緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2021/06/06

ロウバイ No,488

 ロウバイ ロウバイ科

別名=カラウメ  「蠟梅」

原産地=中国  落葉低木

日本へは江戸時代初期に渡来しました。
日当りと排水のよい腐植質に富んだ場所に適し、風と西日を避けられあまり乾燥しない湿地がよい。

耐寒性が強く、北海道から九州地方まで広く栽培される。

樹勢が強く刈り込みもできるが、生長が少し遅く放任していても株立性の自然樹形になる。

冬の一番寒い時期に花が咲くので、北風の当たらない場所を選んで植える。

1月から2月頃に芳香のある黄色い花が咲き、花が終わると✫花床が大きくなって長さ3cmほどの長卵形の偽果になる。

✫花床(かしょう)とは花托の事で、頭花の小花をつける所で、花弁や雌しべ、雄しべなどを支えている部分のこと。


偽果の表面は木質化し、先端には雄しべなどが残り、中には✫そう果が5〜20個入っている。

✫そう果とは単純で乾いた果実の一種で、熟してもこの実は開かない。


他の花に先駆けて花が咲くので、庭木や花材として珍重される。

                                 「ロウバイ」

代表品種

ソシンロウバイ、マンゲツロウバイ、トウロウバイ


                               「ソシンロウバイ」


                             「マンゲツロウバイ」


                              「トウロウバイ」


生育環境

移植を嫌うので植える場所をよく選んで植栽します。

植え付け移植時期は2月から4月と11月から12月が適しています。

古株になるとヒコバエが発生しやすくなり、樹形を乱すほか樹勢が衰える原因にもなるので、早めに切り取ります。

せん定は1月、4月、10月から11月頃で強せん定はしない。

自然樹形でよく、花つきが悪くなった古枝を根元から切り取ります。

害虫

アブラムシが発生することがあります。

早めに発見して駆除するためには、日頃からアブラムシの寄生しやすい葉の部分を中心に観察します。

駆除には薬剤のスミチオン乳剤1000倍液を使い、主にアブラムシが寄生する葉の部分や幹、枝にも散布します。

肥料

1月から2月頃に堆肥を主として、少量の過リン酸石灰を混ぜ、株周りに穴を掘り埋め込みます。

目安として、堆肥2〜3kg過リン酸石灰200〜300g以内


追肥として、5月から6月と9月に油かすに化成肥料を混ぜ、株周りにばら撒きします。

目安として、油かす500〜1Kg化成肥料500g


殖やし方

接ぎ木、3月に行う。
植え替え時期は翌年3月に行う。

株分け、3月に行う。
株分けして鉢上げしたものの、植え替え時期は9月から10月に行う。

ロウバイの効能

数多くの薬効があり、生薬名を蠟梅花(ろうばいか)と言い、花、つぼみを用いた薬です。

ロウバイにはアロマ効果もあり、精神の安定作用や空気の浄化など免疫を上げる効果もあると言われています。

香りを放つことから香水や化粧品の香料としても利用されるなど、様々な利用がなされている。









2021/06/05

マルメロ No,487

 マルメロ バラ科  落葉樹

原産地=アジア中西部

別名=セイヨウカリン、カマクラカイドウ
マルメロ属はマルメロのみ1属1種である。

名前はポルトガル語のmarmeloに由来する。

マルメロの歴史は古く、ヨーロッパを中心に栽培されていました。

日本には1634年寛永(11年)に中国から長崎に渡来したという記録がある。

以降、各地で栽培され民間療法に用いられてきた植物です。

マルメロ生産のトップはトルコで、日本国内の生産地は長野県諏訪地方で、全国シェアは90.2%を占めている。


