緑のお医者の徒然植物記

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日曜日, 2月 10, 2019

土壌動物の働き No,126

土壌動物の働き

落葉、落枝の粉砕

落葉の一連の分解過程に複数の土壌動物が関与している。


落ちて間もない落葉は硬くて乾燥しており、ワラジムシ、オカダンゴムシ、ササダニ、ミミズなどの一次分解動物によって摂食、粉砕される。

通常一次分解動物では、炭水化物、脂肪、たんぱく質は消化、吸収されるが、ヘミセルロース、セルロース、リグニンはほとんど消化されずに排泄される。

◉ヘミセルロース

植物細胞壁に含まれるセルロースを除く水に対して、不溶性の多糖類の総称。

◉セルロース

繊維素

◉リグニン

高等植物の木化に関与する高分子のフェノール(石炭酸)性化合物であり、木質素とも呼ばれる。
化合物の総称。

◆落葉は粉砕されるとともに、その含水量を増す。

一次分解動物のフンと粉砕された落葉は、トビムシ、ヤスデ、ミミズ、センチュウなどの二次分解動物に更に分解され、土壌の団粒化、腐植粘土複合体の形成を寄与する。

腐植

土の中に入った、植物の残渣(ざんさ=残りかす)や動物の遺体、排泄物はヤスデ、ワラムシ、ミミズ等の土壌動物によって細かくされ土中に、ばらまかれた後、今度は微生物によって更に分解されます。

有機物の構成成分であるデンプン、たんぱく質、リグニンなどは分解の難易はありますが、分解されてかなりの部分は炭酸ガス、水やアンモニアになります。

残りの部分は、黒褐色の無定形の物質に変形します。

これを腐と呼びます。

腐植はこれまでの有機科学のどの部門にも属さない、高分子化合物で、土において新しくできた、土個有のものと見なされます。


土壌中の腐植物質は常に更新と腐植化を繰り返しているため、その量と腐植化の程度は、地温、土壌水分、地上植生、粘土含有量などに依存して、一定の動的平衡(へいこう=つれあい)状態に保たれています。

地上の植生が気候変動相場制によって変化すれば、腐植物質の量と質は新たな平衡状態に移行することになる。




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