物の持続可能な利用は、環境や貧困の問題を考える上でも大切な課題である。



野生植物の需要が中国、タイ、インド、ボリビア、マダガスカルなどで増加し、その中には政府が推奨している例もあるようです。


野生の植物を持続可能な形で利用するための仕組みがフェアワイルドです。

採集や取引、利用の際に守るべき基準とその基準を満たした原料製品の為の「認証制度」を提供している。

フェアワイルド·ファウンデーションは、2008年に設立された、「生態学的植物の保全」「社会的フェアトレードと労働条件」「経済的持続可能なビジネス」を融合した基礎となる考え方に基づいて運営されています。


原産地と消費地を結ばフェアワイルドの仕組






✿精油とウイルスの関係

香水の原料であるハーブや精油には「抗ウイルス作用」の成分が含まれている事が多い。

精油とは、植物の花や茎など様々な部分に含まれている天然成分100%のオイルです。

精油=エッセンシャルオイルのこと。


新型コロナウイルスのような深刻な感染症の可能性がある場合、精油が持つ効果を最大限に活用する必要がある。

それは、精油は一般的にも幅広い人気がありますが、香りを楽しんだり、リフレッシュしたりできるという点に加え、健康面でのメリットもたくさんあるからです。

精油の香りを嗅ぐだけで、生理的に身体に良い影響をもたらします。

例えば、心拍数や血圧、目の機能を改善する効果があります。

多くの研究で精油の香りは、精神生理学的に良い効果があると示されています。


つまり、ストレスや情緒不安定な状態を素早く解消できる、と言うことが証明されているのです。

✿抗菌剤、抗ウイルス剤としての精油の働き

免疫機能は、健康な身体の維持と有害な病原菌からの保護の両方に働く、とても複雑な機能ですが、心身の状態によってはその機能が十分に働かないことがあります。

そこで、精油のような自然療法が身体の免疫応答を改善し、体のバランスをよくするのです。

精油には数多くの種類があり、全てが同じように働くわけではありません。


新型コロナウイルスのような深刻な感染症の場合は、精油を少しずつ利用することが重要です。

精油がウイルスを弱体化されるメカニズムについてはまだ明確に示されていませんが、間接的に免疫機能を高める事に繋がる事は否定できません。

効果的な精油の1例として、ペパーミント、ユーカリ、松葉、ジュニパーベリーがあります。

これは、呼吸器系に効き、呼吸経路を開いて呼吸機能を改善します。

抗ウイルス剤、抗菌剤、去痰薬としても有効です。

更に、密閉空間での周囲の空気を浄化する効果もあることから、他の病気からの回復を促進します。

また、精油を使用する理由は精油に含まれる✣「芳香分子」が病原菌に機能しやすく、病原菌の働きを抑制しやすいためである。

精油には、体内に侵入する細菌やウイルスを弱める芳香分子が多く含まれています。

また、病原菌は一度に一つの芳香分子のみにしか対抗できないという特徴があります。

精油が新型コロナウイルスの治療法として、確立しているわけではありません。

しかし、ウイルスの感染経路や増殖に繋がる可能性のある、病原菌を抑制できる精油はあります。

植物は様々な侵入者から防護するために、精油を生み出すのである。


✣芳香分子

芳香分子は原子と呼ばれる小さな粒からできています。

原子が共有結合により集まっものが分子です。

精油を構成する原子は主に炭素(C)水素(H)酸素(O)の3つから出来ています。

原子は他の原子と結合して、様々な芳香分子を作り出しています。

香りの成分の正体はこの分子なのである。

分子と分子の間には自然に引き合う分子間力があり、その力により分子が集まった状態のものが液体や固体です。