カリンとほぼ同じく耐寒性が強く、本州中部の高冷地から関東より北の東北地方に多く栽培される。

地方によってはマルメロとカリンは混同されているが、カリンとマルメロを比較すると、カリンは樹高が高く、葉に鋸歯があり果実の表皮に毛がありません。

実を採る目的では、東北地方南部から以西で栽培され、乾燥気味の所を好みます。

在来種の他に、スミルナ、オレンジ、チャンピオンの品種があるが、市販の苗では区別ができない。




生育環境

日当たりがよく、夏に通風のよい土層の深い排水のよい場所を好みます。

高木性で移植は難しいので、植え付ける時には場所をよく選ぶ必要があります。


植え付け

植え付けは12月から3月に行います。

植え穴は大きく掘り、腐葉土と堆肥を多めに埋め込み、水はけと保水を良くして乾燥を防ぐことが大切です。


人工授粉

自家受粉する植物ですが、実どまりを良くするために筆で人工授粉をします。

開花時期は4月から5月頃で、結実時期は10月から11月頃です。


肥料、施肥

実のなる成木でもあまり多く与える必要のない果樹です。

元肥には、実をよくつけるために鶏ふんとリン酸カリ肥料を主として、冬期の12月から2月に株周りに埋め込みます。

チッ素は与えないようにします。

せん定

主幹仕立てに向く果樹なので、樹高2.5〜3㍍くらいに仕立てます。

使用する苗は接木苗にします。

植え付け後一年目の冬には、50〜60cmで先端を切ります。

2年目の冬には主幹になる枝を2〜3本残し、上部の枝を約3分の1切り詰めます。

3年目の冬には新梢を切り詰め、不要な枝を切り落として樹形を整え始めます。

四年目以降には樹幹によく日が当たるようにせん定して、風通しをよくします。

不要な枝を切り結果母枝を残すようにせん定します。

翌春には伸びた一年枝に開花、結実します。

樹勢が強いので幼木の時から、新梢を切り低木に仕立てる方がよい。

実を採る目的では、主幹仕立てかホウキ仕立てが適している。


病気

黒星病が発生します。
春から秋にかけて葉の裏側に丸い毛羽立った病斑ができ、次第大きく広がり変色して穴が空きます。

予防を兼ねて春からジマンダイセン500倍液、パイレントン水和剤1000倍液を月に2〜3回、葉全体を中心に散布し駆除します。


マルメロの利用

マルメロはカリンと同じく、風邪予防や咳止めなどの効能があるとされ、生のままでは渋くて食べられないので、ハチミツ漬けやマルメロ酒などにします。

ジャム、シロップ煮などにして食べますが、しっかりと熟している方が香りも強いので十分に熟したものを使います。







2021/06/04

バンジロウ (グァバ) No,486

 バンジロウ フトモモ科

別名=グアバ  熱帯性常緑樹
原産地=カリブ海諸島を含む熱帯アメリカ

日本では沖縄、小笠原、九州南部まで露地栽培ができるが、それ以外の地域では冬期の寒さを考え温室栽培が必要です。

果実は生食のほか、ジュースとしても有名で、ジャムなどにも加工されています。

また、樹皮は薬用、葉は茶の代用にされます。

開花は気温など条件が整えば周年開花します。

花には芳香があります。

果実は栽培品種によって大きさはまちまちで、果実の重さにも幅があります。



生育環境

冬の最低気温が5〜6℃以上で、実の付き方は前年枝から出た新梢の基部の、2〜5節の葉の元に花芽がつき実がなります。

花は5月から6月に咲き、レモン型の小果が8月から10月に結実する。

熱帯や亜熱帯地方の植物なので、極端な低温を嫌います。

よって、冬期は温度管理に注意して生育する必要があります。

目安として気温が10℃以下になると、木や果実の成長が停止したり実が落果します。

また、代表品種のキミノバンジロウやテリハノバンジロウ(ストロベリーグァバ)
は、やや耐寒性が強く、一時的には5℃から7℃まで耐えることがありますが、この場合は霜に当てないようにする事が必要です。


