緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

検索結果

2018/12/24

メリークリスマス花*花 (1) NO.99

「シクラメン」


                    「マーガレット」


                     「ブルームーン」


              「ヘンリーフォンダー」


                       「ゼラニウム」





2018/12/23

コブシ 「拳」「辛夷」 NO.98

コブシ「落葉樹」


モクレン科モクレン属 別名ヒキザクラ、ヤマモクレン、ヤマアララギ
学名「マグノリア·コブス」

◉日本原産で日本全国と韓国の済州島に自生している。

日本全国で、庭木や公園樹、街路樹として広く栽培されています。

早春の3月から4月頃、葉が出る前に7~8㎝くらいの白い花が咲く。

モクレン属の中では、最も耐寒性があり北国の春を告げる木として親しまれています。

地球上に一億年以上生息しているとされ、花の付き方がらせん状になっているなど、起源の古い植物の持つ特徴が見られます。




モクレン属は最古の花とも言われる。

9月から10月頃に実る果実は、握りこぶしを連想させるような凹凸があり、これがコブシの名の由来とされます。

農村では特に田打ち桜、種まき桜の名もあり農耕暦代わりに用いられる他、花の咲き方などでその年の作物の豊凶を予測したりもしました。

◆春早いうちに花を咲かせるので、つぼみはわずかな温度変化にも敏感です。

太陽の光を多く受ける部分が先に膨らむため、つぼみの先端が反り返ってを向きます。

こうした植物は「方向指標植物」と呼ばれ、登山のガイドブックには「早春の山道で迷ったら、コブシのつぼみを見るように」とアドバイスが載っている物さえあります。
 

                           「コブシの花」


★花は和辛夷(わしんい)の呼び名で、生薬としても用いられます。

開花前のつぼみを採取し、風通しのよいところで陰干しします。

鼻カタル、蓄膿症、頭痛に効果があるとされています。

生育管理
植え付けは3月~4月  10月~11月、日当たりと風通しのよい場所が適します。

有機質に富んだ水もちのよい土を好みますが、強い粘土質の土は根が張りにくいので避けるようにします。

肥料
1月から2月に堆肥、腐葉土、油かす、骨粉などの有機質肥料を少量施して土を柔らかくします。


剪定
剪定はしない方が花突きはよくなります。

剪定する場合は、花後が最も適しています。

分かれ目や付け根から切ります。

枝の途中て切るとその先からは弱い枝しか出ず、枯れ込んでしまうこともあるので必ず、枝の分かれ目で切るようにします。

殖やし方
移植は嫌いますが実生で殖やせます。

実から赤い果肉を取り去り2月から4月頃に種をまいて育てます。

モクレンの仲間ではコブシは珍しく挿し木ができます。

その場合は、春先のほか、7月頃にも繁殖が行えます。
 
    (実生苗8月21日撮影)
           









2018/12/22

小さな盆栽、苔玉を暮らしの中に  NO.97

小さな盆栽、苔玉を

暮らしの中に


小さな盆栽や苔玉には、鉢花のような華やかさはありません。

しかし、花にはないどこかしら素朴で、不思議な懐かしさがあります。

四季折々に変化する様子が里山の自然に寄り添う時のように、優しい気分にしてくれる、自然の豊かさを思い出させてくれます。




植物は、長い期間を経てやがて花を咲かせ、実をつけます。

植物の個体差はあるけれど、幼苗から育てた場合、三年くらいしないと花を咲かせません。

とても根気のいる事です。

店先に並べられ、お客さんの目にふれるまで長い年数を必要としているのです。


              (ヤブコージ、別名十両)


