軍事費がGDP比5%になると
4人家族で負担する軍事費は年間100万円です。
これは現実に起こりうるか問題です。
日本政府は1976年、軍事費を「国内総生産(GDP)比1%」以内に抑える原則を確立し、これを長く維持してきました。
ところが「すべての同盟国は軍事費をGDP2%以上に上げるべきだ」と言う米政府の要求に応えるため、2022年の安保3文書で、23〜27年度の5年間で、防衛省以外の予算も含めて一気に2倍化=GDP2%(約11兆円)に拡大することを決定しました。
「出典:しんぶん赤旗日刊紙より」
11兆円とはどれだけの規模かと言うと、国民1人当たりでは約8万9500円に上ります、
4人家族で年間約36万円、月3万円を負担している計算です。
防衛省は、20年度の国民1人当たりの軍事費は年約4万円と言う試算を公表しましたが、わずか数年で国民の軍事費負担は2倍以上になっています。
しかし、米国の要求はこれにとどまりません。
米国防総省は昨年、日本に「GDP比3.5%以上」を打診したと報じされています。
日本政府はすでに、GDP比2%以上の軍事費増を当然視しており、これに応える構えです。
GDP比3.5%になればどうなるか。
24年の名目GDP約609兆円)に当てはめると、21兆円を超える途方もない金額です。
国民1人当たりでは年17万3000円です。
20年度と比べると実に4倍以上です。
4人家族で年69万円、月約5万8000円となります。
更に米国防省が23日に公表した「国家防衛戦略」で、すべての同盟国に、軍事費のGDP比5%以上への増額を要求する事を揚げました。
5%になれば24年の名目GDPで換算すると30兆円を超えます。
国民1人当たり年24万8000円、4人家族で年約100万円にも達します。
もはやこれは戦時経済、軍事独裁政権のような財政構造になってしまいます。
米国の理不尽な要求に屈し、日本政府はこれぼどまでの負担を国民に押しつけようとしているのです。
その是非が、高市政権による暴走の下で行われる衆議院解散総選挙で問われます。
安保3文書(22年12月閣議決定)を境に日本の軍事費は様変わりしました。
従来、軍事費とは防衛省の当初予算を指しますが、他省庁の軍事関連予算、補正予算への防衛省予算の計上が加わり、「財政の軍事化」が進んでいます。
防衛省予算に計上される軍事費は3つに分類されます。
①自衛官や防衛省職員の給与や食事に充てる人件、糧食費
②装備品の購入、修理や基地整備、隊員の教育訓練などの一般物件費
③軍事ローンの返済分歳出化経費です。
このうち急増しているのが歳出化経費です。
高額兵器の購入や基地整備は単年度では支払いきれずに複数年度に分割払いするため、同経費を毎年計上しています。
軍事ローンである「後年度負担」は2026年度予算案で総額17兆9524億円に上り、巨額のツケを将来に回りています。
グラフ①
「グラフ①」
これに伴い、歳出化経費は4兆6857億円に上り、同省予算の半分超を占めました。
安保3文書策定前の22年度と比べると約2.3倍(約3.6兆円増)へと突出して増えました。
ローンが急増した背景には
①長射程ミサイルの大量導入などの敵基地攻撃態勢づくり
②米国製兵器の爆買いや沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設、米軍訓練を移転するための馬毛島(鹿児島県西之表市)への基地建設などの異常な「米国奉仕」があります。
第2の軍事費
法の趣旨をゆがめる補正予算も「第2の軍事費」にしています。
本来、補正予算は財政法で特に緊要となった経費に限ると定め、大規模災害など当初予算の編成時に予期できなかった事態に対応するために構成すべきものです。
補正予算への軍事費計上を常態化させたのは12年に発足した第2次安倍晋三政権です。
毎年度1000億〜4000億円程度盛り込むようになりました。
安保3文書以降の23〜25年度では8000億円を超え、当初予算と合われて空前の規模となっています。
グラフ②
「グラフ②」
更に「総合的な防衛体制の強化」と称して、他省庁の予算も軍事費に組み込んでいます。
具体的には、①研究開発、文部科学省や経済産業省などの9府省
②公共インフラ、国土交通省や内閣府
③サイバー安全保障(政府全体)
④同志国との国際協力、外務省の4分野です。
これに加えて海上保安庁や国連平和維持活動(PKO)予算などを関連経費に算入
関連経費を含めて軍事費のGDP比2%としています。
米国の要求に応じてGDP比3.5%になれば、これらも増えることになります。
日本共産党の赤嶺政賢衆議院議員(沖縄)に防衛省が提出した資料によると、関連経費は23年度7748億円、24年度9833億円、25年度1兆2247億円と増加し続けています。
特に増えているのは研究開発です。
26年度は5144億円と3年間で約3倍に増加しました。
政府全体で軍事研究にのめり込んでいます。
禁じ手の国債も
こうした「大軍拡」のために「禁じ手の軍事国債」も拡大し続けています。
グラフ③
「グラフ③」
戦時国債の乱発によって侵略戦争に突き進み、経済·国家財政を破綻させた戦前の反省を踏まえ、歴代政権は軍事費を国債で賄うことを否定してきました。
しかし、岸田文雄政権(21〜24年)が2023年度に戦後初めて、護衛艦などの建造に国債発行を強行しました。
26年度予算案では5973億円を盛り込み、総額2兆9709億円に達しました。
歴史的な円安で物価高が加速する中、将来世代に負担を押し付けています。
“禁じ手”を重ねた軍拡の結果、防衛省予算は5兆円台で推移していましたが年1兆円規模で積み増し、4年間で約3.6兆円(約1.7倍)増えました。
他の予算と比べれば、明らかに異常な伸びです。
22〜26年度の間では軍事費は突出して増える一方で、文教科学振興費は約6500億円増、食料安全供給費は29億円増にとどまり、中小企業対策費は削減されました。
グラフ④
省庁別で見ても、26年度予算案で防衛省予算は、国土交通省や文部科学省の約1.5倍、農林水産省の4倍以上になっています。
現行計画でも財源の不足分(年3.6兆円)を歳出改革や増税(法人税、たばこ税、所得税)で確保するとしていますが、恒久的な財源の目処は立っていません。
GDP比3.5%になれば、追加で10兆円の財源を賄わなければならず、消費税増税や社会保障の削減、国債の乱発などは必至です。
トランプ米政権は、さらにGDP比5%という途方もない金額を全同盟国に要求しています。
軍拡を推進する政党勢力は、財源も示しておらず、将来世代に負担を押し付けることについてもまともに説明しません。
大軍拡は紛れもなく国民の暮らしを破壊する「亡国の道」であり、受け入れる事はできません。
そもそも軍事国ではない、戦争放棄を憲法に掲げている日本が、軍事大国である米国と軍事同盟を交わしている事が許されると言う事が異常なのです。
日米地位協定、日米安保条約、日米軍事同盟は、軍事大国である米国が敗戦国となった「日本を利用するための協定、条約、同盟」であり、日本国民の暮らし、予算を横取りする暴挙である事を、軍事費予算は証明していています。
しんぶん赤旗より引用
出典:しんぶん赤旗
2026年1月25日 日曜日(日刊紙、第26918号)
日本共産党
www.jcp.or.jp