植え付け

植え付け時期は、3月中旬から4月が良いのでこの時期に行います。

有機質を多めにすき込み、土中の温度を高めにして根の張りを良くします。

庭植えとしては、日当たりと排水の良い土質ならよく生育も早く若い枝をどんどん伸ばし、自然形が盃状に仕立てます。


せん定

植え付けて一年目の背丈は50cmぐらいで切ります。

2年目の冬には、伸びた新梢を3分の1ぐらい切り詰めます。

3年目の冬には、枝を三方に分けて盃状にし、新しい枝は柔らかいので支柱に結びます。

4年目の冬は、大体の樹形を整え、長く伸び過ぎた枝を切り詰めます。

結果母枝を多くつけるようにし、樹高は2.5㍍ぐらいで芯止めします。

バンジロウの花は主に、新梢に着果します。

この新梢を多く発生させる事が多くの花を咲かせ、実をたくさんつけさせることになります。


肥料、施肥

収穫後に有機質を主体として油かす、骨粉などにリン酸カリ分の多い肥料を少量混ぜ、株周りに穴を掘り埋め込みます。

追肥(4月)は化成肥料をばら撒くか、油かすを株元に埋め込みます。

成木の施肥量目安とし、堆肥2〜3kg、油かす1kg、骨粉300g、化成肥料200g以内とします。

殖やし方

とり木、さし木、接ぎ木のいずれかの方法で行います。

グァバの利用の仕方

グァバの実は、卵形、球形、西洋ナシ形など色々ありますが、いずれも完熟すると黄色になります。

グァバの成分にはビタミンCやペクチンが多く、生食、ジュース、ゼリーの原料として利用され、また葉はグァバ茶として利用され、高血圧患者の血糖値を低下させる効果があります。

日本では、沖縄や奄美大島を中心に在来種があり、ハワイ系統や台湾系統の品種も導入されています。

ハワイ系統の品種には、ビタミンCの含有が特に豊富ですが、酸味が強いためジュース用に加工されることが多いようです。

また台湾系の品種は、酸味が少ないので生で食べるのに向いています。

栄養豊富なフルーツですので、温度管理に注意しながら植栽しましょう。






2021/06/03

ナツメ No,485

 ナツメ  クロウメモドキ科

原産地=中国からアジア南部の乾燥地帯

ナツメは中国では最も古くから栽培されている果樹の1つで、品種改良も進んでおり、大果やタネなし種など約400種の品種があると言われています。

日本では小果をつける1種類のみです。




生育環境

全国殆どの地域で栽培でき、耐寒性、耐暑性ともに強く、日当たりや排水の良い乾燥気味の場所を好みます。

高木性で成長が早く、放って置くと大きくなり過ぎるので注意します。


植え付け 3月

苗木を植え付けてから、3年から4年で結実するようになります。

強い湿度は嫌うので、地下水が地表に近い所にあると樹勢がよくならず、結実しなくなります。

植える場所は乾燥気味の所を選び、更に植え穴には堆肥を多めにすき込んで、水はけが良くなるようにします。


肥料、施肥

12月から2月の間に鶏糞に油かすを混ぜ、少量の化成肥料を加えて、株周りに穴を彫り埋め込みます。

成木の場合、鶏ふん1〜2kg、油かす1kg以内、化成肥料500gを目安に与えます。

あまりたくさんの量は必要ありません。

鉢植えは、3月に玉肥を4〜5個置肥します。


せん定    3月

主幹形仕立てにしますが、樹高を低くするため高くなった枝は切り戻して更新します。

一年枝に開花結実するので間引きせん定し、内部まで日当たりや通風をよくしてやります。

鉢植えも主幹仕立てにしますが、結果枝が多数発生するので、基部から間引きして樹形を整えます。

庭植え
一年目にはまだ背丈が低いので、切り詰める必要はありません。

2年目になるとかなりよく成長し枝を出しますが、その冬には細かい枝などが自然に脱落します。

3年目にはよく新梢を伸ばし、葉も茂ってきます。

その冬には樹高3㍍で樹芯を止めて、大体の樹形を整えるようにして、徒長枝や混み合った枝は間引くようにして、木の内部に日光がよく当たるようにします。

翌年充実した結果母枝から出る新梢に開花し、結実します。

毎年2月下旬から3月に古枝や混み合った枝を切り詰め、幹近くより出る結果母枝を伸ばすようにして、樹高も3㍍くらいで止めて、手入れのしやすい状態を保ちます。


鉢植え
一年目の落葉期に残っている枯れ枝を全て切り除きます。

2年目の生育期(3月〜10月)に支柱を立てて主幹を固定します。

2年目の落葉期に細い枝は脱落します。
主幹と枝先を切り詰めます。

翌春発芽したら、3〜4葉の時に枝を1〜2本残してその他は切り取ります。


害虫

ナツメコガ
稀にナツメコガが発生する時があります。

ナツメコガは実に発生する害虫なので、実の部分を観察して発見します。

8月から9月が発生の時期で、初期にはディプテレックス1500倍液を7日から10日おきに、実の部分を中心に2〜3回散布し防除します。


ナツメの効能

熟した果実は生食したり、干してお菓子などの材料として利用されるほか、漢方薬の生薬「大棗」(たいそう)として、通経、利尿、関節炎、腰痛、不眠症、貧血、精神安定などその他多くの効果があります。