単植のヤブコージですが、他の植物と組み合わせるとまた違った味わいが生まれます。

真っ赤な実をつけるヤブコージは冬期には欠かせないもの。




ひとくちに盆栽といっても様々です。

手のひらの中に収まってしまうような、小さなものから数百年という樹齢の貴重なもの、大きさも樹種も樹齢も多彩です。

大小問わず、ひとつの大きな世界を持っているのです。

葉を楽しむもの、実を楽しむもの、花を楽しむものなど個性豊かな姿形にも魅力があります。 



◆参考ブログ
※苔玉盆栽 No.52
※コケ(苔)の話 No.81
※コケの胞子 No.90
※苔玉、鉢植えのコケ管理 No.165
※花のない植物コケ胞子隠花植物 No.187






2018/12/21

ヒイラギナンテン「柊南天」 NO.96 

ヒイラギナンテン


メギ科ヒイラギナンテン属 別名トウナンテン

◉学名はマホニア.ジャポニカという「日本の」という種名がついている。

    「ヒイラギナンテンの花、3月5日撮影」


原産地は、中国、台湾、ヒマラヤ地方でアジア北米、中米に100種の同属種が分布しています。

日本には、江戸時代中期に薬用植物として伝えられ、中国から伝わったため、トウナンテン(唐南天)の別名がある。

根、茎、葉、果実を解熱、解毒剤として利用しました。

ヒイラギナンテンの名称は、トゲのある葉がヒイラギに似て樹形はナンテンに似ていることに由来し、伝来当初から観賞木としても親しまれていました。

◉特徴

早春に枝先から長い花穂を伸ばし、3月から4月にかけてたくさんの香りのよい花を咲かせます。



          (ヒイラギナンテン)


