白絹病(しらきぬびょう)
病原菌学名=Corticium rolfsii Curzi
苗木や幼木の株の土と接している地際部や、株の近くの地表に白い糸状の菌糸が発生し、はじめ褐色の水浸状に変色する。
腐敗が進むにつれて黒褐色となる。
病気にかかった株の地上部の上部全身の枝葉は生気を失い、水が滲んだようになって腐って枯死する。
やがて、地際部やその近くの地表に小さな粒がたくさんできます。
これは菌糸の塊(かたまり)で菌核といい、地中に侵入して次の年の発生源となります。
病原菌は担子菌類に属する糸状菌(カビ)の一種で、極めて多くの木本、草木植物を宿主とする多犯性の病原菌である。
この病気の菌核は、発生適温が30~35度を示すように厳しい環境に耐えることができます。
菌核は土中で長期間潜伏し、新たな株が植えられると次々に感染を引き起こして行きます。
また、病患部に形成された子実層からは胞子を飛散させて、風媒伝播も行い、未分解有機物を栄養源として繁殖し、やがては健全植物に感染していく。
この病気は酸性土壌で、夏期高温時(6月~8月)の降雨の後などに発生が多い傾向があり、排水不良地や連作地で多発して激しい被害となる。
◉予防対策
病気になった株を発見したら、なるべく早く根の周りを土ごと抜き取って焼却処分する。
菌核が長く生存して伝染源となるので、菌核や被害残渣は残らず集めて焼却することが重要です。
病原菌核は地表面の比較的浅い部分に潜伏しているので、土壌の天地返しによって、地表面の菌核を土中深く埋没して死滅させます。
5月~10月に一回、PCNB剤(アースサイドなど)を土壌に混ぜたり、5月~6月から9日おきにメプロゾリン(バシタック水和剤)の水和剤等を10回ほど土壌に注入する。
病原菌に侵された土壌は、土壌消毒剤のクロルピクリン剤又はダゾメット剤などの、ガスくん蒸剤で土壌消毒を行う。
また、灌水(かんすい)可能な場合は、2~3週間灌水状態(水を注ぎ溜めた)に保つと、土中の病原菌はほとんど死滅に至り有効である。
なるべく連作を避け、鉢植えの植物は用土を7月~8月に太陽熱で消毒を行う。
★関連ブログ記事
糸状菌とは何?No,557
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