緑のお医者の徒然植物記

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2023/06/15

土壌溶液 No,644

 土壌溶液の重要性

土壌粒子間の微細隙間に保持されている土壌水は、他の天然水と同様に純水ではなく、さまざまな溶質を溶解している。

そのため、土壌水の溶質★組成について論ずるときには、特にそれを土壌溶液と呼ぶ習慣となっている。

★組成(そせい)とは、いくつかの要素、成分によってひとつのものを組み立てること、またその組み立て。

陸上の植物は炭素、水素、酸素以外の必須元素(17種類)の大部分を土壌溶液から吸収している。

★有害重金属について

土壌に投入された有害重金属は水銀、鉛、カドミウムなど

重金属類の汚染源は鉱山、精錬所(せいれんじょ)メッキ工場、清掃工場の排水及び排煙があげられる。


また、一般に重金属汚染は汚染源に近いほど汚染度は高く、汚染された重金属の大部分は作土に含まれており、下層には少ない。


汚染された重金属は半永久的に、土壌に残留するなどの特徴がある。


♣重金属土壌汚染とは

水田や畑などの農耕地土壌に、人の健康に対して有害な重金属類が蓄積し、農作物の生育に障害が発生し、収穫量が減少するなどの被害が発生することを言う。

土壌を汚染する重金属元素類は、カドミウム、銅、亜鉛、鉛、ニッケル、クロム、水銀、ヒ素、セレン、アンチモンなどである。

ここで言う重金属とは密度が高く、主として★周期律表で★遷移元素に属する金属とその★イオンを示す。

★周期律表(元素周期表)とは、性質の類似した元素が縦に並ぶように決められた規則(周期律)に従って配列した表を周期(律)表という。


        「元素周期表」


★遷移(せんい)元素は周期表の真ん中ぐらい(第3族元素から第12族元素)の間に存在する金属元素の総称である。


★イオンとは、原子が電子を得たり、失ったりして電気を帯びたもの。


いくつかの元素は普通の土壌には比較的少量しか存在しないが、植物の生育には不可欠であることから、農業上微量元素と呼ばれている。


陸上では、降水の相当部分は土壌溶液として土壌粒子のすき間にいったん貯留され、その一部は徐々に移動して河川水や地下水と合流する。


こうして土壌溶液の化学組成は、その他の天然水の組成にも影響する。