緑色の果実は10月から11月にかけて黒紫色に熟します。

鳥達が好んで食べますが、トゲのある葉は痛くないのかなぁ~なんて思たりします。

トゲのある硬質の葉は、枝先に集まってつきます。

一枚の葉に見えるのは「奇数羽状複葉」の小葉(一枚の一部)で、一枚の葉は11枚から17枚の小葉に分かれています。

常緑樹ですが、晩秋から冬にかけて紅葉を楽しむことができます。

ただし、植栽環境によっては紅葉しない。

日陰でもよく育ち、大気汚染にも強いことから、都会の狭い庭植木や環境緑化樹としても、幅広く利用されている。

また、ナンテン同様、縁起木として家の鬼門などに植えられることもある。

◆類似種(近縁種)に小葉が細長く、秋に開花するホソバノヒイラギナンテン、ひときわ香りのよいセイヨウヒイラギナンテンなどがある。

生育管理

半日陰で水はけのよい腐植質に富んだ場合を好みます。

紅葉を楽しむには、ある程度の日照が必要なので、午前中によく日の当たる場所が良いでしょう。

日陰や一日中、日の当たる場所でも育ちますが、乾燥した所では生育が悪くなってしまいます。

日差しが強いと葉が黄ばんでしまいます。

植え付け、植え替え


                 「ヒイラギナンテンの花芽」

土質は特に選びません。
植え付けは植え穴を大きめに掘り、高植えにします。

ふつうの庭土であれば、元肥を入れず水ぎめするだけでも活着します。

やせ地の場合は、完熟堆肥をすき込みます。

また、枝が折れやすいので、枝を一つに束ねてから作業すると良いでしょう。

植え付け、植え替えは4月から5月ですが、強い樹種なので10月くらいまで可能です。

剪定

ひこばえや弱い枝を地際から切り3~5本の株立ちを保つようにします。

大きくなると下葉が枯れて、上下のバランスが悪くなるので古葉は、枝分かれしている所で切り、新しい枝に更新します。

あるいは、徒長した古枝を地際から切り、生育のよいひこばえを新枝に更新します。

実が多くなりすぎると、樹勢が弱るので必要に応じて、花後に花穂を切り取り、結実を調整します。

◆殖やし方
実生で殖やします。秋に完熟した果実を洗って種を取り出し、そのまままくか湿った砂の中に貯蔵して翌春にまきます。









2018/12/20

ヒイラギ(柊)  NO.95

ヒイラギ モクセイ科


 
モクセイ科 常緑低木 別名オニノメツキ 花言葉=剛直

◉関東以西の本州、四国、九州、沖縄、台湾などの山野に広く自生する。

肉厚で光沢のある葉に、ギザギザした鋭いトゲ(鋸葉)を持つのが特徴です。

ヒイラギの名は、触るとズキズキ痛むという意味の古語、ひいらぐ(疼ぐ)に由来しています。

モクセイ属の植物ですので、特有の芳香を持った清楚な白色の小花を咲かせます。

キンモクセイが9月頃から咲くのに対し、ヒイラギは秋を締めくくる11月に開花します。

ヒイラギの鋭い葉は、邪気を払うと信じられ、古くからにわに植える習慣がありました。

オニノメツキ(鬼の目突き)と言う別名は、鋭いトゲで鬼の目を突いて退散させたと言う伝説からそう呼ばれる。

👹節分の日に、ヒイラギの枝葉にイワシの頭を刺して、門口に立てるという魔除けの習慣が現在も残っています。

平安時代は、ボラの頭を添えたようです。

イワシを刺すようになったのは、鎌倉時代と云われています。

この鋭いトゲも樹齢を重ねて老木になると、次第に丸くなり葉の形も楕円形(全緑葉という)になります。

大気汚染にも強く、縁起木としても人気がある。




(鋸葉から次第に丸くなったヒイラギの葉、樹齢約23年)


★品種

フイリヒイラギ(葉に白斑が入る)
キフクリンヒイラギ(葉の縁が黄色)

近縁種のヒイラギモクセイはヒイラギとギンモクセイの交雑種で、芳香がより強く、公園樹や街路樹としても利用されている。

また、クリスマス装飾によく使われる。

赤い実のなるセイヨウヒイラギ(ホーリー)、シナヒイラギはよく似ていますが、別種のモチノキ科の植物です。

ヒイラギの葉が対生であるのに対し、ホーリーは互生である。

また、開花期が5月から6月、結実期が10月~11月とヒイラギと正反対になります。


◉日陰に強く、土質もほとんど選ばない。

日当たり、水はけがよく腐植質に富んだ肥沃な場所を好みます。

耐寒性は比較的に強く、東北地方南部まで地植えが可能です。

しかし、冬の寒風を嫌うので、凍結の恐れのある地方では直接風に晒される場所への植え込みは避けた方が無難です。


◆植え付け、移植

4月中旬から5月、9月から10月
植え穴は大きめに掘り、完熟堆肥をすき込んで高植えにします。

★肥料

やせ地でない限り特に必要ありませんが、生け垣など刈り込みを行う場合は、骨粉、草木灰、鶏ふんに油粕を混ぜた有機肥料を冬期に与える。

①成木の場合で油粕300㌘から500㌘ 
②骨粉50㌘から100㌘  
③化成肥料100㌘から200㌘

◉病害虫
カイガラムシ、ハマキガ、ハモグリムシなとが発生する。

活動期なスミチオン乳剤、オルトラン水和剤などを定期的に散布。

冬期にマシン油乳剤を数回散布して防除します。


★剪定
6月下旬から7月、10月下旬から12月上旬。







2018/12/19

ナンテン(南天)  NO.94

ナンテン 

(南天、南天竹、南天燭)


メギ科 ナンテン属 

常緑広葉低木


花言葉=私の愛は増すばかり

インド、中国の主に石灰岩地帯に多く分布する。

日本では、茨城県以西の本州、四国、九州の表土の深い林地に自生している。

名前は中国名の南天竹に由来していますが、その発音が「難に転ずる」難転に通じることから、古くから魔除けとして門口や鬼門の方角に植えたり、縁起木として親しまれている。

正月の生け花としてもよく利用される。

江戸時代には100種類以上もの品種が見られたと言われいる。

開花が梅雨時と重なることが多く、長雨によって落花しやすい。


薬草としても知られ、実はせき止め、葉は二日酔いに役立ちます。

ただし、アルカロイドを多く含むため、処方には確かな知識が必要である。

赤飯の折り詰めなど、よく料理に添えられますが、これは単なる彩りではなく、葉に含まれるナンジニンと言う成分に防腐効果があるからです。

また木材は箸(長寿箸や杖)に使われます。


                       (ナンテンの実)