また、「生姜」と組み合わせる事で免疫力を高めたり、副作用の緩和などを目的に多くの処方に配合されています。

ナツメの葉に含まれている「ジジフィン」と言う物質には、甘みを感じなくする作用があり、葉をしばらく噛んだあとに砂糖などの甘み成分を含んだ食べ物を口にしても、甘みを感じなくなります。

甘みを感じる舌の先の「味蕾」の働きを阻害するため、甘み食品への「食欲減退効果」が期待されます。


ナツメ酒

作り方は人それぞれですが、ナツメの実を一昼夜乾燥させてから漬け込む方法と、乾燥せずにそのまま漬け込む方法などがある。

氷砂糖の量も好みです。
100〜200g程度を目安にすればよいかと思います。

ホワイトリカー1800㍑25度〜35度

好みで、レモンの皮をむいて輪切りにして漬け込んでもよいでしょう。(レモン4〜5個)

1ヶ月から2ヶ月、冷暗所で保存し飲むことができますが、熟成する程にまろやかなお酒になるようです。

状況によっては漉(こ)してから飲用しましょう。

また、ストレートで飲みにくい場合はお好みで他の果樹酒とブレンドすると飲みやすくなるようです。







2021/06/02

リンゴ No,484

 リンゴ バラ科 落葉果樹

原産地はアジア西部からヨーロッパの辺りと言われている。

現在、日本で栽培されているリンゴは明治時代に欧米から入り、品種改良を進めたものです。

りんごは非常にポピュラーな果物ですが、中には有名な3大リンゴというのがあり、聖書のアダムとイブのリンゴ、ニュートンのリンゴ、そしてウィリアム・テルのリンゴだそうです。


リンゴは耐寒性が強く、関東地方より南の夏の暑さには弱い果樹です。

庭木としては育ちますが、果実を取る目的なら関東以南では適していない。

現在では中部高冷地や東北、北海道地方が主な生産地となっている。




生育環境

日当たりと排水の良い土質であればよく、かなり大型の木になるので広い庭に向く。

りんごの特徴として、自家不結実性が強く、自分の花粉では実がつきにくい、同時期に開花するほかの品種の花粉をもらえる木が近くにある場合は別として、もう一本他の品種の木を植えるようにして栽培します。

