緑のお医者の徒然植物記

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2021/05/14

ヨモギ No,465

 ヨモギはキク科の多年草  

「艾、蓬」ヨモギ属

日当たりのよい野原や道端などに群生し、初秋に地味な花をつける。

風媒花のため多量の花粉を飛ばす。

春の若芽は食用になり天ぷらにして食べても美味しい。

餅に入れられることから別名「モチグサ」とも呼ばれる。

お灸の艾(もぐさ)、漢方薬の原料になるなど利用価値がある。

ヨモギは約400年前の中国漢方生薬のバイブルである「本草綱目」にも記載されるほど薬効も他よりはるかに優れている。

冷え症に効果があることから、古代より婦人科薬として使用されていました。

「日本薬局方」にも民間薬として記載されており、公的にもその効能は認められている。


日干しにすることで艾葉(がいよう)になります。
ガイヨウはヨモギの葉や枝先を乾燥したもので、漢方的には止血、止痛の効果があり、食欲不振や冷えによる腹痛、出血、流産の予防などに用いられます。

沖縄でヨモギは「フーチバー」と呼ばれ、野菜や薬草として考えられていて、風邪を引いた時に雑炊(ぞうすい)にして食べるようです。

ヨモギは薬酒や薬草風呂、化粧品にも使われています。

陰干ししたヨモギと砂糖をホワイトリカー(焼酎)に一ヶ月漬けるとヨモギ酒になります。

ヨモギ酒は咳止め、痰(たん)切り、止血の効果があるとされています。



薬効の基本は、緑色でわかるクロロフィル(葉緑素)にあります。

クロロフィルには殺菌作用、身体の免疫を強くする✣インターフェロン増強作用があります。

✣インターフェロン(サイトカインの一種)

動物体内で病原体や腫瘍細胞などの異物の侵入に反応して、細胞が分泌するタンパク質のこと。


医薬品としては、ウイルス性肝炎等の抗ウイルス薬として、多発性骨髄腫等の抗がん剤として用いられている。



更に皮膚疾患、火傷などの回復促進作用悪臭を防ぐ働きなどもあります。

また、カルシウムも豊富なのでカルシウム不足からくる自律神経失調症、不眠、イライラなどを沈静化される効果も出てきます。

腰痛、関節痛は冷やす事が禁物ですが、ヨモギには精油が含まれているので、ヨモギ風呂にして入浴すると血液の循環がよくなり、汗もよく出て身体も温まり、腰痛や関節痛、肩こりによく効くということです。

お湯は捨てずにまた熱くして入浴すると、一層効果的です。

皮膚病にも効果があり、しみ、ニキビ、白髪、ふけ症、イボなどの改善症例の報告も多い。

ヨモギは日干しより陰干しの方が精油を逃さない。


✿ヨモギ茶の作り方

最も葉の勢いのある5月から6月頃の若葉を摘み取り、水洗いして水切りした後、細かく刻んでザルに入れ、風通しの良い場所で一週間程日干しする方法と、日向に2日〜3日干し、そのあとフライパンでから炒りすると、香りが引き立つ。



急須にヨモギ茶を入れ、熱湯を注いで飲むか、大さじ3〜4杯を約600ccの水に入れ、1〜2分沸騰させ茶漉しでこして飲む。

漢方薬だけにそのままでは香りなども強い。
飲みづらい場合はハトムギなどを入れると飲みやすくなるほか、はちみつを入れたりブレンドして飲んでもよい。

ヨモギ茶は乾燥剤などと一緒に密閉容器で保管する。

                              「乾燥中」


医学的に検証されている効能

アトピー性皮膚炎、アレルギー、胃炎、胃痛

胃弱、腹痛、イボ、うおのめ、たこ、おでき

吹出物、ニキビ、ガン、白血病、関節痛、腰痛

高血圧、しみ、そばかす、白髪、育毛、神経痛

心身症、ノイローゼ、心臓病、頭痛、ぜんそく

ダイエット、脳卒中、脳梗塞、動脈硬化

皮膚炎(かゆみ、湿疹)フケ、かゆみ、老化防止


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