器具を使って調べる
土壌EC測定器(電気伝導度測定器)を使うと、土の中に含まれている植物が使うことのできる養分の量、植物の水分、養分吸収の邪魔をする塩分の濃度が分かります。
つまり、この測定で肥料不足や濃度障害が分かります。
ここで言う塩分とは食塩(塩化ナトリウム)というより、塩類(余分な肥料分、栄養分)のことです。
◉濃度障害
土に塩類が溜まることで植物に起こる障害
土に塩が溜まってくると、ほとんどの植物は水分を吸えなくなったり、養分、特にカルシウムを吸収できなくなります。
その結果、生育不良に陥ったり、つる割れ病などの障害が起き、ひどい場合は塩に水分を吸いとられて枯れてしまいます。
★つる割れ病はウリ類のキュウリ、スイカ、メロン、マクワウリなどで、根本に暗緑色の病斑ができ、赤いヤニが出て根が腐る。
土壌中の糸状菌の一種によって引き起こされ、種芋で伝染する。★
雨の少ない乾燥地では、蒸発の方が多いので土の中の水は上に動きます。(上昇型環境地)
しかも、洗い流されることのない塩分が多量に土の中に溜まってしまいます。
「塩辛い土」は地球規模で進む砂漠化の原因のひとつとされる重大な問題です。
雨の多い日本では、土の中の水は下に動く(下降型環境地)ので、深刻な濃度障害は自然状態では起こりませんが、雨の影響を受けないハウス栽培では問題となります。
また、乾燥しやすい夏に肥料をやり過ぎると、濃度障害が起きることがあります。
★土壌成分分析には、高価な土壌簡易検定器が市販されています。
簡単にリン酸の検定やカリウムの検定等が出来るようになっています。
しかし重要なことは、むやみに肥料を施さないこと、堆肥のつもりでやたらにゴミを埋めないことの方が大切なことです。
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