代表品種

1.白い実がなるシロミノナンテン(園芸種) 
2.フジナンテン   
3.ウルミナンテン
 4.葉の小さいキンシナンテン(園芸種) 
5.葉幅の広いオタフクナンテン(園芸種) 
6.ササバナンテン 
7.黄色い実がなるキミノナンテン(園芸種)
葉形が笹ににているササバナンテンなど、30種を超える園芸品種がある。


◆古くから庭木として植えられ樹勢も強い、実をよくつけるためには日当たりの良い場所にうえる。

耐寒性が強く、多少の日陰でも元気に育ちますが実つきがやや悪くなります。

浅根性なため、乾燥をきらいます。

◉植え付け、植え替え(4月、9月)

腐葉土や堆肥を十分にすき込み適度な湿気を保つようにする。

★2月と8月下旬から9月頃に有機肥料で追肥。

耐寒性は強い方ですが、極寒地では室内での栽培が無難です。

◉紅斑病(こうはんびょう)

病原菌は、不完全菌類に属する糸状菌の一種で、ナンテンのみに寄生して被害を及ぼす。

水滴のたまりやすい葉先や葉縁などから病斑を生じる。

◆5月から9月にかけてマンネブ剤、チオファネートメチル剤、ベノミル剤などを用いて、降雨時前後を重点に月に1回~2回散布し、蔓延防止に努める。

羅病落葉も伝染源になるので、冬には株元に散乱する落葉を集めて焼却することを行ってはならない。

チッソ系の肥料を株元に与えます。

★チッソ肥料

①硫酸アンモニア=アルカリ性の肥料(石灰、草木灰など)と混ぜて使用しない。日数をおく。

②硝酸アンモニア=他の肥料と混用しない。

貯蔵中は火気に注意する。

③尿素(ウレア)=大豆かすと混用しない。

④石灰窒素=カルシウムを含む。アンモニア系の肥料と混用しない。

⑤IBチッソ=科学的に暖効性を持たせた肥料。
(IB=イソブチリデン2尿素の略、イソブチルアルデヒド加工尿素肥料)


❉肥料(施肥)

冬期の1月から2月に、堆肥や腐葉土に鶏ふんを混ぜ、株の周りを掘って埋め込みます。

実つきを良くするためには、夏にリン酸分の多い化成肥料を少量バラまきしますが、与え過ぎてはいけません。




   (ナンテンの花)

※開花期6月~7月
受粉樹として別の個体を植えておくと効果的。

◆害虫

カイガラムシ=冬期に石灰硫黄合剤、マシン油乳剤を散布し防除。

◉剪定

一度結実した枝は三年程は結実しません。

古くなった枝から順に、地際から切り取り常に幹数を5本~6本に保つようにします。

不要な枝も根元から切り取ります。

長い枝を途中階で切り詰めると、そこから枝分かれするので地際から切り取るのが基本です。

梅雨期ならば、強い剪定をしても大丈夫です。

樹形が乱れた時には思いきって、切り詰めて形を整えます。

しかし、すべての枝を切り戻した場合、その年は開花、結実しません。

★(注意)

梅雨時以外は、強い切り戻しをしてはいけません。


◉殖やし方

実生、挿し木、株分け
実生=果肉を除いてとりまきにするか、湿った砂などの中で乾燥しないように注意して貯蔵し、翌春の3月から4月にまきます。

いずれの場合も発根するのは秋です。

挿し木=4月に充実した前年枝を10から15㎝ほど切り、さし穂とします。

株分け=4月から9月に株を掘り起こし、大きさに応じて、2分割又は3分割して移植します。

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ナンテンの実つきが悪い
No,67