4月頃に開花したら人工受粉を行い、5月には実つきを良くするために摘果します。

結実して膨らんだ花のうち、中心の2つほどを残して摘み取ります。


肥料、施肥

東北地方や寒い地方では、収穫後雪などが積もる前に肥料を施します。

一般的には12月から2月頃に、堆肥に鶏糞、油かす、骨粉などにリン酸カリ分の多い化成肥料を加えたものを、株元に穴を掘り埋め込みます。

植え付け時期は12月から3月


せん定

果実を採る目的では、盃状仕立てが収穫も多く管理も容易です。

しかし、この方法は面積も広く必要としますので、一般家庭には向きません。

6月頃に徒長枝、混み枝、垂下枝(すいかし)を整理します。

11月頃には長く伸びた枝を切り詰めます。
長さは10芽ほど残します。


病気

黒星病
病斑は果実と葉で若干の違いがあります。

果実の病斑は暗褐色のかさぶた状です。

葉の病斑は円形で周囲がはっきりせず、ススのようなカビが生えます。

病気の部位は取り除き処分します。

病葉は翌春の発生源になるので、落葉も残さずに処分します。

予防として6月初旬にベンレートやオーソサイドを散布します。


モリニア病
幼果が褐変して腐る。

病果は落ちて干からび、翌春の発生源になるので埋没処理します。

被害は新葉や花にも発生し、最後には全体が褐変し、萎れて腐ります。

新葉では褐色の斑点ができ、葉脈に沿って拡がります。

予防として、新芽展開期にサイプレックスなどを散布します。


炭そ病
葉、枝、果実に発生します。

葉の症状は、はじめに暗褐色の円形の病斑が現れます。

病状が進むと灰白色となり病斑に小さな黒い粒を生じます。

雨が降ったあとや湿度が高い時に、この黒い粒から鮭肉色の粘液を出します。

梅雨の6月から7月、秋の長雨が続く9月から10月に多発します。

病気にかかった葉や枝は見つけ次第処分します。

発生の多い6月から7月、9月から10月には月に1〜2回の割合で、ダイセン、マンネブダイセン、ベンレートなどを散布します。

樹勢を弱めると発病するので寒害、日焼けなどに気をつけて樹勢を強く保つようにしましょう。

また、風通しが悪いと病気になりやすいのでせん定して通風をよくします。

うどん粉病
温度が高く夜間の湿度が高い時に多く発生します。

新芽や若葉わ茎などがうどん粉をまぶしたようになり、全体に広がります。

日当たりと通風を良くすることがポイントですが、病気発生の初期からはベンレート2000倍液を枝葉に散布します。

赤星病(さび病の一種)
春から初夏にかけて葉の裏に毛羽立った丸い病斑ができ、次第に広がります。

ジマンダイセン500倍液を月に2〜3回散布し、被害を受けた葉の状態がひどい時は摘み取って処分します。


害虫

ハマキムシ  (4月から9月頃に発生)
数枚の葉を綴り合せてその中に潜み、新芽や葉を食害します。

発生期間が長く極めて雑食性の強い毛虫の仲間です。

被害を受けた葉を見つけ、葉を開くか葉ごと除去して捕殺します。

薬剤が直接かかりにくいので効果は低いですが、スミチオン、アセフェードなどは多少効果があります。

グンバイムシ   (年間を通じて発生)
夏に多く発生する吸汁性の害虫で、高温と乾燥を好みます。

葉の裏につき、一年に何回も発生するので厄介な害虫です。

害虫の確認ができたら、薬剤は1〜2週間おきに2〜3回散布します。

マラソン、アセフェート、ホルモチオンなどが適しています。

風通しの悪いところを好むので、枝の手入れをして通風を良くすることです。

葉に病気のように白い斑点が出るので、病気と間違えないように注意して、葉の裏を確認しましょう。


日本最古のりんごの木

日本最古のりんごとは、青森県つがる市に生育するセイヨウリンゴの古木3本の呼称である。

1878年(明治11年)に栽植された苗木のうち3本残っていて、日本国内最古のりんごの木とみなされている。



この3本の木は「りんごの樹」の名で1960年(昭和35年)に青森県指定天然記念物となった。



日本最古のりんごの木 樹齢143年

所在地=青森県つがる市柏桑野町木田千年225









2021/06/01

光合成をしない、やめてしまった植物 No.483

 菌従属栄養植物

葉緑素を持たない腐生植物のことで光合成を行わず、キノコやカビの菌糸に寄生して育つ植物である。

光合成能力を失い、菌根菌や腐朽菌から栄養を奪うようになった植物は、ツツジ科、ヒメハギ科、リンドウ科、ヒナノシャクジョウ科、コルシア科、タヌキノショクダイ科、ラン科、サクライソウ科、ホンゴウソウ科などが該当し、これまで日本からは約50種が報告されている。

2016年10月、神戸大研究グループにより沖縄、石垣島の於茂登岳(おもとだけ)
周辺で見つかり、その地名から「オモトソウ」と名付けられた菌従属栄養植物の新種は、既存種のホンゴウソウ科の「ホンゴウソウ」に近縁であるものの、雄花の先端の突起を3つ持つホンゴウソウに対し、6つの球状の突起を持つ点が異なることから、ホンゴウソウ科の新種と判明された。


                            「オモトソウ」


この植物はほとんど地中で生息するため、見つけにくく、1〜2ヶ月間だけ地上部の高さ5〜10cmほど伸び、直径2㍉ほどの紫色の花を咲かせます。

菌従属栄養植物が育つには、寄生しても生態系が崩れない安定した森林が必要である。

新種が見つかったことで、於茂登岳周辺の原生林の重要性が改めて示された発見である。


                「近縁種のホンゴウソウ」


✿菌従属栄養植物


                   「ラン科タシロラン」


               「ラン科に見えないラン」