うどんこ病
うどんこ病は春や秋に様々な植物で、白いカビが新芽や若葉、茎などの表面や裏面にうどん粉をまぶしたようにびっしり生える病気の総称です。
病気が進むと、葉が変形、ねじれたり小さく萎縮したりします。
植物によって病原菌が異なりますが、似たような症状がでます。
病原菌の種類や感染した植物の違いによって、カビが葉の表面だけにつくもの、厚くて褐色の絨毛状(じゅうもうじょう=微細な突起)のもの、厚くて紫褐色(しかつしょく)の膜がつくものなどがあります。
胞子の発生する適温は17~25度で時期的には5月~7月と9月~11月が発生しやすい時期と言えます。
植物によっては違いますが、高温(20度前後)多湿を好み、4月から10月に発生することが多い。
日陰になった株に発生が多く、病気にかかった葉(羅病葉)は、比較的長く樹上に着生する。
病葉上の無性胞子(分生子)がそのまま越冬して、翌春の伝染源となる。
◉分生子(ぶんせいし)とは、菌糸の一部が伸び、その先がくびれてできる特別な胞子で分生胞子とも言う。
その形成の過程は体細胞分裂による。
また、分生子のみで繁殖する菌類を不完全菌と言う。
常緑樹のうどんこ病では「子のう果=子実体」を作らずに、白い菌糸のままで越冬するマサキやウバメガシなどがあります。
★子実体(しじつたい)とは、菌類が胞子形成のために作る複合的な構造のこと。
病原体の種類はたくさんあり、そのほとんどがカビですが、カビの種類によって寄生する樹種が決まっている。
そのカビは特定の植物にしか感染しないものと、ジニアの病原菌のように様々な種類の植物に感染するものがあります。
どの植物につくカビも「活物寄生菌=かつぶつきせいきん」と言って、生きている植物しか寄生しない。
うどんこ病菌は植物体の表面でしか繁殖できないので、枯れた植物の上では生きられません。
感染経路は空気による感染がほとんどで、一部は虫媒感染による場合もある。
発生しやすい植物
ほとんどすべての庭木、花木、草花、山野草。
家庭果樹ではカキ、クリ、ブドウ、モモなど。
鉢植えではキク、シャクヤク、スイートピー、ダリア、ベゴニア類など。
野菜類のエンドウ、オクラ、カボチャ、キュウリ、トマトなど多数。
基本的対策
落葉樹では病気の葉が落葉したら集めて焼却処分することで、翌年の伝染源を断つ。
常緑樹は子のう果が越冬している病葉を摘んで焼却処分します。
薬剤処理ではチオファネートメチル剤、ベノミル剤、キノキサリン系剤、TPN剤、水和イオウ剤などを散布します。
予防
チッソ分が多くカリ分が欠乏すると発生しやすいので、チッソ肥料を少なめにカリ肥料を多めに与えます。
樹木では冬期の1月から2月に石灰硫黄合剤を1~2回散布し予防する。
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